閑話
※とある場所にて──
「まさか旦那までやられるなんてね。 でも嬉しそうだね旦那?」
「フフフッ! あの男や近代最強と名高い剣聖が居ないと思って油断していたら、私を寄せ付けぬ強さを持つ奴が居たからな!」
「おやおや? それは今後の魔神復活を進めるのに邪魔な存在では無いですか、アグルさん?」
「そうかも知れないが、今の我らではどうすることも出来ないだろ? ジクールよ。 それでビーナ、ワルスはいつ目覚める?」
「もう少しかかるみたいだよ、旦那」
「なら、いい。 我らの中で死んだのはサヴァンだけだな?」
「そうみたいですねぇ。 それで今後はどうします?アグルさん」
「しばし、力を付けねばなるまい。 剣聖や魔導師が居なくなるように準備して排除した挙げ句、他の者の邪魔が入り、魔神の力の源の回収を出来ずに終わってしまったからな」
「まぁ、仕方ないですねぇ。 私も楽しみが増えましたから構いませんけどね」
「私の方も食い応えのある子達が居たから、それで良いけど」
「なら、決まりだ。 しばし力を付けようでは無いか。 (楽しみにしているぞカイト。 更にどこまで強くなるのかを。 クククッ!)」
※時間を遡り、とある場所にて──
「セリカ! 無事か!?」
「えぇ、私は大丈夫よ、ジェイ君」
「良かった! それでセリカ、あの魔法陣の影響か? 俺達が居た景色と違う場所に居るのは?」
「えぇそうみたい。 あの魔法陣は転移魔法陣だったわ! しかも、時間が経てば発動する時限式の魔法陣も組み込んでいたみたいね」
「そうか。 それなら早々にこんな場所から移動しないと。 セリカ、通門を開いてくれ」
「……………………それが、無理みたいなの」
「ん? どうしてだ?」
「それが……………………魔力をまったく感じないの、周辺からも、体内からも」
「なに!?………………………本当だ! どうして!?」
「分からないわ。 魔力が無いから念話で助けを呼ぶことも出来ない。 どうしようジェイ君?」
「クソッ! こうしている間に、グラティウルが! っとセリカ、何か来る!」
「っ!?」
「オッ! 誰かと思えばジェイドか!? それにそっちに居るのはセリカか!?」
「っ!? えっ!? し、師匠!?」「っ!? えっ!? ガリアーノ様!?」