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家族で異世界転生~そして、少年は~  作者: 長谷川
第2章 再会、そして~
50/111

2ー35話

「ハァ………ハァ…………ハァ………ハァ…………ハァ…………」


 クソッ! やっぱり仕留められなかった!


「どうしたカイト! 私をもっと楽しませてみろ!」


 アグルは少し息を切らしているのに対して、俺は自身で思っていた時間よりも早くに【雷光化】も解けて、肩を動かして息をしている状態だった。


 【虚空】に乗せた雷属性の斬撃一発を飛ばして、ドラゴンを両断しようとしたが、あまりの硬さに一撃では両断出来ず、続け様に二発、斬撃を放ってドラゴンの心臓()を両断して倒した。


 ドラゴンが倒れた隙にアグルは近くまで来ており、重く鋭い強力な一撃を入れてきた。


 それを咄嗟に【虚空】で受け止めた時に、嫌な音と共に【虚空】にヒビが入ってしまった。


 【虚空】にヒビが入ってしまってからは、騙し騙しでアグルとの激しい剣戟を続けていたが、それが【雷光化】の解ける時間を早めてしまったみたいだった。


 その反動で、魔力と体力が著しく低下していた。


 剣戟の途中、()()()()()()()()()()けど、それでもアグルとの攻防中の力の差は変わらずだった。


 

「さぁカイトよ! これで終わりなのか!」

「ハァ………ハァ………ハァァ………フゥゥ──」

「まだ、隠してる力があるなら出した方が良いぞ!」


 深呼吸して息を整えている時に言ってきた。

 正直、奥の手は【雷光化】だったんだけどな。どうしたものか。

 それにどうしてアグルは、人の限界の速度を越えた光の速度で動いていた俺の動きに付いて来られたんだ?


「どうしたカイトよ。 もしや、雷光化(先程)の状態での速さに何故付いて来れたのか気になっているのか?」

「っ!? 何故分かった!?」

「簡単な事だ。 殺気を放ちながら攻撃してくれば分かるものだ。 だからお前も反応出来たのだからな」


 クソッ! そう言う事か。 ジェイド兄ちゃんとの手合わせの時は殺気なんて感じた事無かったから、だから目で追う方が多かった。


「なぁ、アンタ。 最初の時、剣聖が居ないって言っていただろ。どうして知っているんだよ!今、この場所に現れないのはアンタ達の仕業か?」

「そんな事か。まぁ、私は望まなかった事ではあったが、確かに剣聖がこのような時に現れないのは我らの仕業ではあるな」

「ジェイド兄ちゃん達に何をしたんだ!」

「なに、()()()()と同じ末路を辿ってもらっただけだ」

「どう言う意味だ! …………………………まさかっ!?」


 まさか、ジェイド兄ちゃん達はコイツらに!?



「運がよければ生きているだろう。今はまだ、な」


 奴の言い方だと、殺されてはいないみたいだけど、時間の問題らしいのか。


 それにしても先程、あの男達と言っていたけど一体誰の事を言っているんだ?


「さて、おしゃべりはこの位にして続きでもしようかカイトよ。 魔力と体力も大分回復しただろう!」


 確かに。この都市に来て、剣魔武闘会が始まるまでの間に鍛練をしたりして過ごしていた時に、創造神の御業みわざに魔力と体力回復【中】が追加されていたからそれで大分回復したけど、それにしてもどうする? 現状打つ手無しなんだがな。 


───ドゴォン!!───


 突如、俺とアグルの間に何かが落ちてきた。


 土埃が酷く、落ちてきた何かの正体が分からなかった。


「くっ! なんだ!」


「私とカイトの死合いを邪魔するのはどこのどいつだ!」


 アグルが土埃の影響で状況が分からないから、愚痴をこぼしていた。


 現状打つ手無しだから、考える時間が欲しく風魔法で土埃を飛ばす事はしなかった。

 

 奴は風魔法が使えないのか、何も行動を起こさなかった。

  

