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Ugly birds can't fly in the sky  作者: 五月雨いせえび
第1章
2/2

配属

えー本日素敵な時間を無駄にさせてしまいます。

出張小説家の中野です。

よろしくお願いします。


まあそんな事より、さっさとほんへにさあ行こうぜ(野田内閣)

『大日本帝国航空部隊』

再び蘇ったのはいつからだろうか。

大戦開始から1年弱が経過し、陸海空共に国連軍との交戦は日々激化していると言えるだろう。

しかし日本本土では空襲どころか、偵察機すら飛んでいない。

今は絶頂期とも言える時期なのかもしれない。

そして子供も今は「軍人さんになりたい」と言っている。

俺もそんな夢を抱き空軍部隊へと入隊して行った───


「本日付で舞鶴鎮守府203戦闘機部隊に配属となりました、大文尚弥(おおふみなおや)です!よろしくお願いします!」

そんな台詞が司令室を超えるような勢いで広がった。

初めて軍人として軍隊に所属することになったという事でかなり緊張したが、司令官は笑顔で迎え入れてくれた。

挨拶を終え、早速配属先の203戦闘機部隊のある北東部に向かった。

鎮守府から北東部までは少しばかり距離がある。

移動方法は軍用列車がない為ジープだ。

ジープと言っても殆ど見た目がトラックで後ろの席には人は乗らず、銃弾と九十六式軽機関銃、その他諸々がどの軍事車にも必ず置いてある。

これはもし戦闘状態になった際でも、対処出来るように装備する様義務ずけられている。

(まさか俺が戦闘機部隊に所属できる日が来るとはな…)

203戦闘機部隊は大日本帝国空軍で一番常に危険と隣合わせの部隊だ。

更に入れる確率も低く、入るには過酷な入隊訓練と試験が待っており、8割近くが訓練で脱落している。

また部隊には203の他にも204戦闘機部隊、205戦闘機部隊、302偵察機部隊、407攻撃機部隊と多くの部隊があるらしいが、強襲作戦等の極めて危険な任務の殆どが203戦闘機部隊に来る。

