パーティーメンバー募集①
コボルトキングを討伐した次の日、朝早くから冒険者ギルドに来ていた。
何故、こんなに朝早くから来ているのかと言うと、パーティーを結成したいと思っていたからだ。
先日の、コボルトキングやコボルトとの戦いで自分1人ではなかなか厳しい局面があると感じていた。
パーティーを結成するには、まずギルドにそれを報告しなければならない。
これがなかなか許可が降りるまで時間がかかる。
少なく見積もっても5時間くらいはかかるだろう。
今までもパーティを結成して狩りができたらよかったのだろうが、パーティを結成できるのは初心者枠を抜け出した者だけだ。
これはギルドが決めたことだが、それにもちゃんと理由がある。
ボス部屋にパーティを組んで入ろうとする場合、初心者枠同士だったり、初心者枠と同伴だったら、どちらか片方しか入室できないのだ。
こんな仕様になっているものだから、冒険者界隈では1階層は「試練の階層」なんて呼ばれ方もしている。
早朝からきての申請だったため、思いのほか早く終わったようで、受付嬢の人が小走りをしながら書類を持ってきてくれた。
「これに、登録するパーティーメンバーの名前とその上にパーティー名をご記入の上、再度書類を持ってきてください、そうすればパーティーの結成が受理されますので。パーティーを結成するメリットなどもお教えしましょうか?」
受付嬢がそう言ってくれたため琥珀はお願いすることにした。
よくできた受付嬢だと琥珀は感心していた。
「何から何まで悪いな」
「いえいえ、これが仕事ですから。では説明させていただきますね。パーティーメンバーを結成するメリットとしては、同じ階層にいる間、メンバーが倒した魔物の経験値がそのままメンバーに与えられるということです。これは初心者枠を抜けていないと発生しません。他にもギルド経営の飲食店やホテルが1割引になると言うメリットがございます。細かなことまで言いますとダンジョンで起こった情報などを優先的に知らされるというメリットもあります。ですのでパーティーを結成するメリットは非常に大きいものだと言えますね」
受付嬢は丁寧に分かりやすい口調で教えてくれた。
声のトーンも優しい感じの声だったのでとても聞きやすかった。
琥珀もメリットについては十分に納得したようだ。
「これで、後はメンバーを募集するだけですね。メンバーの募集はギルドのパーティー募集掲示板をご利用ください」
受付嬢に言われると、早速、募集用の用紙を貰い、そこにメンバーの募集を促す文を書いた。
まず、募集する人数は1人だ。
その方が、慣れるまでは動きやすいし、連携プレーもしやすいと考えたからだ。
書いた紙は受付嬢に渡し、メンバーを書く承諾書はポケットに入れておく。
「では、掲示板にこれを貼っておきますね、明日には恐らく誰かしらは申請してくると思いますので、また明日の10時ごろ承諾書を持ちお越しください」
受付嬢の丁寧な口調で言いながら、お辞儀をしてくれた。
それを琥珀もお辞儀で返す。
ギルドからでると経験値稼ぎのため、2階層でレベル上げをした。
レベルが5になってから3階層には挑むつもりだ。
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