 少しして、土埃が段々と落ち着いてきた。



「カイ君!」


 土埃が晴れ、落ちてきた正体が分かる時に俺を呼ぶ声が聞こえた。 

 その呼び方はノエルであり、隣を見るとノエルが居た。しかも【雷装化】になっていた。

  

「ノエル! どうしてここに!?」

「応援に来た。と、言いたいけど、ちょっと厄介な相手に遭遇しちゃって」


 ノエルは指を差していた。その方向は土埃が起きた場所であった。


 そして姿を現したのは、ひと言で言うなら悪魔と呼ぶに相応しい者が居た事だ。


「グルラァァァ! ゴ、ロス ゴロスゴロスゴロスゴロスゴロスゴロスゴロスゴロスゴロス! ゴロズゥゥゥッ!!」


 すっげぇこと言っているんですけど。


「ノエル、アレは!?」

「アレは、サイビス村を壊滅した人だよ」


 確か、サヴァンとか言う奴か。 


「それにしても、ノエルが厄介って言うのはどういう事だ。何があった?」

「カイ君が言っていた禍々しい魔力を、人の姿の時にアレは使っていたから、聖光魔法で対応していたのだけど、あの姿になった途端に、聖光魔法が効かなくなったの!」


 なんだと!? 聖光魔法が効かないって事は、深淵よりも更に上のレベルで完全に人の域を越えているぞ! アグルに勝てない状態でそんなヤツの相手をしないとイケナイか。


「ちっ! 何処のバカだ! 魔神の力に呑まれおって!」


 アグルは俺との殺し合いを邪魔されて苛立っていたみたいだった。


「ゴロズ!ゴロズ!ゴロズ!ゴロズ!ゴロズ!ゴロズ!」


 ソイツは身体全体を使って叫んでいた。 


 そして、叫び終わり、こちらを見ていた。


──ゾクッ!──


 突然、背筋に悪寒が走り、身体が勝手に【虚空】で防御するように前面に出していた。

 

 次の瞬間、【虚空】が砕けてしまった。 


 そして気付いた瞬間、ソイツは傍まで来ており、鋭い爪が伸びた腕をつきだしていた。


 そう。ソイツは途轍もない速さで、突進をしてきたのだ。


「カイ君!」

「クソッ!」


──ゾクッ!──


 先程感じた悪寒がまた背筋に走った瞬間に、【雷装化】になり、ノエルの腕を掴んですぐに脇に避けた。 

 

 次の瞬間、途轍もない音と共に、俺が先程まで居た場所は()()()()()()()()()()()()


 ヤバイぞコイツ! 途轍もない速さと力がある! 


「グルラァァァァァァ!」


 またヤツは叫んでいた。


「ごめんカイ君。私がコイツをここに連れてきたから」

「そんな事気にすんなよノエル。俺が何とかするから」


 ノエルは頷き返してきた。


 そうは言ったものの、実際問題どうしたらいいもんかな。アグルの相手もしないといけないからな。


 そう思ってアグルを見ると、刀を鞘に収めて腕組みをしていた。


 どういう事だ!? アイツにとっては俺を討てる絶好のチャンスなのに?


──ゾクッ!──


 またヤツが来ると知らせるかのように、悪寒が走った。


 アイツが来ないなら、それはそれで好都合だ。今はコイツだ。


 【雷装化】になったおかげで、すぐ傍に来ていたヤツの攻撃に反応出来、躱して、拳を作りヤツの腹に一撃撃ち込んだ。


 ヤツの腹に撃ち込んだ時、途轍もなく硬く、俺の手の骨が砕けるかと思ってしまった。だが、何とか耐えながら振り抜き、ヤツを吹っ飛ばした。


 追撃をするようにノエルは、【大地の鉄鎚(グランドハンマー)】を、タイミングを見計らい、ヤツの頭上から落とした。


 ノエルの放った【大地の鉄鎚(グランドハンマー)】は、大地がめり込み、その周辺も一緒にクレーターが出来る程の魔力を込めたみたいだった。


「カイ君、アイツに傷は付けられないけど、よろけさせる事は出来るよ」

「分かった」


 分かったけど、それは一時しのぎでしかないと言っている事だ。


 だが、ヤツに当たっていたノエルの【大地の鉄鎚(グランドハンマー)】が突然消え去った。消滅したと言っていい程であった。 

 

