連携
繁華街で腹ごしらえを済ませると本来の目的地であるダンジョンに行った。
向かう階層は2階層だ。
2人の連携の練習も兼ねて、コボルトキングに挑むことにした。
聞く話によると水美は魔法が使えるらしいのだ。
魔導士と呼ばれる者は主に後方からの支援が基本である。
2階層に行くとコボルトが槍を手に突っ込んでくる。
攻撃パターンがいつも同じだ。
琥珀が倒しにいこうと足に力を入れたが、水美が一瞬にして丸焼けにしてくれた。
どうやら、水美の属性は火属性らしい。
「やるな水美」
「えぇ、魔導士の端くれですから、これくらい余裕ですよ」
自慢げに水美はそう言っていた。
しかし、端くれの威力がこれほどなのだろうか?
明らかにオーバーキルだ。
以前、見たことがある魔導士の魔法はもっとひょろひょろだった。
「まあ、手加減してから打とうな、ダンジョンの一部が壊れて崩落なんかしてきたら死んじまうからな」
「あ、あの」
「何だ?」
「手加減してこれなんですけど」
............
「まじ?」
「はい......」
どうやら、琥珀はとんでもない逸材をパーティーメンバーにしてしまったみたいだ。
「因みにレベルは?」
「5です」
琥珀とは1レベル違う。
水美の方が今は上だ。
だが、琥珀はすぐに追いつくだろうと考えていた。
成長速度倍加があるからだ。
水美の魔法は5であの威力なのだ。
普通はありえないと思うのだが、と言うのが琥珀の率直な意見だった。
それでも、自分のスキルの方が有り得ない力を持っていると分かっているため口には出さなかった。
「まあ、俺としては心強い仲間が出来た訳だし、オールオーケーなんだけどな」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、キングでも倒しに行くか、っとその前に魔石の回収もしとかないとな」
今日はもう、魔石は我慢して全部売り払う予定だ。
本来なら、スキルポイントのために売らないが今回は水美もいる。
いつまでも、そうしている訳にはいかないが、いつバレるか分かったものではない。
3日だ。
これで、水美が信頼できるやつか確かめてやる!! 琥珀はそう意気込んだ。
それで、信頼できそうなら、自身のスキルも包み隠さず話す。
これから、仲間として一緒に戦っていくやつなんだから、事情は説明しようと思った。
魔石の回収をし終えるとコボルトキングのいる部屋へと入った。
ボスを素通りしたいなら、1度クリアした者は、大門の横の小さな扉から次の階層に行ける仕組みがある。
「やっぱり、大きいな」
「そうですね、まあボスですから」
そりゃそうかと、琥珀は敵に向けて走り出した。
後方から物凄い速さで、魔法が迫っている。
一発目は火属性魔法が直撃。
琥珀がその後に一発入れてやろうとしたら、なんと第2弾が飛んできた。
しかもそれは水属性だった。
え?
琥珀は困惑気味ながらも致命傷を負っているコボルトキングの頭の上まで地面を蹴り、体を捻りながらいき、頭を刺した。
2戦目のコボルトキングはあっさりと倒してしまったのだった。
それより......
「水美って二大魔導士だったのか......」
「はい、何かびっくりさせてすいません」
「いや、いいんだ」
本当に飛んでもないメンバーが琥珀の元に来てくれたらしい。
因みに、今日のボス戦で琥珀のレベルも5に上がったのだった。
魔導士はやっぱり、強いですね〜。
琥珀も負けないように頑張らねば。
何か、分からないことがあれば質問してください。
(〃・д・) -д-))ペコリン