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家族で異世界転生~そして、少年は~  作者: 長谷川
第2章 再会、そして~
42/111

2ー27話

 リーナが腕を絡めてきたり、恋人繋ぎをしてきたりしながら、目的の場所、洞窟ダンジョンに着いた。

 その入り口には、ギルドの制服を着た男性が二人居た。


 一人は、中肉中背の爽やかな顔立ちに、オレンジの長髪を後ろでひと結びにしていた。


 もう一人は、長身痩躯でややつり目が特長の顔立ちに、緑のショートヘアーをしていた。


「失礼ですが、ここから先は危ないですよ?」

「それに、子供達だけで来るような場所じゃ無いぜ?」


 爽やかな男性とややつり目の男性が俺達が近付いた時に言ってきた。


 俺は、マジックバッグからセシリアさんに渡されたカサドラさんのサインが書いてある紙、通行証を取り出して、二人に見せた。


「「っ!?」」


 二人は目を見開いて驚いているのが分かった。


「もしや、貴方様は王都で噂されていたカイト様ですか?」


 爽やかな男性が訊ねてきた。


「どう噂されているのか知りませんが、確かに私がカイトですけど?」

「それでは、そちらの淑女がノエル様で?」

「違いますわ。私はリーナと申します。ノエルは藍色の髪をポニーテールにしておりますの」

「大変失礼しました。私はグラム・シーレンと申します。カサドラ様のめいを受けまして、ここで見張りを仰せつかっております」


 爽やかな男性グラムさんは最後にお辞儀をしてきた。


「先ほどはとんだご無礼をしてすみませんでした!自分はジャッジ・コールマンと言います!自分もカサドラ様からここでの見張りを仰せつかっております!」


 ややつり目の男性ジャッジさんは愚直過ぎるほど、深く頭を下げてきた。


「ご丁寧にありがとう御座います。改めまして、私の名前はカイトと申します。恐れ多くもAランクを授かりました。以後よろしくお願いします」


 俺は最後にお辞儀をして挨拶をした。


「それではわたくしも改めて挨拶させていただきます。わたくしはリーナ・ツォン・フォレストと申します。ランクはDランクです。こちらのカイとはパーティーを組んでおります。以後よろしくお願いします、グラム様、ジャッジ様」


 リーナは最後は優雅なお辞儀をして挨拶した。


「流石はカイト様とリーナ様です。カサドラ様から話を聞いていた通りのお方ですね」

「ん? いつの間に聞いていたんです、自分達の事を?」

「バーン様からの報こ─」

「まぁ、そうだったんですか!カサドラ様も随分と連絡するのが早いですわね!フフフッ!」


 急に割り込んで来たリーナは、そのままグラムさんとジャッジさんに近付いて、二人の耳元で何かを言っている。

 リーナの奴、急に割り込んで来た所を見ると、絶対何かを企んでいるぞ。


 しばらくして、リーナは二人から離れて俺の元に戻ってきた。

 

「ねぇ、三人で何を話していたの?」


 と、応えないであろうリーナを見ると、こちらを見ずに、口元が笑みを作ったままでだんまりしていた。

 そして次に、グラムさんを見ると、爽やかなスマイルをお見舞いして来やがった。グラムさんもダメだ、応えそうにない。


 最後に愚直過ぎるジャッジさんに掛けるしかないと思って見た。


「じ、自分はカイト様の幸せを願うだけです!」


 ジャッジさんは急に汗をかき出し始めた。きっとこの人、嘘をつくと汗を体質なんだろうな。

 

 そう思って、ジャッジさんをジーっと見てみた。


「じ、自分はカイト様の幸せを願うだけです!」


「ダメでしょカイ!そんなに見つめたら、勘違いを起こすわよ、私が!」

「くっ!」


 クソッ!リーナの邪魔が入らなければ、リーナの企みが分かったのに。それに、リーナの奴、何の勘違いを起こすんだよ、一体?


「そ、それより、カイト様達はどうしてここに?」


 グラムさんが話が進まないと思って進めてくれた。


「お手頃な依頼が無いか聞いたら、ここを教えられたのですよ。それで魔物の強さの様子見と言う感じで来た次第です」

「そうでしたか。 なら、依頼を受ける時に聞いたかも知れませんが、ここのダンジョンは異様な強さの魔物達が居ますが、カイト様の実力はカサドラ様から聞いていますので問題は無いですね。ですが、カイト様といえど、魔物にやられる恐れがありますので充分お気を付け下さいませ」

「はい。 忠告感謝します」


 グラムさんは俺からの返答に頷いて、ギルドマークの入ったカサドラさんのサイン入りの紙、通行証を返して、手で入るように促して、俺達は洞窟ダンジョンに入りやや下りの道を進んだ。  


 ダンジョンの中は薄暗く、光魔法で灯りを確保して俺は刀【虚空】を、リーナはミスリル製の細剣を腰に装備して、少し離れて歩いていた。中は子供の身体でも、4人並んで歩いても少し余裕がある位の通路になっていた。