 そして、現れたヤツの手には、大人を軽々と呑み込んでしまう程の禍々しい魔力で出来た黒い球体が出来ていた。


 ヤツはそれをこちらに放ってきた。


 スピードはやや速いが、【雷装化】になっている為、躱すのは出来たが念の為に大きく後方に退いた。ノエルと一緒に。


 ヤツが放ったそれは、俺達が居た場所の大地にぶつかり、膨張してみせた。


 膨張が終わり、小さくなり消えた。

 その後には、大地が消滅していた。まるでブラックホールと言わんばかりの所業であった。


「ノエル! アレはマズイぞ!」

「分かってるよカイ君!」


 ヤツは次々と、黒い球体を作り俺達に放ってきた。


 それから俺達は、その黒い球体を躱しながら、何か決定打がないか魔法で応戦していた。


※※※

 


 ヤツに対して決定打が無いまま、どれ程の時間が経ったか分からない。


 喰らったらお終いのヤツの放つ消滅させる球体と、ヤツ自信の素速い動きと力を躱す為に、【雷装化】で居ないとイケナイ状況で、魔力と体力を回復出来る暇が無いほどに消耗していた。


 ノエルも肩で息を仕始めている位に。


 いよいよ、ほんとにヤバイぞ。


「カイトよ!」


 その声は突然聞こえてきた。


 ヤツの行動に注意をしつつ、その声がした方を向くと、腕組みしているアグルであった。


「カイトよ! そのままソイツに殺されるつもりか! その娘と一緒に!」




──ドクンッ!──




 ─────今、アグルは何て言った!?



「お前がソイツをどうにかしないと、お前だけで無く、その娘も一緒に死ぬ事になるぞ!」




──ドクンッ!──




「いいのか、それでも!」




──ドクンッ!──  



 

───俺がヤツに勝てないとノエルが───




──ドクンッ!──




「それにあの都市にはお前が護った者が居るのでは無いのか!」




──ドクンッ!! ドクンッ!!──



「その者達も死んでしまうな!」



──ドクンッ!! ドクンッ!! ドクンッ!!──



「それでもいいのか、カイトよ!」



──ドクンッ!! ドクンッ!! ドクンッ!! ドクンッ!!──


────良い訳無いだろ! あそこには俺の大事な家族や大切な人達が居るんだ! 




 今度こそ絶対に、大事な大切な人達を護る為に、俺に出来る限りの事は全てするって、誓ったんだ!!

 


──ドクンッ!!!!──



「オォォォォッ!!!!!」




 先程から胸の内で感じていたモノを解き放つように叫んでいた。




 そして、身体から辺り一帯を包むような眩い光を放っていた。




「カイ君!」


 ノエルの驚いている声が聞こえた。


 ノエル、お前を絶対に死なせたりしないから。


「グルラァァァァァァ!」


 ヤツの苦しそうな悲鳴が聞こえる。


 ヤツが苦しんでいるこの力でお前を倒す。


「ハハハハハハッ! 良いぞ、カイトよ! やはり、隠してる力がまだあったか! ハハハハハハッ!」


 アグルの嬉々とした声が聞こえていた。


 どういう意図があったが知らないが、アイツの助言がなければ手に入れられなかった力だ、これでアイツに太刀打ち出来るはずだ。



「ハァッ!!!!!」

 

 

 最後に身体から出てる光を抑えるように力を込めた。



「……………カイ君その姿は………………()()()……………」


「フハハハハハハッ! ()()()()()()()()()ぞ!」 


「グルゥゥッ!!」



 それぞれがそんな反応をしていた。





 カイトは自身の姿を見ることは出来ないが、容姿が変わっていた。

 髪は()()()()()()()()()()()()()()()()

 瞳も白銀に変わっていた。


 そして、魔力が身体から出て纏わり付いている。


 その魔力も白銀に輝いていた。


 白銀(それ)は、聖なる神である創造神、又は、その眷族のみが扱う事が出来る神聖なる魔力の証。





「これは!?」


 手元を見ると魔力が纏わっていた。


 その魔力から感じる波動は、途轍もない程の聖なる波動を感じる。

 

 聖光よりも更に純粋なモノ。


 

 これなら聖光魔法が効かないヤツに対抗出来るかもしれない!