まああくまで噂程度だから、真実かどうかは分からない。

しかし、203戦闘機部隊の隊員の多くが亡くなっているのは事実で、空軍の中では一番死者を出している。

まあ結局乗るに越したことはないのだが、戦闘機がF-35以外に乗ったことがないので、F-35だと願いたいと言うのが現在の心境だ。

現在では戦闘機の主流がF-35から(*1)J-2035に変わっている。

つまり今はF-35なんかは昔の代物って事だな。


鎮守府から小一時間ずっと車を走らせてやっと北東部へと到着した。

時刻を見ると、昼前になっていた。

腹が減ったなと思いながらも203本部長に挨拶に行った。

失礼しますと言うと、部屋からどうぞと返事が返ってきた。

部屋に入ると恐らく40代前半の男性が社長椅子らしき物に座っていた。

「本日より203戦闘機部隊に配属となりました大文尚弥です!よろしくお願いします!」

「まあ取り敢えず座りたまえ」

そう言って丸椅子を持ってきた。

「すいません、では座らせていただきます」

そう言って椅子に座った。

「今日は203は出撃命令が出ない様だから少しばかり話を聞かせてもらってもいいかな?君まだ若いのに…何故この部隊に何故入ろうかと思ったのかい?」

「それは我らの大日本帝国を守り、鬼畜米兵を殺す為です!」

答える事もないのでそう答えた。

「そうか、では君の家族は君の行動を止めなかったのか?」

「いいえ、3年前に父も母も亡くなりました」

「…そうか…それはすまない、嫌な事を思い出してしまったな」

「いいえ、両親はお国のために死んでいったので悔いはありません!」

「…分かったありがとう、そろそろ昼飯だからどうだい?これから一緒に食いに行くのは?」

「…ではお言葉に甘えて行かせてもらいます」

椅子を立ち上がり外に出て、北東部空軍基地の近くにある定食屋に行った。

基地の近くだからさぞかし繁盛してるだろうな、と思いながら向かった。

昼頃だからなのか席は殆ど空いておらず、唯一空いていたのがカウンター席だった。

丁度隣も空いたので本部長に先に座ってもらい、後から自分も座った。

メニューを見てみると、唐揚げ定食、焼そば大盛り、肉野菜炒め定食ご飯大盛り、爆食いフライ定食等名前から凄さが伝わってくるような物ばかりがあった。

店主にオススメを聞くとカツカラカレーだと言う。

取り敢えずそれを頼んでみた。

店内を見渡すと、205戦闘機部隊や407攻撃機部隊の他にも、045偵察部隊や779強襲部隊等の陸軍部隊の紋章を付けた人も見えた為、恐らく北東部には空軍以外の軍も入ってると察した。


数分でカツカラカレーが来たが…頼んだのを後悔した。

カツと唐揚げが5つでご飯もカレーも大盛りと言う、食べ終わったら倒れそうな量だ。

隣で本部長が焼そば大盛りにカツ丼をセットで付けて食べていた。

(なんでこんな量を平然と平らげれるんだ?)

そんなことを考えながら一口食べてみた。

「…美味い」

そう声を漏らすほど美味かった。

カツは衣がサクサクしているがそれ程油っこくもなく、カレーも甘すぎず辛すぎずでとても美味しい。

俺の声を聞いた店主が、

「命をかけて頑張ってる軍人さんに対する感謝みたいなものですよ」

と言って笑っているのも、この店の醍醐味なのかもしれない。

あっという間に平らげてしまうのが惜しいほど美味かった。

他の所が来てるのは、この店の飯が目当てで来てるのかもしれないな。


店を出て本部長と別れた後直ぐに203戦闘機部隊の基地に行った。

店から余り遠くない所だったので歩いて行った。

その時に、

(本当にこんなにのんびりしていて良いのだろうか?)

そんな考えが脳を過ぎった。

しかしそれと同時に、

(明日からは戦場に出向かなければ行けないから今くらいは落ち着いていても良いのでは無いのか?)

とも思ってしまった。

そんなことを考えているうちに気が付けば基地の前に着いていた。

「失礼します」と言って入ると、中には数人の男女がいた。

更に言えば50代の人も居れば、10代くらいの人もいる。

老若男女って言うのかな?

まあそんな感じで老いも若きも集まっていた。

「本日より203戦闘機部隊に配属となりました、大文尚弥です!よろしくお願いします!」

と毎度毎度の台詞を言って敬礼をした。

すると手前に居た50代程の階級を見る限り(*2)帝空軍軍曹の男が

「お前が麒麟児か!頼りにしとるぞ!」

そう言って豪快な笑いを見せた。

「とっつぁん、新人くんが困ってるじゃないか、程々にしとかないと」

と隣から30代程の男性が呆れた表情をして言った。

その後、彼の言葉がスイッチのように数人の男女が近づいてきて質問攻めが始まった。

「君何歳?」

「何処地区生まれ?」

「実戦経験は?」

「ポテトチップスは塩?コンソメ?」

少し困惑しながらも1つずつ答えていたら後ろから、

「はい新人くんと話すのはおしまい!」

と聞こえたので振り返ると、30代前後の女性が立っていた。

「私は逢坂薫(おおさかかおる)、よろしくね」

よろしくお願いしますと言って握手を交した。

手を握った時に電気が走ったような感覚がした。

(この人、とてつもなく強い…)

