魔王の威厳
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「あぁ、先ほど魔王様が攻撃した事により、城内に侵入したようですな」
「え? もう来てるの? しかも俺が攻撃をしたというのはどういうこと? やばくない? 受け入れ体制は整ってるの? というか教えてよ!!」
まさかもう来てるとは。たぶん王様に怒られて速攻越させられたんだろうけど。
「魔王様が雄叫びをあげましたよね? それはそれは凄まじい破壊力で、マホダケの村を一つ破壊してましたよ。 あと、勇者の動向であれば第三の瞳を解放する事で城内の様子であれば全て見ることが出来たはずです。 むしろそのくらいあなたの力なら容易いですよね? 以前は出来ていたと思いますが?」
まじで?村を一つ破壊とかやばいでしょ?ってか雄叫びってなんだ?起きてすぐに叫んだあれ?確かに全力でやった気がするけど。でもここからマホダケはかなり遠くない?
んー
まあ、それはいい。それよりもタツオ達の様子を見ておこう。確か第三の目で城内の様子が見えるんだったな。
全神経を頭の真ん中に集中させてみた。暗黒魔法の全天球視野と同じ要領だ。そして徐々に目の前に俯瞰視点のイメージが見えてきた。
「あんっ、 ダメですよ、 タツオさん ん。 そこ好き。」
「大丈夫だよ、 みんな寝てるからさ。 ほら? 力抜いて? そうそう
、ちゃんと言わないとわからないよ?」
「あ、 そこ、 もっと、もっとほしぃ。 うぅ…」
カナはタツオに触られながら身をタツオに委ねていった。
「ほら、立って? カナ? こちらにお尻を向けなさい。 そう、いい子だ。」
「うぅ、恥ずかしいです。 いつものやるんですか? ここは魔族達も……」
そんな事を言いながらもカナはまんざらでもなさそうにお尻をタツオに突き出していた。
城内へ鳴り響く音
そしてカナの抑え切れていない声
一 体 こ れ は な ん だ
「どういうことだ!! なぜあの二人が城内であんなことをしているんだ!」
恐ろしいほどの怒りに身を任せて叫んだ。身体を仰け反り全身をバネにして叫んだ。
「ま、魔王様、落ち着いてください。 なんの話かわかりませんぞ?」
シツジージからの声は微かに聞こえていたが、怒りで我を見失ってしまいそうだった。
というかおかしいだろ!タツオはミカと出来てたんじゃないの?にしてはかなりやりなれた様子だった。タツオめ、そういう事だったのか。
絶 対 に 許 さ な い
というわけでもう少し覗いてみることにした。
しかし、なんだ。ムラムラしてきた気がする。
ふぅ
思えばここ数日は寸止めの連続だった。だからこそ最高の瞬間が生まれるというものだ。身体と心が一つになる。俺の右手が上下に動く。息子に捧げと轟き叫ぶっ!!
俺は束の間の一瞬の刺激に全てを委ねていた。
あぁ、なんて最高なんだ。カナの見たこともない女の顔、そして声。全てが俺を刺激し、全てが最高のイメージとして蓄積出来た。
そして高まるハートビート。さらに激しく、これ以上行けば火をおこしてしまうのではないか?そんな瀬戸際までいったのだ。
まるで俺自身が成し遂げたかのような、もはや誰と誰かは関係がない。むしろ今、俺自身がカナと一つになったのだ。そう感慨に耽ること心地よい時間が永遠にも感じられた。
しかし、そうした時間はすぐに終わる。戦士の束の間の休みといえばいいのだろうか。今の俺は魔王でもなく暗黒騎士でもない。そう、賢者になったのだ!
賢者タイムに突入するや否や今見たことより、突然、現実的な、社会的な問題が気になってきた。いや、これは哲学に違いない。
どうして俺はここにいるのだろう。そもそも俺とはなんだ?深呼吸をしてすべての五感をフルに活性化させる。
目を閉じれば、何も聞こえないのに聞こえる耳鳴り。そして自分がひどく小さく感じられていく。あぁ、まさに今俺は地球と一つになったのだ。だが俺はより高みを目指す。さぁ、大宇宙の一つになるにはどうすればいいのだろう!