 その通路をしばらく歩いて行くと、少し拓けた場所に出た。


「ダンジョンの中ってこんな風になっているんだな」 

「そうね。それに少しジメジメしているわね」


 確かに。だけど、涼しくて暑い季節はこういう場所は有り難いけどな。


「あ~。リーナさん?準備は宜しいです?」

「えぇ、問題ないわよ、カイトさん」


 俺に返答をする前に、リーナは腰から細剣を右手で抜き構えた。

 

 そう、俺達の前方に魔物の気配を感じたから。


 俺も【虚空】を右手に持ちいざという時に備えた。俺が後衛で、リーナが前衛をすることになっている。


 そして現れたのは、Cランクに指定されている、全長2m近くもある大きさのレッドスコーピオンと呼ばれる、鉄より硬い殻を持つ赤いサソリが五匹だ。


「リーナ、いけるか?」

「問題ないわね。任せて」


 リーナは身体強化と細剣に魔力を通していただろう、レッドスコーピオンの一匹に瞬く間に迫り、ハサミになっている両腕を切り落とし、レッドスコーピオンが一部が鋭く尖った尻尾で反撃をしてきたが、軽やかに避けて頭に突き刺してレッドスコーピオンは死に絶えた。


 レッドスコーピオンの尻尾には毒が仕込まれているから、擦るだけでも致命傷になるから気を付けないといけない。


 リーナは続けて、二匹目、三匹目と倒していった。


 リーナの奴、かなり調子良さそうだ。


 そして、リーナが四匹目を倒しに向かう時に、レッドスコーピオンの二匹が一緒に尻尾で鋭い攻撃をしてきて、一旦リーナは後退した。


「援護必要か?」

「大丈夫よ」


 そう応えたリーナは、左手をかざして氷結魔法【氷槍(アイスランス)】を二つ作り二匹のレッドスコーピオン目掛けて放った。

 【氷槍アイスランス】は40cm程の鋭利な形をしている。


 リーナの【氷槍アイスランス】がレッドスコーピオンの硬い殻を貫き、レッドスコーピオンはそのまま動かなくなった。


 そして、増援が無いか警戒していたが、その感じは無く警戒を少し和らげた。

 

「お疲れ様リーナ」

「えぇ、お疲れ様カイ」

「いや、俺は何もしていないよ」

「そんな事は無いわよ。貴方が傍に居るだけで私は安心して攻める事が出来たのだから」

「そういうことならその言葉を受けとくよ」


 その後、俺は手を上に挙げて、リーナは俺の意図を察して手を挙げて、ハイタッチを交わした。


 それにしても、リーナはあっという間に氷結魔法と雷魔法を覚えたよな。

 まぁ、リーナだけじゃ無くエルスもだけど。やっぱり二人は何やらせても覚えるの早いな。


 その後もダンジョン内の探索を再開した。

 ダンジョン内は通路、部屋、通路、部屋と交互の造りになっていた。たまに、別れ道があったので、ギルドから貰っていたダンジョン内の地図を参考に進んだ。


 その後も遭遇したのは、レッドスコーピオンやレッドスコーピオンより猛毒を持っているグリーンスコーピオン、硬い殻に魔法耐性が高いブルースコーピオン、他のスコーピオンより更に硬い殻を持つライトスコーピオンなど、何匹ものスコーピオン種をリーナが一人で討伐した。


 もちろん、魔石の回収も忘れずにおこない、それに伴い、リーナが癒しが欲しいと言うので、頭を優しく撫でたりしてあげた。場所が場所だけに、リーナはデレデレにはならなかったけど。

 

 それにしても、Aランクに指定されてるグリーンスコーピオンとブルースコーピオンが1階層で現れるなんて、かなり危ないダンジョンだぞ。


 しかも、ギルドで聞いていた1階層に出現する魔物は、Cランクのゴブリンナイトにゴブリンウィザード、ゴブリンチーフなどの通常のゴブリンの上位種が出現するはずなのに、一体何なんだこのダンジョンは?


 疑問に感じつつも、順調に進んでいると1階層が終わりという感じに、下に続く階段を発見した。


「どうするの、カイ?」

「うーん? 既に聞いていた魔物ではなく、違う魔物が現れてたから、ここはもう1階層進んで確かめてみたいと思うのだけど、いいかなリーナ?」

「えぇ、私は問題ないわよ」

「よし、それじゃあ行こうか」


 俺が先に行き、警戒しながら階段を下った。


「さてさて、今度はどんな魔物が出てくるかな?」

「ねぇカイ。因みに聞くけど、2階層の魔物はどんな種が出現するの?」

「2階層はCランクに指定されているコウモリ系の上位種だな」

「コウモリねぇ~」


 あらあら、リーナさんってば乗り気じゃ無くなったよ。


 ブラッディバッド、スリーピングバッド、ポイズンバッドなど状態異常をもたらすのがおもなのがバッド種である。


「まぁ、1階層みたく違うかも知れないかもな?」

「それはそれで、おかしなダンジョンなのだけどね」

「っと、今度はどうかな?」


 魔物の気配を感じて構えた。


 そして現れたのは、Aランク指定にされてる、1m程の大きさのパープルスライム3匹がのそのそと現れた。

 

