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新海監督! 天気の子 を見てきました! こりゃ、びでぇや

作者: あなたのファンdes

最初に言っておこう。私は新海監督が好きだ。

美しい背景、静かな心情、切なさ、無言の怒り。

そういったものが切々と降り積もる雪のように、そして突然、雪崩のように耐えられなくなりの火花のように悲痛に時には線香花火のように弱々しくフラストレーション発火させる。


語り部が得意な監督だからこそ、一瞬のフレームに価値を意味を与えることが無意識に得意なタイプであると思っている。






が、実際のところ、新海監督は

「君の名は。って、新海監督らしさがなくなったよねー。」

「わかるー。一気に幼稚くさくなった。背景はキレイだけどさー。オタクうけに走りすぎー」

新海監督らしさがない!!と、言われると僕らしさがわからないと、戸惑いをかくせない可愛い監督である。


貴方の作品の色はなんですか?と、聞いたら普通は答えられるであろうものを新海監督は何作品も世の中に発表しておきながら、自分らしさがわからないのだと言う。


だから指摘や批判されたことを謙虚に次作にいかし、その集大成がメガヒットとなった作品が【君の名は】である。


新海監督は

君の名は

秒速5センチメートル

言の葉の庭


など、タイトルセンスと意味の回収が得意な監督だった。


今作品は【天気の子】である。

マジ、細田守監督の【バケモノの子】なみのタイトルの薄さである。

細田監督は

サマーウォーズ

おおかみこどもの雨と雪


など、直接的な題名を好むので、これはこれで手法として間違っていない。それこそ、これが細田監督らしいだろう。


スタジオジブリなら

もののけ姫

崖の上のポニョ

など

タイトルが『の』をつくようにするように。



だがしかし、新海監督がそれをやるとなると今までのタイトルが秀逸だっただけに、激しい感性の劣化をかんじえない。


そして、前述したとおり新海監督は批判されたところを次回作に生かすという、とっても懐のでかい監督である。


それにより、君の名は、で指摘されたところをなおしたのが【天気の子】だといっても過言ではないだろう。


君の名は。は、時間軸がずれていたこと、すでに死んでいたこと、など複数の伏線がはっており、見事に絡まらないものをからみあわせ恋を成就させメガヒットを飛ばした。

しかも誰も死んでいない超ご都合主義メガハッピーで幕をおろした。


そんなわけで、たたくひとが、でるのは必然であり無理やりありえないものを、無理やりあわせ、おかしいところをおかしいですが何か?隕石?ご都合主義ですが何か?隕石の機動?わかっててキレイにとばしてますが何か?


と、まあ本人たちがあえてそのように仕上げているので、そこに関してはわざわざいわなくていいかなと、おもうのだが、指摘されると次の作品にいかしちゃうのが新海監督。


君の名は。ヒロイン、地方にすむ巫女あとつぎ

隕石が堕ちてくるから皆を救わなきゃ


天気の子。ヒロイン、東京に住む巫女(強制的に特殊能力を発動させる)

雨がやまないと、日本が沈没しちゃう。他人の命より、私の命のほうが重い。だから、日本が沈没しても仕方がない。


君の名は。は、誰かを救うことに必死で生きていることに必死なイメージだが、天気の子は冒頭から母親が死にそうな雰囲気の心電図の悲しい音がしているので、いかに大切にしていても失われる命があることを予感させている。

そして、君の名は、跡継ぎ、次世代のための口噛み酒など、神につなぐこと、人々の繋がりも厚くとてもワチャワチャしており濃かった。


一方の天気の子はヒロイン一人しか救えない。

一人しか救う気がない。人とひとの繋がりが異常にうすい世界である。



登場人物、全てのバッググラウンドが浅く、大人には見るのがきつい映画となっている。なにしろ、誰も応援したくならない。

押しのいない映画である。風景がキレイでした。さすが新海監督ですよね、うふふ。しかいえない。


ただ

物語に強制的に意味を見出すなら


神津島?生まれの主人公は光のあるところへ生きたかった。

光の中で生きていたかった。何もない島に退屈し抑圧されたエネルギーが東京で開放された印象。


島での退屈な日常より、食べ物がまともに食べれない東京のつらい極貧暮らしでもどこか楽しんでいるように見える。


一方のヒロインは母親を亡くしお金を困り、大人むけのお店で働らこうとする。


子供たちの世界に【正しい大人】が存在しなくなり、子供たちの小さな孤立した世界がはじまっていく。


ヒロインが15才にもかかわらず18才と年齢を偽ったり、はやく大人になろうとしているのがわかる。

また、ヒロインの弟が嫌に大人びており、あだ名は「先輩」

主人公は等身大のままだが、子供を先輩とよんだり、年上の主人公をヒロインは年下あつかいをする。


ここらへんで人間関係が複雑になっており、それに連なる人々も愛する妻との別れ、血のつながった子供への面会の連絡をとる父親、家出を平気でする主人公など、歪な形がそこらかしこに転がっている。


