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家族で異世界転生~そして、少年は~  作者: 長谷川
第2章 再会、そして~
43/111

2ー28話

 その後は、カサドラさんに報告をして、こちらで原因を調べてみると言われた。

 ついでに、ギルド職員に“様”付けを辞めてくれとカサドラさんに懇願こんがんした。


 その時、セシリアさんが眼鏡をかけていたのが気になったので聞いてみたら、リーナが勧めた、だて眼鏡と言うことが分かった。絶対リーナに誑かされたと確信した。まぁ、似合っているから良いのだけど。


 その間は、ジアン達の修業を兼ねて群れで居る魔物や、上手く対応すれば討伐出来るギリギリの魔物の依頼を受けたり、息抜きをしたりしてカサドラさんからの調査結果を待った。


 結果だけ言えば、あのダンジョンに入った者の実力に応じて魔物の強さが変わる、変動型ダンジョンと言うことらしい。

 変動型ダンジョンは今まで発見も報告も無かったとの事。通常は同じ強さの魔物が現れるダンジョンが多いから。


 その調査結果を聞いた時は、ジアン達の最高の修業場所と思ってしまった位だ。


 それからは、ジアン達の鍛練に付き合いつつ、何日かしてからダンジョンに連れて行きジアン、ルセ、先生の3人だけで魔物討伐をさせたりと繰り返す日々を過ごして、大会の三日前にエルスと聖王陛下と王妃、その護衛にバルザ義兄ちゃんと十数名が来ていた。


 それと、ソティウル騎士王国からも、王族が来たとの事。王族には遭遇はしなかったけど、ソティウル学園の学生達は見かけた。見た限りでは、上級生のみのチームだった。


 グラティウル学園の選手は開催地だから、大会日当日に来るそうだと、先生が教えてくれた。


 王族の護衛をしてきたバルザ義兄ちゃんには悪いけど、普通は、ジェイド兄ちゃんとセリカ姉ちゃんが護衛に付くはずなのに、その事をエルスに聞いたら、二人で対処しなければイケナイ内容の報告があったそうでそちらに行った、との事。


 ジェイド兄ちゃんは片を付けたら、セリカ姉ちゃんの通門ゲートで来るからと言っていたそうだ。

 

 エルスはエルスで、しばらく会えなかったからと言う理由で、殆ど俺のかたわらに居て行動を共にしていた。


 それにエルスが俺達代表者組に大会で着る、白と赤を基調とした上が長袖で途中に半袖の袖となっている、男子はズボン、女子はハーフパンツの服装を用意していた。右袖の部分だけ赤色になっていた。


 何でも、グラキアス学園は赤。ソティウル学園は青。グラティウル学園は緑と袖の部分が決まっているとの事。


 で、俺の半袖の、左袖の部分が黄色になっていた。


 理由を聞いたら、リーダーを決める決まりがあり、それが俺らしい。

 それをそばで聞いていたジアン達は、うんうん、と、頷いていた。



 そして、大会の前日になり、エルスが陛下達と一緒に観戦するための衣装合わせ。

 ジアン達は鍛練。ジアン達に付き合うノエル達。


 俺はギルドに、大会中会えなくなるセシリアさんに挨拶に行ってからジアン達と合流する事になった。



「それではセシリアさん、大会が終わりましたら依頼を受けに来ますから」

「はい。待ってますから必ず来て下さいねカイト()


 セシリアさんに手を振り、ギルドから出た。


「危ない!」


 その言葉を聞いた時には、何かにぶつかった衝撃で尻餅を付いてしまった。 


 対して痛くは無かったので、事態が分からないから辺りを見渡した。


 俺の反対側に、艶のあるロングストレートの銀髪に、整った顔立ち、白と青を基調とした服装で、スカートを履いていた所為でスカートがめくれて、フリル付きの白の下着が見えていた。靴は少しヒールが高い膝まであるロングブーツを履いており、紺のフード付きのポンチョを羽織っていた。


