え?招集ですか??
ある日、多忙で疲労気味の私に一通の手紙が届いた。
それは、隣国"アルデンス王国"の国王であるバートラム国王からの急な招集が書かれた手紙だった。
私、イザベラ・アルフィスは"デスフェンス魔州国"の魔王です。
年齢は210歳、結婚はまだしてません。
人間齢に換算すると21歳、元気いっぱいです!
"角の生えた美少女" "魔族界のアイドル" とか変なあだ名がつけられてますが、何度も言います。私は魔王です!
デスフェンス魔州国は、人間や魔族、エルフや獣人などの多くの人種が暮らしており、魔族が統治する国としては、最大の国。
200年前、私がやっとの思いで我が国と人間が統治する国との戦争を終わらせ、国交を築いたのです。
あんなに仲が悪かった人間と魔族ですが、100年後には共存、そしてつい最近では互いに友好国であり、経済面で強力なパートナーになっていました。
我がデスフェンスよりも長い長ーい歴史を持つ、アンデルス王国は10ヵ国で行われる世界元首会議の議長国です。
なので、招集の手紙が来たならば無視できないのです。
「イザベラ様、厄介な事は持ってこないでくださいよ?」
「そんな事言われても困るわよ…」
「イザベラ様は自覚ないんでしょうが、この間の世界元首会議で気に入った案を持ち込むから、官僚達がパニックになりましたからね!」
秘書のメーティアさんに忠告されちゃいました。
メーティアさんは180歳の魔族の女性です。
人間齢は18歳?
とにかく、私の仕事をサポートしてくれる有能な秘書さんなのですよ。
「分かったわよ、明日から代理よろしくね」
「はい、お気をつけて」
私は急いで荷造りし、すぐに船乗り場に向かいます。
…転移を使えばすぐなんですが、息抜きの小旅行も兼ねてるのでなるべく時間をかけて行くことにしました。
我がデスフェンスは貿易が盛んな国なので、アルデンス王国とデスフェンスに船が行き来しています。
距離で計算すると往路で1日の距離なので、アルデンス城には明後日には到着するかな?