正しい家族のありかたとは何か、

ここでは誰も教えてくれない。

ともかく、人との繋がりが薄いのだ。

そこをキーパーソンにするはずの君の名はにでてきたキャストも、その繋がることの意味を生かせず終了。


話はもっと、数段上におしあげることができたのに、できた内容はイキリ系主人公と、悦楽型被害者ヒロインに任された日本沈没までのタイムリミット映画である。


まず主人公の行動パターンが浅いんだ。


銃があったので撃ちました!

いや、ここに銃があるんで追いかけてきた警察と、元上司は撃つぞ!威嚇発砲。


人間の命をなんだと思っているのか、とりあえずこの世界では人間の命は軽いらしい。主人公もむやみに殴られているし、何もかもが軽いのだ。


だからヒロインが生贄となり、あの世へいき降り続く雨を終わらせることができた時、主人公はヒロインを助けることを決意する。



ヒロインをあの世からこの世へ戻すことは降り続く異常気象の終わりが見えない状況にしてしまう。


RADWIMPSの歌詞が正解を歌っている。

「夢を重ねるのは罪か」

「憧れなのか恋なのか」

「世界が背中をむけてもまだなお、立ち向かう君が今もここにいる」



なので今回は完全にRADWIMPSに物語がくわれてしまっている。

登場人物たちにないバッググラウンドがRADWIMPSのうたによって補完されすぎており、本来は主人公たちを引き立てる役のはずが完全にそのものを食ってしまっている。



RADWIMPSの曲がなければただのサイコパスの男と女のオナニー映画で終わってます。


反抗して島をでる主人公。

恋をする主人公。

警察=警察に追われる自分たちは反社会的な存在。

ラボホテル=子供をつれてラブホテルにはいる意味。ラブホテルで服を脱ぎ主人公に体をみせるヒロインのち喪失。


実の子供と面会を満足にできない父親。

母親を亡くしたヒロインと弟

大人と子供への確執がとても強調されている。

大人としての生き物。

子供としての生き物。


と、せんびきが徹底的にされている。



雨がやんで晴れた東京に、雨がやむ生贄として世界をログアウトしたヒロインが主人公によって引き戻されるが、再び東京は雨の町になってしまう。



もともと二百年かけて江戸時代から今の地形になったそうだが、

わずか三年で江戸時代の地形にもどり、さらに雨は振り続けている。


一人のヒロインを犠牲にして救う世界か。

世界を犠牲にして生存するヒロインか。



一度、なげられた賽の目を全力で反抗してヒロインを取り戻しにいく主人公だが、もはや投げられたサイコロは再びふるうことはできない。


その証拠にラスト、ヒロインが雨の中祈っている姿があるが天候は変わらずに雨で、特殊能力を喪失している。


もはや彼女が死んでも事態は好転しないことを意味している。


この世界が海に沈む判断を子どもたちだけで選び実行したストッパーとなる大人が存在しない、まともな大人が一人も登場しない世界に恐怖する。みんな、本当にどこか他人事のようだ。


ヒロインが海に沈む東京に祈っているが、主人公をみると、たやすく祈りをやめ主人公のもとへ笑顔で走り抱きしめる姿にぞっとせざるをえない。


私がヒロインなら日々、沈没していく日本を見て恐怖し、私のせいか?と、鬱になり精神科にお世話になって時々海で飛込み自殺をおこすが、イキリ主人公に何度も「大丈夫だよ」「君のせいなんかじゃない」など、見当違いな励ましを何度もされ、発狂する。


しかし、ある種ここまで日本が沈没すると諦めの境地で主人公の間に子供(生)を産み、沈む東京をみながら

「ここが貴方の生きていく世界だよ」

と、いって終わらせます!


自分たちで捨てたみらいに未来で生きる枷を生む。



最高のアンチテーゼだとおもいます。



新海監督のことですから

今回の幾多ものレビューをよんでアンチの意見を次作に生かしてくれることでしょう。



こう、なおしてくれるからこそ、次の作品が楽しみになるのですが、そろそろ起動修正してくださいね。先生。


よろしくお願いします。


マジ、次の作品タイトルが

「私のせいで日本が海に沈んでしまったけど、私は結婚して子供も生んで幸せです。」


とか、やめてくださいね。



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