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家族で異世界転生~そして、少年は~  作者: 長谷川
第3章 動き出す者達、そして~
67/111

2話

「ギルドカードと金色のタグ?」

「えぇ。 前々から、エルスちゃん達に言われていたのよ。 一応ステータスの中身は、他人には見せてはいけない事になっているじゃない」


 あぁー。 確か、村長に貰った時、そんなことを言っていたはず。


「それでエルスちゃん達が、ギルド専用のカードを作ったらどう?って、話になって、()()()()()()()()()()で、やっと完成したのよ」

「えっ。 リーナのおかげ? どういうことですか?」

()()()()()()()()()()()()からよ」


 まさか!?


 そう思ってリーナを見ると


「神ですから」


 だけじゃないだろ!?


「って、言うのは冗談で、()()()()()()のスキルで作ったのよ」

「えっ!? アイテム創作でそんなこと出来たか?」


 と、言うより、リーナも使えたのか、アイテム創作。


「なに、簡単なことよ。 武器や防具は作れないけど、機械の類いはアイテムと割り切るだけの話よ」

「だからって」

「それに、神になったのだから、その力も使った強引なやり方だけどね」


 あぁ、なるほど。 俺が【神格化】した状態で放つ、【ゴッドブレス】と同じ理屈か。


「それで必要な項目をその機械に入力すると、その全ランク共通のカードが発効されるのよ。 このカードに自分の血を一滴付けると、その人の名前とランク、それと魔物を討伐したかどうかの判断も出来るようになるのよ」

「魔物を討伐したか分かる? どういう事だ?と、言うよりどういう仕組みになっているんだ?」

「それがコッチのタグにも関係しているのよ。 ロールさんお願いします」


 おっと、ロールも知っているのか。


「はい、ここからは私が。 カイト君、魔物を討伐した証で、その魔物の討伐部位が、討伐した証ってのは知っているよね?」

「えぇ、何度もしていましたから。 素材になるモノもありますし」

「そうなの。 で、ごく偶にだけど、討伐をせずに、その部位だけを持ってくる冒険者が居るの」


 それっておかし…………い…………


「もしかして、何処からか入手しているとでも?」

「えぇ、そう言う事です。 確実な証拠も無いものですから、その冒険者を処罰する事も出来ません。 なので、カサドラ様が持っているタグの出番なのです」


 ほう、スゴいな。 けど、どういう理屈でそんなの分かるんだ?


「それでカサドラ様。 ()()はどうでした?」

「えぇ。 リーナちゃん、エルスちゃん、ノエルちゃんに共通して作って貰った機械で作った、ギルドカードとタグを何人かの冒険者で試したところ、リーナちゃんの作った機械のモノが、ちゃんと作動したの」


 って、さり気なくカサドラさんは言っていたけど、エルスとノエルもアイテム創作使えたのかよ!


「そしたら、私が大地と商業の女神になったから、そう言う現象が起こせたって事ですね」

「そう言う事でしょうね」


 リーナとカサドラさんだけ、分かるような話をしているよ。


「で、結局、タグって、どんな役割をするのさ?」

「あぁ、御免なさいね。 つまり、このタグを肌身離さず付けて魔物討伐をすると、コッチのギルドカードに情報が転送されて、報告をしに来る。 そしてその時、ギルドカードを預かった時に分かる様になるって事が、分かったのよ」


 なるほど。 カサドラさんが言った通りだと、何処からか討伐部位だけを持ってくる冒険者が、討伐依頼をしていないって事が分かるのか。


「えっと、それでそのタグが金色なのはどうしてなんです?」

()()最高ランクであるSSランクの証として作ったのだけど……………」


 ん? カサドラさん、少し歯切れが悪いな。


「先程の戦闘を観て、ジアン君達をSSランクに()()()()()思ったの」

「………えっ!? それって可能なんですか? 他の支部のギルマスの推薦状も無いといけないんじゃ?」

「本当はそうなのだけど、他のギルドマスターの方達に貴方達の強さを説明したら、私に一存すると言っていたから、問題は無いのだけど……………」


 またしても歯切れが悪いな。


「むしろカイト君、神である貴方の実力がジアン君達よりも上なのは確実でしょ。 SSランクで良いのかって思ったのよ」

「えっ。悩む事無いです──」「それでしたらカサドラ様!」


 そのまんまって言おうとしたら、エルスが割り込んできたよ。


「更にSを増やして、SSSランクにしてしまいましょう! カイトただ唯一の称号! そして、ギルドマスターと同様の権限も使える様にするのですよ!」

「………………………確かに。 エルスちゃんの言うとおりにした方が無難かも知れないわね」

「ちょっと待った! それでしたら、神になったエルス達も同様に、しないといけないんじゃないですか!」

「…………それもそうね………」


 よし! 俺だけ特別扱いされなくて済むぞ!


「カサドラ様。 私達は現状のランクで構いませんわ。 でも、カイトはランクを上げた方が良いですわ。 何てったって、()()ですから」


 エルスめ! ワザと英雄の部分だけ、強調しやがった!


