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家族で異世界転生~そして、少年は~  作者: 長谷川
第1章 目覚め、そして~
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1ー4話 

「さて、行くか」


 ジェイドは呟き、入り口は丸い形をした3メートル位の幅と高さになっている洞窟に入って行った。


 外は夕方で薄明るさだったが、洞窟の中は暗く何も見えなかった。


 ジェイドは洞窟に入るなり、光魔法を使用して明かりを確保した。


 洞窟の中は見える範囲では細長く、下っている感じになって折、その道をジェイドは進んで行った。


 ジェイドは十分位歩くと前方に明かりが見え始め、魔法を消し近づいた。


 その場所まで警戒しながら近づいて、拓けた空間を見ると身を隠しながらその場所を見始めた。


 そこは三百メートル四方も在るであろう空間をしていた。


 その場所の真ん中あたりに、先の怪しい二人がいた。その二人は同じ黒のフードローブに包まれており、顔が隠れて折、分からなかった。


「・・・・・・」「・・・・・・」


 何やら二人は会話をしているがさすがに距離があり聞き取れず、ジェイドはしばし身を隠して二人を監視していた。



 しばらくして二人は動き出した。


 よく見ると一人が、召喚魔法特有の魔法陣を展開仕始めた。


 召喚魔法はドラゴンや魔物、魔獣などを呼んで契約を結ぶ、又は結んだ者のことである。


 その様子を見ていたジェイドは、何かヤバイと感じたのか、剣を抜きながら身を低くして、二人に斬り掛かりに走り向かった。


 二人は、殺気、とでも言うような、何やらイヤな感じを受け、辺りを見回すと、剣を抜いて近づいて来る人物を捉えた。


 二人はこのままでは殺られると思った時、そこに召喚されたモノが出てきた。それは──


 黒い鱗に鋭い眼光と角を持ち、翼の生えた、優に八メートルは在ろう体格をした、ドラゴンであった。


 それを見たジェイドは途中で立ち止まり、すぐに距離を取った。


「ガォォォォォォ!!」


 ドラゴンは出てくるなり咆哮を上げてから大人しくしていた。


「貴様、何者だ!」

「お前たちこそ、何者だ!ここで何してる!?」

「貴様には関係ないわ!見られたからには、生かしておかぬ!殺れ、ドラゴン!」


 黒ローブの一人がジェイドとやりとりの後、ドラゴンが口から炎を吐き出し、ジェイドは回避をするために、更に距離をとるため、後ろに飛んでいた。


 ジェイドはこの程度のドラゴンはすぐに仕留められると思っていた。


 だが、召喚魔法を行使した者がドラゴンに魔法をかけていた。


 魔法がかかったドラゴンは先ほどより凶暴になっていた。


 ドラゴンは凶暴になりながらも二人には襲わず、ジェイドに襲いかかって行った。ドラゴンはまた炎を吐きながら近づいていた。


 ドラゴンの鱗は、ミスリルでも刺さらないと言われているほど、硬い鱗をしているとジェイドは知っていた。


「風よ、纏え」


 だからジェイドは詠唱し、剣に薄く鋭く纏わせて、今度は炎を切り、近づいて来たドラゴンの翼を斬り掛かりに行った。


 ドラゴンが左腕で振り払うようにジェイドに向けたが、ひらりと交わし、そのままドラゴンの左翼を斬り捨てた。


「ギィィィャァァァァ!」


 左翼を斬られたドラゴンは、悲鳴に聞こえる鳴き声を上げていた。 が、次の瞬間、傷口から細かい泡状が出てくるなり、徐々に再生をしていった。


「フ、フフフッ!やったぞ!成功だ!」

「あぁ、やったぞ!──さすが我らが神、()()()だ!ごく一部の力とはいえ、素晴らしい!」


「さすがに、そう簡単にはいかないか」


 その様子をみていた二人は、嬉々として喜ぶ一方、ジェイドは一筋縄ではいかないと気付いていた。


 通常のドラゴンなら、再生などしないからだ。


 ジェイドはまたドラゴンに斬り掛かった。


 今度は一閃で十ほどの傷と腕を切り落としたが、またドラゴンは再生を仕始めた。


 二人もジェイドに魔法を放ちながら、もう一体同じようなドラゴンを召喚し、こちらにも魔法をかけ凶暴にしていた。


 こちらも二人には襲わずにジェイドに攻撃をしていた。


 ジェイドと二人はそれぞれポーションを使用して体力、傷、魔力を回復させながら戦っていた。


※※※


 三十分位経ったであろう時、ジェイドは二体と二人との攻防をしていて、ある変化に気付いていた。


 二体のドラゴンの再生速度が落ちていることに。


 三十分も二体のドラゴン相手に休むことなく激しい攻防をしていたら、腕の立つ上級の剣士程度ならすで疲れ果て、死んでいるであろう。


 だが、ジェイドは傷や、やけどを直すためにポーションを使用しているとはいえ、疲れを感じさせないほどの鋭さで、二体のドラゴン相手に、何十、何百、何千もの傷を付けていた。


「ドラゴン相手に………何て奴だ………奴は…………何者何だ?………」

「化け物か…………」


 そんな、攻撃魔法を駆使していた二人が、ジェイドを見てそんなことを呟いていた。


※※※


 それから更に時間が経ち、遂に二体のドラゴンの再生に限界が来ていた。


「コレで最後だ!!」


 ジェイドもさすがにポーションが尽き掛けていた。


 ここが決め時として、全魔力を使用して剣に纏わせて二体のドラゴンにトドメとばかりに、二体のドラゴンを真っ二つに斬り捨てた。


 二体のドラゴンは真っ二つに斬られ、そのまま再生することも無く、ドラゴンの躰はそれぞれの方向に倒れていった。


「な!?……ドラゴンを………二体も………」

「この化け物め!」

「さぁ、ここで何をしようとしていたのか、お前たちの目的を教えて貰おうか!」


 二人はそれぞれそう言い放ち、ジェイドがそんな二人に剣を向けて問い掛けた。


「フン!貴様には、言っても分かるまい!我らが神、()()()の素晴らしさが!」

「魔神様?」


 一人が言いジェイドは聞き返していた。


「そこまでだ!お前には関係ない!撤退するぞ!」


 もう一人が話はこれで終わりとばかりに言い放ち、魔法を使いその場から、二人は光を放ちながら消えて行った。


「くっ!逃がしたか!」


 ジェイドは悔やみながらも、辺りを見回しこの場所には自分と二体のドラゴンの亡骸しかおらず、危険は無くなったと感じた。


「魔神様…か…」


 そう呟きその場をあとにして、村に戻るのであった。


 ジェイドが洞窟から出て来たが、外はすでに夜になっていた。月明かりは雲が多くたまに覗く位だった。


 ジェイドは外の空気を久しぶりに感じていた時に、前方に、まだ離れていて誰だか分からないが人影を見つけていた。


 その人影がだんだんと近づいて来ていた時に、月明かりが差し二人の子供の人影であったと確認すると次の瞬間──


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