「イタタタ!」

 

 俺とぶつかったのは、俺より一廻り大きな背格好の少し膨らんだ双房の持ち主の女性が、打ち付けたお尻を擦っていた。


「ごめんなさい」


 俺は立ち上がり、ぶつかった女性に手を差し伸べた。


「こちらこそごめんなさい。余所見をしていたから」


 女性は顔を上げて、俺が差し出した手を取り立ち上がった。


 その際に、今まで瞼で閉じていた瞳が見えた。その瞳は、右眼が銀色で左眼が金色の瞳をしていた。

 この世界の人達は殆どが、髪と同じ色の瞳をしているか、両眼共違う色をしている。


「キレイな瞳ですね。それに片眼が違うなんて珍しいですね」

「えっ!? あっ!」


 その女性は頭を触っていた。フードが取れていたのが分かったらしく、フードを目深に被った。


「ご、ごめんなさい! それじゃあ!」


 その女性は慌てだして早々に走って行った。


 中々に慌ただしい人であった。

 

 その後は、ジアン達と合流して鍛練に付き合った。


 結果は、ジアンは雷魔法を使える様になったが【雷装らいそう】習得には至らなかった。


 ルセは、精霊のおかげと言っていて、【雷装】習得まであと少しって所まで来ていた。何でも、セリカ姉ちゃんも精霊の力を使えるらしく、その事をセリカ姉ちゃんから聞かされていたらしいのだが、セリカ姉ちゃんも精霊の言葉?は分からない、との事らしい。


 先生は、雷を少しだけ発動出来るって段階でまだまだ先は長い。もう一つの氷結魔法はやはり、こちらの世界の人には馴染みが無く、先生が熟練者と言うのも相まって発動するには至ってはいない。

 

 ダンジョンは攻略が目当てでは無いから、ジアン達が対処出来るペースで進めて、3階層までしか進まなかったらしい。



 そして、剣魔武闘会が始まった。


  

 剣魔武闘会が開かれる場所、武闘場は円形で天井が無く、空が見える造りになっており、その中には王族が観戦出来る特別室も造られている。そして5万人が観戦でき、試合をする舞台は150m四方の大きさをしている。

 

 で、俺達代表者組は開会式が始まるまで控え室で待機している。

 



「え~テステス。ただいまマイクのテスト中」

「あ~あ~。マイクのテストを兼ねて剣魔武闘会が開催されるまでの間に軽く出場選手の紹介をさせていただくッス!。因みにボクはキルククと言うッス!そしてボクの前に話したのはミディと言うッス!今回の試合の解説と実況をすることになったッス!」

「よろしくお願いしま~す! さぁ、それでは最初に紹介するのは?」

「最初に紹介するのは、ここグラティウル学園の選手達からッス!」


 そして愉快な二人が他の学園の選手の紹介を初めていった。

 

 ※※※


「さぁ、最後に紹介するのはグラキアス学園の選手達です!」

「あ~、ミディさんミディさん。この手紙をどうぞッス」

「この手紙は?」

「この手紙は、とあるお方からグラキアス学園の選手達の紹介が書いてあると言われたッス。それでは紹介をして下さいッス、ミディさん」

「は、はい」


 あ~。スッゴくイヤな予感がしてきたぞ! ノエルとリーナは笑顔を見せてヒソヒソ話しているし、ジアンとルセは何?って表情を浮かべているよ。


「え~まずは。『私の愛しのお方の弟子であります、その名もジアンと申します。この方は、純粋な性格の持ち主で私の愛しのお方の心を射止めまして、修業を付けてもらい、素晴らし実力を身に付けました』って、ちょっとちょっとキルククさん、一体この手紙を書いた人って誰なんです!?」

「それは紹介をしていけば分かるッス! それで、はい次の手紙をどうぞ」


 やっぱりエルスの仕業かよ!


