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家族で異世界転生~そして、少年は~  作者: 長谷川
第1章 目覚め、そして~
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1ー5話

「ねぇ~、カイくん、お兄ちゃんの様子おかしかったね?」

「うん、そうだね、ノエルちゃん。それにこんなの渡してくるし」


ジェイドと別れたカイトとノエルは戻る最中の森の中の少し拓けた場所で自分達の手元を見ていた。

カイトの手には、ジェイドと同じミスリルの片手剣に腰袋にポーション四個。

ノエルの手にカイトと同じ片手剣と赤い魔石を持っていた。


「ノエルちゃん、それ試しに使ってみない?」

「え!?ここで!?」

「うん、いざ使う時になって慌て無いようにどんな感じか知りたいし」

「うーん?……それもそうだね!やってみるよ」


ノエルが言うなり魔石を指先で持った手を前に構えた。


「火よ、来たれ」


そう詠唱すると魔石から火が前方に1m位に出て来た。

少しすると火が収まった。


「ノエルちゃん!熱く無かった!?やけどしなかった!?」

「うん、大丈夫だよ。何とも無いよ」


カイトは焦るように何度も聞き、ノエルは本当に大丈夫だからと言い合っていた。

そんな二人は再び歩き出し魔物に会うこともなく森の入り口に着いた。


「ねぇ、ノエルちゃん。このままここでジェイド兄ちゃんを待とうよ」

「え!ダメだよ!お兄ちゃんの言う通りに村に帰らないと!」

「どうせ、すぐに来るって!」


カイトがこんなことを言い始まると何を言っても聞かないのでノエルは渋々ながらも一緒に居るのであった。


それからしばらくして、辺りは暗く夜になっていた。

それまでは魔物なども来なく会話をしながら待っていた。


「うーん?ジェイド兄ちゃん遅いな。………迎えに行くか!」

「え!ダメだよ!もう辺りも暗くなっていつ魔物が出るか分からないのに!」


カイトはまた突拍子の無いことを口走り、ノエルはさすがに、今回はマズイと思っていたら急にカイトは森に走って入って行くのだった。少し遅れてノエルも後を追うように着いて行った。


しばらくして、カイトは目的の場所、ジェイドと別れた場所まで近づいていた。カイトは月明かりが雲の隙間から一瞬覗いたときに人影が見えたのを確認して、それがジェイドだと思い、後ろに少し離れて付いて来ていたノエルの方を振り向いた時、更に後ろからウルフがノエルに襲いかかろうとしていたのを見つけ、少しでも身軽になるように剣を捨てすぐにノエルの方に走っていた。ノエルはどうしたの?と表情をしていた。


カイトはそんなノエルを余所にノエルとウルフの間に入りウルフが飛びつくように鋭く尖った前足を振り抜くとカイトは肩から胸、腹に掛けて少し深く切り裂かれていた。


カイトはそのまま倒れてしまった。


ジェイドはその瞬間を見ていて、すぐにその場に行きウルフを斬り殺していた。


「イヤーーーーー!」


そんなカイトのすぐ近くに居たノエルはカイトの姿を見るなり悲鳴を上げていた。


「これは、マズイな!ノエル!しっかりしろ!ポーションは何処にある!?」

「え……あぁ!それならカイトが……」


カイトは息が荒くなっており、ジェイドはそんなカイトを少し抱きかかえながら傷口を見るなり、ジェイドはカイトをザッと見てそれらしい袋を見つけた。


だが、袋を開けると中には粉々になっていた瓶があるだけであった。


カイトがウルフの攻撃を食らったときの拍子に砕けたのだった。


ジェイドは先の戦闘でポーションを使い果たしていた。この時ほど自分に回復魔法が使えないことが悔しかった。このままではカイトが死んでしまうと、考えていたら一人、その人物を思い出し少し自然回復した魔力で、目を閉じ、ある魔法を思い出していた。


その魔法は、念話……特定の人との魔力での結びつきで使用可能になる魔法。


『・・カ・・・リカ・・・』

『ん?』

『セリカ・・・聞こえるか?』

『聞こえますよ~。ジェイく~ん』

『セリカ済まないが、今すぐ俺のもとに来てくれ!』

『どうしたのですか~?』

『今すぐ回復魔法をかけないと死んでしまう奴が居るんだ!だから、セリカの力が必要何だ!』

『わかりました~今すぐいきますね~!』


ノエルは、ジェイドが目を閉じてしばらく動かないのを見ていたら、次の瞬間、いきなり光があらわれ入り口であろう所から、人が現れた。

その人物は水色の髪におっとりとしているたれ目が印象的な顔に白を基調としたローブを身に纏っていた。

ジェイドは目を開けその人物を確認した。


「セリカ、この子だ!、頼む!」

「わかりました~お任せあれ~」


そう言い放つとセリカは詠唱を唱えることも無くすぐにカイトに回復魔法をかけ始めた。


通常なら傷は塞がり体調も良くなるはずなのだがカイトは傷はすぐ様塞がったが、顔は赤みがかっており熱が出ていた。


「うん~?おかしいですね~?」

「どうしたんだ、セリカ?」

「いえ~最上級の回復魔法をかけたのに~体調が悪いんですよ~」

「何っ!?」

「どうしてでしょう~?」

「分かった、詮索は後だ。セリカ、今すぐアデル村に飛べるか?」

「アデル村ですか~?大丈夫ですよ~」


そんなやりとりをジェイドとセリカはして、セリカは手を前にかざすとそこにまた光が出現した。


「これは~移動魔法の~ゲート、と言うんですよ~」


その様子を見ていたノエルにセリカはそう言い放ちセリカは入って行った。

ジェイドもカイトを抱きかかえ続いた。

最後にノエルが入り、ゲートは閉じた。


ジェイド達はアデル村に着き、カイトの家に行くなり家族をそっちのけでカイトをベッドに休ませてから家族に事情を説明仕始めた。


それから数日もの間、カイトは熱にうなされていた。


そして、現在に遡る──


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