「リーナ、このスライムは物を溶かす強力な酸と魔法耐性がかなり高いスライムだ!」

「それに物理攻撃は効かないのでしょ?」

「あぁ、軟体生物だからな。どうする、代わろうか?」

「大丈夫よ。魔法耐性が高いと言ってもそれは、属性が付いているからなのだから、魔力のみで対処すればいいのでしょ?」

「あぁ。だけど中途半端な威力じゃダメだぞ?」

「分かったわ」


 そしてリーナは左手をかざし、60cm程の大きさの球状を作りそれを10㎝程の大きさまで()()して、それをパープルスライムの赤い核目掛けて放った。


 リーナの魔力弾はパープルスライムに吸収や流される事無く、スライムの核を貫いて、スライムは形が保てずに崩れていった。


 それが有効と判断してリーナは、続けて残り2匹のパープルスライムを圧縮した魔力弾で討伐していった。


「ふぅ~。どうかしら?」

「恐れいりましたよ、リーナ様」


 リーナは清々しくこちらに向き、手を少し掲げて軽くタッチを交わした。 


「それでカイ、このまま進んでみるの?」

「いや、一旦戻ろう。ギルドで聞いていた話と違うから、確かめる必要がある」

「分かったわ」


 まだまだ序盤の内に2階層の探索を辞めて、ダンジョンを出るために1階層に戻った。


 1階層に戻った俺達は、またスコーピオン種と遭遇してリーナが討伐していった。

 そのおかげでリーナは、結構レベルが上がった。


【リーナのステータス】


名前 リーナ・ツォン・フォレスト 10歳 女 Lv 100   

種族 人族 

職業 転生者 公爵家令嬢 凄腕細剣士 一流魔導師 学生 冒険者 創造神の加護を受けし者

称号 Dランク 全属性を使える者


体力  4500┃7000

魔力  3000┃8000


筋力   5000

守備力  6000

魔法力  6000

魔法耐性 7000

知力   800

素早さ  3500

運    100


スキル 剣術Lv7 杖術Lv5 体術Lv6 短剣術Lv5 火属性Lv7 水属性Lv7 風属性Lv7 土属性Lv7 光属性Lv7 闇属性Lv7 無属性Lv6 雷属性Lv7 氷属性Lv7 隠蔽Lv7 鑑定Lv5 感覚共有 創造神の加護【中】 念話


 俺は討伐しなかったからレベルアップはしなかったけど、“あの村”で変異したオーガを倒した時に結構レベルが上がったからいいけどな。


【カイトのステータス】


名前 カイト 10歳 男 Lv 350

種族 人族?

職業 転生者 冒険者 学生 創造神見習い 凄腕剣士 一流魔導師

称号 Aランク 限界を越えし者 全属性を使える者


体力  25000┃25000

魔力  19000┃20000


筋力   17000

守備力  17000

魔法力  15000 

魔法耐性 15000 

知力   1200

素早さ  5000 

運    100 


スキル  剣術Lv8 短剣術Lv5 体術Lv6 槍術Lv5 火属性Lv7 水属性Lv7 風属性Lv7 土属性Lv7 光属性Lv7 闇属性Lv7 無属性Lv7 雷属性Lv7 氷属性Lv7 隠蔽Lv7 鑑定Lv5 念話 創造神の御業みわざ神力しんりきLv5 神力しんりき付与Lv5 神力しんりき経験値アップ【中】 眷属への加護【中】 神格化】 アイテム創作


 ここの魔物達はかなり強いからジアン達のレベルアップには最高だけど、なんでこんなに強い魔物が出現するのか原因が分からない内はダメだな。




「どうかなされましたか、カイト様、リーナ様」 


 俺達はあまりにも早く出てきたものだからグラムさんが訊ねてきた。


「実は、ギルドで聞いていたのと違う魔物が現れたのでギルドに戻り報告をしようかと思いまして」

「違う魔物ですか?」

「はい。1階層はゴブリン種が出ると聞いていたのに、スコーピオン種が出て来たのですよ」

「何ですって!?それが本当ならカサドラ様に報告した方が宜しいです!」

「分かりました。カサドラさんまで報告することにします」

「はい、よろしくお願いします。私達は原因が分かるまで、ダンジョン内に他の冒険者を入らせない様にしますので」


 グラムさんの言葉にジャッジさんは頷いて返事をしていた。


 そして俺達は来た道を戻り都市に戻った。


お読みいただきありがとうございます。

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