「え~『この方も私の愛しのお方の弟子であります、その名もルセと申します。この方は優しい性格の持ち主でして、私の愛しのお方の心を射止めまして、修業を付けてもらい、先のジアン様と同じく素晴らし実力を身に付けました。そして、ジアン様とはヤケドしそうな位のアツアツカップルとなっておりますので、二人が愛し合う様を御覧になった人は意気消沈しますのでお気を付け下さいね♡』っと、ハートマークまでしっかりありますねぇ~! で、キルククさん本当にこの手紙を書いた人って誰なんです!?知っているなら教えて下さいよぉ!」

「イヤー、ビックリしますから、それは紹介していけば分かるッス!それでは次の手紙ッス!」


 ルセとジアンが、顔を手で隠してうずくまってしまったよ。本当、とんでもないことしてくれちゃったよ、あの人は! 


「え~『この方は私と私の愛しのお方の家族であります、その名もノエルと申します。この方は天真爛漫な笑顔と最高の料理の作り手で、私と私の愛しのお方の心と胃袋を鷲掴みにした、魔性の女性です。ですので、私と私の愛しのお方のモノですので手を出す方がおりましたら、私の愛しのお方が暴れますのでそっとしといて下さいませ』って、結構ヤバい内容の紹介だったんですけど!? 読んでる私がこの人は本当にヤバいと警告しているので皆さん本当に手を出したら命は無いですよ!」

「っと、ミディさんからの警告が出たところで、はい次ッス!」


 ノエルさんよ。そんな、エヘヘッ。ぐらいの軽い反応を示さないで!?


「は~。『この方は私と私の愛しのお方の家族であります、その名もリーナと申します。この方は見た目とは裏腹に内面は可愛いらしい性格で、私と私の愛しのお方の心を鷲掴みにした、魅惑の女性です。この方も私と私の愛しのお方のモノですので、その魅惑に取り付かれて襲う者がおりましたら、私の愛しのお方が暴れますのでそっとしといて下さいませね』って、この人もヤバいです!既に私、心折れそうです!読むのイヤになってきましたよ、キルククさん!」

「まぁまぁ、次で最後ッスから。はい」


 リーナは赤面していたが、何事も無かったように済ましているよ。今は見栄を張らなくても良いのにな。

 そして俺、一番怖い事が起きる予感がして、鳥肌が立ってしまっているんだけどさ。


「え~『散々勿体ぶって申し訳ありませんでした。最後に紹介しますのは、先に紹介しましたノエル様、リーナ様、そして私、エルスティーナ・グラン・ド・グラキアスの婚約者であります、その名もカイトと申します。』って、え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~! ちょっとちょっとここで王族の方の婚約者の紹介ですかぁ!?」

「イヤー、ボクも最初に拝見した時はビックリしたッスよ!本当に手紙の内容をそのまま言っていいのか迷ったッスよ!」


 やっぱりだったか!もうこれでこの武闘場に来ている人達に知られてしまったぞ!エルスの奴、確実に一緒に居たいからと、こんなやり方で発表する何て、手段は選ばないか!


「イヤイヤイヤ、キルククさんこれはかなり重要な発表をしたんですよ!王族の方の婚約発表なんですよ! それにこの手紙の続きを読んだんですけど、今まで以上のヤバさを感じますので、これ以上この方の紹介をしたくありません!」

「そんなことを言わないで下さいッスよ、ミディさん!」

「そう言われても………………………。 それよりずっと気になっていたのですけど、キルククさん。どうして、語尾に“ッス”と一人称が“ボク”と言っているんです? 今まで使って無かったですよね?」

「イ、イヤッスね!ボ、ボク、いつも使っていたじゃないッスか!? ミディさんったら、な、何を言うんです!?」

「キルククさん、さっそくボロが出てますよ。ってそのポケットに入っている紙は何ですか!」

「あっ、それは!?」


 何やら発見したみたいだな。それにしても、いつも使っていない言葉を急に使い始めた?エルスの仕業か?