冷静な時間が続く。
しかし、ここでハッと気がつく。大きな現実問題を思い出したのだ。そう。俺は魔族になってしまったのだ。それも魔族の中の唯一無二の存在、魔王になってしまったのだ!!
一瞬だけそれを忘れてしまっていた。絶頂の先にあるのは孤独……。ただの孤独ではない。全く知らぬ環境へ突如として舞い込んでしまった恐怖、不安。全てを受け入れるのがオレ。ふっ罪な男だ。
しかも今はこんなにも最強の力を手に入れてしまった。この力を使えば世界さえ手中に治めることも可能なはずだ。だがしかしこの力はなんだ?誰のため?どうやって?いつ?こんな事が疑問に沸いてきた。そう、力あるものの使命が付きまとうはずだ。
全てを悟り、全てを受け入れる。そんな覚悟生まれた気がする。まさにこれは魔王時間、そうサタンタイムがはじまったのである!
そもそも世界の問題はなんだ?魔王がいること?魔族がいること?いや、違うね。人々が争うこと。これが全ての元凶ではないか!
そう、俺に託された使命は
【 人間抹殺 】
そういうことなんじゃないか。そうと決まれば早速勇者達に挨拶をせねば。と思った時に思い出した。そう、この部屋にもう一人いることを。
恐る恐る振り返り確認した。
ここで俺のサタンタイムは終わった。
魔王が初めての絶頂を迎えたその時、人間界では魔王が復活したニュースが世界各国の国民たちへ伝えられ始めていた。
「どうしよう。 魔王が復活してしまったらしいわ。 マスクやトイレットペーパーを買い占めないと…!」
「なにを言ってるんだ! こういう時こそカップ麺、缶詰を買い占めないと! 高額になるぞ!」
と慌てふためく国民たちもいれば、
「転売のチャンス! ポーション買い占めて高額で売ってやろう!」
と言った邪な考えをするものが現れ始めたのだ。実際物資の供給はやる可能性が高い。しかし、勇者がなんとかするのが通例のため、そこまでの問題は起きないとというのが専門家たちの声であった。
「みなさん、慌てずに。 魔王はすでに復活したと思われますが、直ちに問題はありません。 繰り返します。直ちには問題ありません」
きっぱりした言葉で説明をするのは作戦参謀のラーム長官であった。彼はこの緊急事態に置いて沈着冷静にリーダーシップを発揮していた。
「問題ないんだって! よかった! せっかくの冬休みが潰れたら困るところだったわ!」
「明日は予定通りスキーに行けそうだね! 良かった!」
国民たちは安堵し、通常の生活は戻り始めていたのであった。
しかし、勇者達はそうはいかない。彼らはすぐに城へ呼び出されたのであった。そう、可及的速やかに。
「何が2週間じゃ! 復活が早いではないか!」
王様からの怒りの声が上がる。タツオは顔を伏せて考えた。誰だよ2週間って言ったやつ!そしてミカに目配せをした。
「確か、サポタよ。 急に言い出した気がするわ」
「確かに。 くそぅ、面倒な事言いやがって。」
小さな声で話をしていたが、王様には膝まづきながらコソコソ話をしているのが気に食わなかった。王様はミカの美しさにキュンキュンしてしまっているせいもあった。
「タツオよ、言いたいことがあるならはっきり言わんか! それが王への態度か!」
「申し訳ない。 2週間と言ったのは魔王復活を恐れ逃げ出した(現実から)サポタであります。 決して我らではないことを誓います。」
仲間を売った上で、切り捨てたのはまるで自らの自尊心を守るための行為のように見えた。しかし、王はそうは思わなかった。
「むむ、確かに暗黒騎士のサポタがおらんな。 なるほどなるほど。 きゃつめ恐ろしさのあまり逃げ出したのじゃな。 それなら不問としよう」
王様は心が広いんだか狭いんだかわからない男だ。すぐ怒るからと思えば、ちょっと言い訳すると許してくれる。不思議な人だ。
「しかし、申し訳ないが君たちに早速魔王城へ向かってもらう必要がある。 ここに遺書は用意した。 好きなことを書いたらコーンクリートへ向かってくれ。 5分やろう。」
そして勇者たちは最後の戦いへ向かう準備が整ったのだ。