何故そう思ったのかは分からない。

でも何処かに優しさがある気もする。

あくまでそんな気がするというだけだが。

「君…確か大文尚弥って言っよね?もしかして…大文智和(おおふみともかず)氏の息子さん?」

「はい、そうですが…」

そう言った瞬間、えぇ!と言う声に場が包まれた。

「大文智和ってもしかして!?」

「F-35で300機以上も撃墜させたあの大文智和さん!?」

そんな感じでまたもや質問攻めを受けた。

しかし今回は”父”の質問だ。

俺は父は好きだが、こう言う質問は嫌いだ。


俺の父は凄腕パイロットだったらしい。

昔からとてつもない功績を残したと周りから聞いた。

だがしかし、そのせいで俺は幼年期から何度も何度も父親と比べられてきた。

その中でも今もはっきり覚えている事がある。

それは、

「あなたはあなたのお父さんのようになるのよね?」

という言葉だ。

何故かは今となっては分からない。

だが俺が中学二年の担任に言われたと言うことだけは覚えている。

確かとてつもない怒りが込み上げて来た気がする。

あくまで記憶だ、明白な事実ではない。

曖昧な物は切り捨てて良いだろう。

だが父のせい…では無いが、今までとても苦労してきた。

俺も周りの声に答えるように、今こうして戦闘機に乗ろうとしているのだから、ある意味ありがたいことなのかもな。


「いや父の事は俺も余り知らないんです、すいません」

そう言うと、え〜という声が上がった。

「すまないな、うちの馬鹿共が」

先程の30代の男性が呆れた声で言った。

「いや…全然大丈夫ですよ」

取り敢えずそう答えた。

いやそう言うしか思いつかなかったと言うのが正確か。

「そういや名前言ってなかったな、俺は向島学(こうしままなぶ)、そして君に最初に話してたのは不知火剛毅(しらぬいごうき)だ、よろしくな」

よろしくお願いしますと言って握手を交した。

「はいはい…みんな、明日は任務あるから先に説明するけどいいかな?」

そう言うと、今さっきとは別人のように全員が逢坂さんの方に向いた。

「今回は662爆撃機部隊との共同作戦よ」

そう言ってホワイトボードを裏返し、作戦について書かれたA0サイズの用紙をこちらに見えるように貼った。

「まずA班が右側から上空からの奇襲攻撃、続いて30秒後にB班が降下爆撃、新人君は…C班の彼女とB班の援護をお願いするわ」

そう言って指を指した先には、恐らく10代だろうと思われる少女が立っていた。

目は明るい青だが虚ろな表情をしているからだろうか、吸い込まれるような黒に見える。

髪は白く、顔立ちも日本人ではないように思える。

(ソ連人か…)

まあ直感だから違ってる可能性の方が高いけどな。

作戦説明が終わって解散となり、明日に向けて全員が一目散に自分の部屋へと向かって行った。

自分も取り敢えず部屋に行こうとしたら、

「なあ大文、ちょっと付き合ってくれないか?」

と向島さんが話しかけてきた。

特に何もすることがなかったので向島さんに付いていくと、格納庫に着いた。

すると突然、

「なあ大文、F-35って知ってるか?」

と聞いて来た。

「はい、一応免許持ってますから」

「やっぱりそうか…なあ大文、頼み事をしてもいいか?」

「はい、出来る範囲なら」

「ありがとう、実はこの格納庫はF-35を収納しているんだ、しかも君の父親の」

「…はい?」

「いきなり言われても無理もないか…だって君の父は…」


────3年前に機体ごと消滅してるのだから────


to be continued

補足

(*1)J-2035

2046年、旧日本国で製造された新型戦闘機。

ブレ大幅をカットなど、F-35では制御出来なかった部分を抑制した代物。

機関砲は20mm機関砲、ミサイルはAAM-5を使用している。


(*2)大日本帝国空軍軍曹

現実では伍長の上だが、この話の階級は以下の通りだ。

元帥大将

玄武

朱雀

大将

中将

小将

大佐

大佐補佐

中佐

中佐補佐

白虎

青龍

少佐

少佐補佐

総尉長

曹長

曹長補佐

軍曹

一等兵

二等兵

五等兵


元帥から大佐補佐までは総監督と同等の権力を持っており、大規模計画、長期間計画の作戦や指揮を取ることが多い。

また3月に1度総会があり、そこでは全体の状況を把握することを陸海空の元帥が会議をする。

中佐から少佐補佐までは中規模、小規模の隊を動かすことが出来、また戦前に赴く事が月2回ある

総総長から下は前線などに送られ、基本的に一般入隊等で募集される。

五等兵は捕虜などや植民地から徴収した兵士である。




疲れた

ほぼ1ヶ月で小説書ききったけど地獄やな

最近書いてなかったからかもしれんな

活動報告で書くと言ったな?

面倒臭いからやめた

取り敢えず評価とコメントとかなんか色々書いて言ってくれよな〜

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