「え~と、『今回の剣魔武闘会の実況と解説をお受けしましたお方へ。私はエルスティーナ・グラン・ド・グラキアスと申します。今回、このようなお手紙を出したことは申し訳ありません。まだ先の話なのですが、私が12歳になりましたら私の婚約者を決め、国中にお知らせしなければいけません。ですが、私には心に決めたお方が居ますので、この大会の途中の時にでも選手紹介と称して私の大事な人達と婚約者の紹介をして欲しくてお手紙をお出ししました。それがなされた暁には、貴方様も婚約者になれるかも知れませんよ?    P・S 因みに、独身の方でボクッと呼ばれる、一人称が“ボク”と語尾に“ッス”と付けた方が望ましいですね。    エルスティーナ・グラン・ド・グラキアス』って、何ですかこの手紙はキルククさん!!」

「ちっ!」

「今の舌打ちは何です、キルククさん!私に内緒で、姫様の認めた方と婚約する気になっていたんですか!?ズルいですよ、一人だけ!」

「そうですよ!それの何がイケナイのです!私だっていい加減素敵な男性と結婚したいんですよ!もう、24何ですよ!それの何がイケナイのですか!」


 ちょっとちょっと、何で当事者の俺を除け者にして話が進んでいるのさ!キルククさんは後半泣き出しているし。


「イヤイヤイヤ!私だって同じ24ですけど!私だっていい加減結婚したいですって!キルククさんだけズルいですよ!」

「それじゃあ、姫様に頼みましょう!姫様どうか私達もお願いします!」


 と、その放送を最後に、開会式まで観戦席は大騒ぎになっているのが、控え室まで聞こえていた。


 そして、開会式が始まろうとしていた。



※武闘場、王族専用特別室にて──


 グラキアス聖王国からは、エルス、聖王陛下、王妃、バルザ隊長と数名の護衛。

 ソティウル騎士王国からは、騎士王、王妃、王女と数名の護衛。

 そして、ギルドのトップのカサドラがその部屋でイスに座り大テーブルに用意された飲み物やお菓子の軽食を食べくつろぎながら談笑していた。


【エルス視点】


「どうだ、カイゼル。今年の我が学園の選手達のレベルの高さに驚いたか! 今年の優勝は我が騎士王国だな!」

「バカを言え、オルドネス。 今年も我が聖王国の優勝だ!フフフフフフ!」


 銀色のショートヘアー、精悍な顔立ちに鼻の下に整った髭を生やし、長身の筋肉質の体型、白を基調とした気品漂う服装でマントを肩に掛けるスタイル。を、したソティウル騎士王国のオルドネス・ザン・フォン・ソティウル様がお父様と楽しく談笑しています。

 

 この二人、何でも学生時代の時は、フラフラと出歩いたりして、トラブルが起きた時に遭遇して、二人でそのトラブルを解決した時に、話が合ったらしくそれ以来の親友と言うことなのです。

 なので、いがみ合っていた先代の聖王と騎士王が崩御ほうぎょなされてお父様達が王位に就いた時に、友好条約を結んで今の様な関係になっているそうです。


 お父様にしては、良いことをなされましたわ。


「そうですわね。今年から参加するグラティウル学園の選手達にはホロ苦い大会になりますわね」

「何!? カサドラ様までその様な事を申すとはどう言う事ですか?」

「うーん?何と言ったら宜しいのかしらね、カイゼル君?」

「どうせなら、出て来たときに話した方が面白いから内緒でお願いしますよ、カサドラ様」

「分かったわ」


 何でも、お父様達が学生時代の時の先生をしていたらしく、出来れば公の場以外では、その当時のまま呼んで接して欲しいとカサドラ様に、懇願したそうです。

  