「うーん? カイゼル君とオルドネス君はどう思うかしら?」

「エルスたんの言うとおりで、ワシは構いません、カサドラ様」

「ええ。私もカイゼルと同じ意見です」


 王様2人してあっさり承諾したよ。


「じゃあ! そう言うわけで、カイト君には、最初で唯一のSSSランクにアップと言うことで!」


 カサドラさんが宣言した瞬間に、拍手喝采が起こった。皆も同意した瞬間であった。


「それとお父様、オルドネス様。 カイトに一国の王の権限を与えてみてはどうです?」

「私は構わないが…………」

「………………エルスたん。 ()()()()()()()()()()()()()

「はい。 ()()()()必要になります」


 義父さんとエルスが、真剣な顔付きでいた所をみると、エルスの未来予知が関係しているのか?


「それではカイトよ」

「は、はい」


 義父さんはそのまま真剣な顔付きでこちらを見てきた。


「お主のSSSランクの称号と共に、一国の王の権限を授ける」

「────はい。…………………で、王の権限って、実際はどんな権限なのです?」

「ん? うーん? 簡単に言うとじゃな、お主の発言で国が無くなる程じゃな」

「またまた~義父さんもこんな時に冗談は辞めて下さいよ」


「お父様の言った事は本当よ、カイト」

「えっ!?」


 そう発言したエルスの方を見ると、にこやかにしていた。


「貴方が気に入らない国や街、村があれば、私はためらいも無く滅するつもりよ。 リーナも同じでしょ?」

「まぁ、そうかな」

「私はちょっと、そんなことしたくは無いかな」


 ノエルはやらないだろうけど、リーナは本当にやりそう。


「そういう訳で、お主と同じ神になったエルスたん達の攻撃を防ぐすべは無いから、あっという間にこの世界の地形が変わるじゃろうて」

「イヤイヤイヤ、そしたら王の権限はいらないでしょうよ!?」

「そうは言ってもの~………………」


 義父さんはエルスの方を見ていたけど…………


「心配し無くてもいいわ、カイト。 本当にやるつもりは無いですから。 王の権限を説明する上で、そう言う事が出来るって言ったつもりなのだから」

「そ、それなら良いけど…………」


 実際、本当に滅ぼしけねないよな、エルス達なら。


「それで、諸々の事を決めないといけないのだけど、それが終わったら、私はギルドマスターを退任しようと思うの」


 おっと! いきなりカサドラさんがそんなことを言ってきたぞ。 もしかして最後って言ったのはそう言う事だったのか?


「でも、その後釜は誰に任せるつもりなのですか?」

「それは、バーン君に任せるつもりなの。 で、決心は付いたかしら、バーン君?」


 カサドラさんはバーンさんを見ていた。


「…………………………それなのですが、私は辞退しようかと。 その代わりにナリアを、カサドラ様の後任に指名したいと思います」

「なっ!?私ですか!?」


 バーンさんの発言に、ナリアは本当にビックリしている。


 そりゃあそうだよ。 この人達っていきなり、予想外の事を言ってくるから。

 

「バ、バーンさん!? ど、どうして私なんです!?」

「そうね。 バーン君、理由を聞かせてもらえないかしら?」


 カサドラさんもまさか、断られるとは思っても見なかったようだった。


「理由は簡単ですよ。 カイト達に次ぐ実力を有しているのですから。 それに、支部に居る冒険者の世間話を小耳にはさんだのです。 本人が自覚しているか分かりませんが、ナリアは人気があるのですよ」

「に、人気ですか?」


 はて? 確かに婚約者の中で、身長も高くてモデル並に美人なのは確かだが、それだけじゃないのか?


「それもこれも、()()()()()()()()()()()


