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転生は地獄への道だった  作者: はぎの
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第二話 おろしたての服

彼女の家に行く道中、俺はたちは互いに自己紹介をすることにした。

「おれの名前は赤瀬 連。高校三年生だ」

「私の名前はレイリン、よろしくね」

そう言った彼女はとてもかわいい笑顔だった。(かわいい)

そんなことを思っていると、彼女の家に着いた。彼女の家はものであふれており、古い物を扱う雑貨屋のようだった。

彼女が扉を開けて、ランプに明かりをともし、俺を居間に案内してくれた。彼女は座布団を出して俺の下に引いてくれた。彼女は気配りができていた。

「ありがとう 」

「どういたしまして、さて、何から話していいやら」

「ここはいったいどこなんだ、日本なのか?」

当然の疑問を彼女に投げかけた。すると彼女は首を振り違うと話した。

「ここはあなたがいた世界じゃないの」

「うそだろ」

「本当のことよ。ここは異世界 貴方がいた世界と景色が違うでしょ たまにあなたのような人間がこの世界に来るのよ」

言われてみればそうである。俺の住む日本にはこんな場所があるなんて聞いたこともない。

「どうやってもとの場所に帰れるんだ」

「ごめんなさいそれはわからない」

「まじかよ……これからどうすればいいだ」

俺は絶望した。異世界に取り残されてしまっただ。しかしその思考はレイリンの言葉で吹き飛んだ。

「私が面倒みるわよ」

「え なんでいきなり」

「それはあなたが『ギガイ』を一撃で倒したからよ」

「『ギガイ』、先ほどの化け物のことか?」

「そう。この数十年前からこの世界に急に現れた。なぞの化け物よ。奴らは人間を襲い食らう」

「それとおれがどういう関係なんだ」

「本来ギガイは一撃で倒せるものではないの。でもあなたは倒せた。これはすごいことなの」

「そ、そうなのか」

彼女の言葉にただ困惑するばかりだ。彼女は語る。

「そして私はギガイ退治屋をしているの、あなたの腕を見込んで、雇いたいの。雇う代わりにこの世界のことや生活の面倒は見るわ」

「本当か!? ありがとう」

そういって頭を下げて彼女に感謝した。これでとにかく、俺の場所ができた。本当にありがたい。彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめていた。

「今日はもう疲れているでしょう。二階に空き部屋があるからそこで眠るといいよ」

「わかった ありがとう」

その好意に俺は空き部屋に布団に倒れこんだ。

今日は本当に疲れた。

窓から差し込む朝日によって俺は目覚めた。

「ここは、元の世界じゃないよな」

そう言って部屋を見渡した。何もない。壁土に囲まれていた。

 俺はもといた世界ではないことにため息をついた。その時である。扉からノックの音が聞こえた。

起き上がり扉を開けると、ラフな格好のレイリンがいた。

「おはよう、連。 朝ごはんできたから食べましょう」

そう言った彼女に俺は同調して、食卓に着いた。テーブルには俺の世界でも見たことあるリンゴとバナナが置いてあった。

「フレッシュな朝食だな。」

そういうと彼女はそうと返した。そうして俺の体面に座って果物にかじりついた。彼女がリンゴを食したと同時に俺もリンゴを食べた。

リンゴの味は異世界でもでもリンゴの味だった。このことにどこか俺は安心感を覚えた。


俺たちは飯を食い終えて、俺の福江を買いに行くため外に出ることにした。外の景色は改めて見て石やレンガでできた建物で、中世ヨーロッパの趣だった。そんな中で人々は生き、生活していた。そのためか通りにはゴミなどが散乱していたが、

異界人である俺にとっては、それすら趣があると感じ取った。俺が景色に目を配らせていると、レイリンが「この街並みが珍しいの」と尋ねてきた俺はそれにうなづいた。

「ふふんそれなら私が案内してあげよう」

そう言って俺は街を歩きながら、レイリンからこの世界についての話を聞いた。レイリンがこの世界について詳しく話す。

「この世界は 世界は夢幻界と呼ばれる異世界で、魔法や奇跡がふつうに存在する世界なの」

「魔法か、レイリンは使えるのか」

「ええ」

彼女は肯定して、指をパチンとはじいた。すると人差し指の先にライターほどの炎が出現した。

「すごいな。魔法が使えるなんて」

「少し魔法をかじっただけなんだけどね」

そう言って彼女は恥ずかし気に笑った。

街を巡っていると他とは違い美しいタイルや木材に石材で出来た多くの建物群に回り込んでいた。それは先ほど見た建築物より美しかった。

「この美しい通りだれが住んでいるんだ?」

「ここら辺は貴族が住んでいるのよ だから通りもきれいなの」

「ふーん」


そんな美しい通りを歩いていると大きく白く美しい城を見つけた。それはまるで王様が住んでいるうような城だった。このような美しい建築物を見たことはなく、レイリンに尋ねた。

「ここの城は誰が住んでいるんだい」

「ここの城には、ラギアという領主様が暮らしているの」

「ラギア様ねえ」

こんな美しい場所に住んでいるんだからとてもすごいえらい人だろう。それが思考の限界だった。

そうこうしているうちに、俺たちは、服屋にたどり着いた。レイリンが服屋の男の店主に俺を紹介した。店主は俺の服と交換に服を渡してくれることになった。どうやら異世界の品物は高く売れるらしい。

俺は迷わずこれに応じた。実は俺の恰好が現代の服であるため、多くのものの目を集めてしまった。早くこの世界に溶け込みたかった。俺が交換した服を着てレイリンの前に出ると、彼女は似合っているとほめてくれた。俺自身は姿鏡を見て、コスプレ感が否めなかった。俺が服装に慣れようとしているとき、店の外から悲鳴が聞こえた。

俺とレイリンは慌てて店の外に出る。俺たちが見たのは3匹の獣人らしきものが人を襲っていた。

くそなんてことだ!!

レイリンはそれを見た瞬間舌打ちして、携えていた剣を抜きギガイにとびかかった。それと同時に俺もギガイのもとに駆けた。レイリンの剣は一匹のギガイの首を切断し宙に浮かせた。俺は残るギガイに飛びいかかった。ギガイの頭を狙いけりをくらわすと、頭ははじけ飛び、残るギガイに命中。当たったギガイも絶命した。この時俺は不思議と敵や血を見る恐怖心はなく、あるのは闘争本能だった。そして戦いが終わったら自分の力に対する奇妙さが心にのこった。

(なぜ俺がこんなに力を持っているんだ)

俺たちはギガイを殺して街に平和が戻った。しかし俺の服にはギガイの血が飛び散ってしまい、おろしたての服がだいなしになってしまった。

(血って落ちるよな)そんな疑問とともにオレの心には相手を殺したという罪悪感が不思議とわき出てこなかった。

(なぜだ。おれは血を見ても動揺しない人間だったのか。そんなわけない。武道の心を持たない自分にそういった誰かを叩く覚悟がすぐできないはずだ)


そう思っていると、レイリンが拍手して俺に話しかけた。

「君はすごいな。ギガイを殺すほどの力 なんという力だ どこで身に着けたの」

「いやおれもよくわからないんだ」

「本当にか」

レイリンの真剣なまなざしを向けた。しかし俺にはわからず、自分の力の異常さに恐ろしくなった。


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