「グゥルラァァッ!!」


 ヤツは怯えるような声を上げながらも消滅球体を出し、こちらに放ってくる。



 純粋な魔力を纏ったままの俺は、手をかざし受け止める体勢をとった。


 そしてヤツが放った消滅球体を受け止める。

 受け止めてすぐに、消滅球体は光の粒子に変わり消失する。



「グルァ!?」



「スゴい─」



「フハハハッ!! 先程まで苦戦していたモノを呆気なく消失させるとはな!」



 やはり、この力だとヤツに対抗出来る!


 

 今度はこちらから、ヤツの懐に一撃入れようと地を蹴った。


 次の瞬間、かなり離れていたヤツとの間合いを一瞬で詰めた。

 その速さは【雷光化】に匹敵する、光の速度を超えていた。


 それで咄嗟に右腕をヤツの腹に一撃入れたつもりだったのだが、ヤツの腹を貫いていた。



「ゴボォ!?」



 ヤツは口と貫いた腹から、黒い血を流していた。


「じゃあな、サヴァン」


 身体に纏わっている魔力を右腕の方に集め、ヤツを消滅させるつもりで力を高めた。


 そして、ヤツの身体が徐々に光の粒子を出しながら消滅した。



「フハハハッ!! 良いぞ良いぞ! どこのどいつだが知らないが、魔神の力に呑まれたヤツを消滅させるとは、何処まで私を楽しませてくれるんだカイト!」


 アグルは抜刀し、きっさきを向けてきた。 


「……………アイツから俺の事を聞いていただろ?」

「そうかサヴァンだったか。アイツなら力に呑まれるのは納得だな」

「どういう意味だ?」

「アイツは負ける事を極端に嫌い、自身より弱者を痛ぶるのを好んでいたからな」


 だから、自分より強い奴にやられるのは我慢ならなかった、という事か。


「それよりもだカイト。先程からその姿になったお前からは、殺気や威圧とは違う、()()()()()()()()()しか()()()()()()()()


 そうかもしれないな。今の俺の意思()は穏やかな状態でいるのが自分でも分かる。 

 それにアグルが言っている突き刺すようなモノはきっと、この純粋な魔力の事だろう。 


「どれ程強くなったか楽しみだ!」


 その言葉を最後にアグルはかなり離れていた俺との距離を、一気に詰めて()()()()()()()()()


 いや、正確には()()()と言った方が正しかった。


 アグルは背後に回り、刀を振りかぶっていた。


 手刀と言われる型を右手で行い、アグルの刀を受け止めた。


「っ!?」


「──スゴい。()()な魔力を纏っているから?……………」



 アグルの口元の口角がつり上がっていた。喜んでいるのが分かった。


 アグルは一度飛び退き、再度攻撃して来るのが()()()


 その後も、絶え間ないと()()()()斬撃を繰り出すことも視えていたから、それを全て手刀で太刀打ちした。


 

「ウソッ!? 目で追い切れない程の剣速を全て防ぎきってる!?」



 やはりか。ノエルが言っている程の剣速は、今の俺の目にはゆっくりと動いて視えている。


「フハハハッ! もっともっと上げるぞ!」


「更に速くなった!?」


  

 そう言っているらしいが、先程と変わらない速度にしか視えなかった。


 アグルとの剣戟で辺り一帯の地形が変わり始めていた。


 