 一同の視線ががエルスに集まった。


「まぁ、私が仕組んだのはあくまでも、バーンさんの後任の支部に、ナリア先生を据える様にしただけですわ。 私がしたのは、それだけですわ」


 何だかんだで、エルスが絡んでいるのかよ。


「まあ、そういう訳で、ナリアをカサドラ様の後任にしても問題は無いと思います。 ロール君も居ますから、充分にサポートもしてくれるでしょうから」

「と、言うことだけど、ナリアちゃん。 バーン君の推薦もあった事だし、どうかしら?」

「どうと言われましても…………………」


 ナリアは困った表情を浮かべていた。


「ゴ、ゴルテアさんでは、ダメなのですか!?」


 ナリアは苦肉の策で、騎士王国支部のギルマスの名前を上げた。


「ワシはやらんぞ! ワシは書類仕事は苦手でな、支部の事だけでもいっぱいいっばいだからな!」


 と、ゴルテアさんはその後は、笑い声を挙げていた。


「ナリアちゃん、やってみたら。 私もしっかりサポートするから」

「し、しかしだな…………」


 ロールの手助けの言葉を聞いても、中々決断できずにいた。


「ねぇ、カイト。 ちょっと、耳をかして」

「なんだよ、エルス。いきなり」

「良いから、はやく」


 エルスに急かされて、エルスに耳を傾けた。




「─────えっ!? ホントにソレを言えって!?」

「えぇ、1発で先生は直ぐに良い返事をするわ」


 い、いや~、そうだろうけど~。 マジか。


 エルスは『さぁ早く』の眼差しを向けていた。 やるしかないのか。


「ナリア」

「な、なんだカイト」


 未だに、迷っているナリアに近付き、ナリアの耳元に顔を近付けた。 みんなに聞かれるのが恥ずかしいから。


()()()()()なら、カサドラさんの後任を充分果たせる。 だから、自信を持て」


 それだけ言って、ナリアの耳元から離れると、顔を真っ赤にして、動かなくなった。 


 ナリアだけでなく、改めて言った俺も恥ずかしくて、赤面しているに違いない。


「先生!」

「──────は、はいっ!!」


 エルスが硬直状態のナリアを呼んでやっと、動き出した。


「それで先生、カサドラ様の後任は引き受けますの?」

「え、えぇ。 わ、私で良ければ、引き受けます!」

「だ、そうですわ、カサドラ様」

「え、えぇ。 カイト君に何を言われたのか分からないけど、私の後任にはナリアちゃんと言うことで。 バーン君もそれで構わないのでしょう?」

「はい」


 ナリアはナリアでまた、先程の事を思い出して、動かなくなっていた。


「それで、カサドラさんは退任した後は、何をなさるんです?」

「退任した後は、孤児院の先生をするつもりよ」

「孤児院ですか?」

「えぇ。 ここグラティウルの孤児院で働く大人の人が少ないですからね。 エルスちゃんの勧めもあり、そうしようかなと思ってね」

「エルスの?」


 やれやれ、色々と根回しをしているようで。


「カサドラ様には、私の後釜で聖王国の宰相にでも、と、思っていたのだけれど、カサドラ様が出来れば、楽しい仕事の方が良いとのご希望があったから、それで」

「孤児院と」

「えぇ。 聖王国の孤児院は私が管理、ここグラティウルはリーナが、騎士王国はセシリアさんが管理をしているわ。 もちろん孤児院の維持費は国と商会から賄っているわ」


 ほう、スゴいな。 と、言うより、俺に何の情報も寄越さないよ、この人達は。 情報を集めようとしなかった俺が悪いんだけどさ。


「なるほど。 それと、何故に俺に教えてくれないの、貴女達は?」

「あら、カイトはカイトで忙しかったでしょう? ジアン君達と、聖王国、騎士王国の兵士達の指導で。 それに私達も付きっ切りで、してないわよ。 私はリーナやノエルに任せているし」

「私は、オネェサマやお店の子達ね」

「私も、弟子達や親衛隊の人達だね」


 そうだったのか。 それならそれで仕方ないか。


「────カイト様。 ご昼食の用意が出来ました」


 一通り話終えたタイミングで、この屋敷の執事長をしている、カルトちゃんのお父さんのミゲルさんが呼びに来た。


「と、そう言う事で、話は昼食を食べながらでもしましょうか」


 俺の発言にみんなはそれぞれ返事をして、屋敷の中に入って行った。


※※※


「えっ!? パーティーですか!?」


 肉や野菜、バランスの取れた料理を食べている最中、義父さんがそんなことを言ってきた。


「英雄であるお主と顔合わせをしたいと、貴族達が五月蠅くてのぉ。 すまんが1度だけ、出席してくれんか?」


 そう言えば、英雄となってから、1()()()パーティーをしたことも無いし、出席した事もないな。


「お父様。 根負けしたのですね?」

「す、すまんエルスたん! 流石に5年も、英雄をパーティーに参加させないのは、色々とマズいからのぉ」

「それはそうでしょうけど。 だからと言って、カイトに()()()()と顔合わせをさせることはありませんのに! お父様ったら、まったく」


 エルスさんよ、あの連中ってもしかして、貴族達の事を言っているのか?


「え~。 そんなにマズいんですか?」

「う、う~ん、まぁの。 エルスたんが()()したから、昔よりは大人しいのじゃが、結構ねちっこくてな。 出来れば、パーティーの間はエルスたんから離れない様にして欲しいのじゃ」

「それは構いませんが、どうしてです?」

「皆、エルスたんを()()()、早々に顔合わせを済ませるからじゃよ」


 あぁ~納得。



───────────────────────

※おまけ〔TAKE2〕※


ティア「あの~エルス様とリーナ様は、ケンカってした事あります?」


エルス「いきなりどうしたの?」


ティア「いえ。 先程、ノエル様からお二人のお話を伺ったものですから。 お二人はケンカをした事がない、と」


リーナ「まあ、確かにエルスとケンカは今までないわね」


エルス「リーナとケンカする理由がないわね」


ティア「それ程、仲良しだからです?」


リーナ「どっちかって言うと、自分とケンカしたって意味ないでしょ?」


エルス「そうね。 私とリーナはだいたいの思考が同じ感じだからね。 そんなに、私達のケンカが見たいの?」


ティア「そ、そう言うわけじゃ~」


エルス「仕方ないわね。 リーナ」


リーナ「分かったわ」


エルス&リーナ「ケンカケンカ~(棒読み)」


ティナ「って、それはただ口で遊んでいるだけでしょう!?」


お読みいただきありがとう御座います。

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