「ねぇねぇ、ラヴィちゃん。ラヴィちゃんは知っているのカイゼル君が言っていた事?」

「もちろんよ、サティちゃん。その子はね、何たってエルスの婚約者ですもの!」


 お母様は自分の事の様に、自慢げに話しておりました。


 銀色の背中まであるロングヘアー、可愛いらしい顔立ちに右の目元には泣き黒子、水色を基調とした気品漂うドレス姿の標準的な身長で巨乳の持ち主。の、ソティウル騎士王国のサティナ・ザン・フォン・ソティウル王妃様がお母様と談笑しています。


 こちらの二人も学生時代の年にパーティーで知り合ったそうで、その時に話が合ってそれ以来の親友なのだそうです。


 そして、二人で何回かに一回片方の都市で会っていた時に、お父様達にナンパをされたそうですわ。


 初めて聞いた時には、お父様、私の事言えないのでは?と、思った程ですわ。


 お父様達はお母様達を見た時に、ビビッときて、一目惚れと力説していましたけど。


「えっ!? もうエルスちゃんの婚約者決めちゃったの!?いくら何でも少し早いんじゃない!大丈夫なの?」

「大丈夫よ。それより、ティアちゃんの相手はもう決まったの?確か、12歳よね?」

「えぇ、そうなのだけどね………」


 そう言った、サティ様は隣で座って俯いている彼女の頭を優しく撫でてあげていた。


 艶のあるロングストレートの銀髪に、整った顔立ち、ピンクの気品漂うドレス姿て私より成長している背格好と双房の持ち主。そして、極めつけが、オッドアイと呼ばれる色が違う瞳をしている事。

 彼女は、ソティウル騎士王国王位継承順位第五位()()()ティアナ・ザン・フォン・ソティウル。

 

「この世界では、災厄が興ると言われているからね……………」


 そう、彼女は半分亡き者扱いを受けている。自分の親、兄弟姉妹の家族以外の人達からは。


「それなら、カイト君が良いんじゃないかな」

「カイト君?」

「そっ、カイト君。エルスの婚約者よ。で、エルスはどうかしら?」

「私は構いませんわよ。ただ、一つだけ。カイトの事を心から愛して、カイトに大切な大事な人と想われる事をして貰えれば」

「えっ? それは、どう言う意味ですか?」


 今まで俯いていた、ティアナ様が顔を上げて聞いてきました。


「ちょっとちょっと、エルスたん! この放送内容どう言う事!?」


 と、急にお父様が驚愕の表情をしていました。


 「イヤイヤイヤ、キルククさんこれはかなり重要な発表をしたんですよ!王族の方の婚約発表なんですよ! それにこの手紙の続きを読んだんですけど、今まで以上のヤバさを感じますので、これ以上この方の紹介をしたくありません!」


「エルスたん! 大会の終わりに発表するって言ったよね!?」

「何か、問題が()()()()()()

「ひぃ!」


 私が少し凄んだだけでお父様ってばそんなに怯えなくても宜しいのに。


「なんだなんだ、カイゼル。実の娘にそんなに怯えて情けない!ハハハハハッ!」

「お前はエルスたんの事を知らないから、俺の気持ちは分からないよ」

「あっ、それとオルドネス様。ティアナ様の婚約者は私の婚約者であります、カイトと()()()()()()()()()()()

「エルス嬢何を勝手に。それにティアナは…………」


 オルドネス様はティアナ様に近づき、頭を優しく撫でてあげていた。


「皆様が心配するのも、仕方ありませんけど、私のカイトは愛情には愛情で返してくれますわよ? カイトにとって大切な、大事な人はしっかりと守りますので」

「エルスちゃんの話を聞く限りではいい人そうだけど、私達がこの眼で見るまでは、私達の大事な娘を預けられませんわ!」


 うんうん、と、サティ様に同意と言わんばかりにオルドネス様は頷いていました。

 ティアナ様も俯いたままですし。


「まぁ、それもそうですわね。カイトを見てからでも遅くはありませんからね」


 その後は、気まずい空気の中、開会式の時間まで沈黙した。


 因みに、ミディさんとキルククさんの婚姻話は保留ですけどね。

お読みいただきありがとう御座います。

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