 止むことが無いアグルの攻撃を終わらせるように、左手で拳を作り、()()腹に一撃入れた。


「ゴブゥ!?」


 アグルは口元から赤い血を流して吹き飛んだ。



 少しして吹き飛び横たわっていたアグルは、刀を杖のように使い起き上がり、口元の血をぬぐい去った。


「ゴホォゴホォ! ハァ、ハァ。先程とは、逆になってしまったな。ゴホォゴホォ!」

「アンタには聞きたい事があるからな、()()()()した」

「っ!? ゴホォゴホォ! ハハハッ! 大分加減してこれ程のダメージか! なら、私も()()使()()としよう!」


 次の瞬間、アグルの身体から禍々しくドス黒い魔力が溢れ出す。


 ドス黒い魔力を出してから、先程まで苦しそうな表情を見せていたのが無くなった。


「大分回復したが、思ったよりダメージを受けてしまった。あまり長くこの力を使うとサヴァンみたく力に呑まれるからな、この一撃で決めさせてもらうぞカイトよ!」


 アグルは刀を帯刀して、腰を低くしてみせた。その格好は居合い切りでもするような体勢だった。

 

 

 ひと呼吸置いた瞬間、来るのが視えたのだが、その速度は()()()()では無く、()()()()()()()()()


 そして居合いの間合いまで詰めたアグルの抜刀()()()()()()、刀にドス黒い魔力が纏っていたのが視えた。


「(この一撃はマズイか!?)」


 アグルの居合い切りを阻止する為に、手刀で右腕を切り落とした。


 右腕を切り落とされたアグルは、直ぐさま後方に退いた。


「フハッ! フハハハッ! フハハハハハハッ! 恐れいったぞカイトよ! ()()()や現在の剣聖よりも今のお前は格段に、()()()()()で上をいっていると私が保障しよう!」

「アンタの保障なんかいるかよ! それよりもアンタを捕らえて兄ちゃん達や魔神の事を洗いざらい話してもらう!」

「それは御免被ごめんこうむりたいな! だが、一つ教えてやろう。 剣聖達は()()()()()()()使()()()()()()()()()


 言い切る前にアグルは闇を出し、姿を隠して


「お前とまた戦いたいのでな、これで失礼するよ!」


 居なくなった。


 

「クッ! 逃がした!」


 ヤツめ! 腕を切り落とされた瞬間に撤退する準備をしていたか。 


 ………………………逃がしてしまったのは仕方ないか。




「カイ君!」


 通常状態になっているノエルが傍まで近寄って来ていた。


「無事か?」

「うん、私は大丈夫だよ」

「よかった。 あとは…………」


 戦いで荒れ果てたこの辺り一帯を()()しないとな。


 この姿の状態ならほとんどの事が出来そうな気がして、手を上にかざして、唯々(ただただ)魔力を放った。

 それが光の粒子に変わり、辺り一帯に広がり、瞬く間に戦いで荒れ果てた平野へいやは元通りになった。


「スゴい!」

「さて、次は都市に戻ってケガをしてる人達に回復魔法でもかけないとな」

「うん、そうだね!」



──ドクンッ!!(ズキッ!!)──


「ウッ!?」

「カイ君?」



──ドクンッ!!(ズキッ!!)──


 

 急に身体に激しい痛みを感じた。


「ウゥッ!?」 

「カイ君!?」



──ドクンッ!!(ズキッ!!)ドクンッ!!(ズキッ!!)──



 痛みが段々と強くなっていく。


「ウァァアッ!」

「カイ君!」


 ノエルの心配する声が聞こえた。


「カイト、ノエル!」「カイ、ノエル!」


 それに、エルスとリーナの声も聞こえた。


「エルスちゃん、リーナちゃん! カイ君が!」

 

 身体に走る激しい痛みで、ノエルの慌てた声を最後に意識を無くした。

  

お読みいただきありがとう御座います。


補足

とある説明を大雑把に。


ノエルが言っていた「神聖な魔力を纏っているから?」は眷族であるので本能的に感じているからです。


アグルの言っていた「何も感じない」は人の身で神の力は完全に把握出来ないからです。

それと、『突き刺すようなものしか感じない』と言っていたのは、アグルは悪に染まっているので、聖なる力を感じた事を言っているからです。 

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