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家族で異世界転生~そして、少年は~  作者: 長谷川
第2章 再会、そして~
33/111

2ー19話

「よしっ!バッチリだよね、爺や!」

「えぇ充分、様になっておりますよカイト様」


 稽古を終えた俺、ジアン、ジェイド兄ちゃん、アルフさんの男性陣はパーティーに出る為に男性用の衣装部屋に来ていた。

 

 そしてタキシードにネクタイをスパッと着て、髪をオールバックにした俺の格好を見たアルフさんが喜んでくれていた。

 やっぱりこうゆう事に慣れている所だと上手く着せてくれるのだと関心するばかりだ。

 

 ジアンとジェイド兄ちゃんも同じくタキシードを着ていた。


「な、なぁ、俺おかしくないか?」

「お似合いで御座いますよ、ジアン様。それにジェイド様も。爺は息子や孫の晴れ姿を見れた様で大変嬉しい気分ですよ!」

「ハハッ、ありがとう御座います義父さん」


 アルフさんには参るよ、ジェイド兄ちゃんにも呼ばせているんだもんなぁ。

 しかも俺が孫だとすると、ジェイド兄ちゃんが親になるんだよな。それはそれで複雑だよ、かなり。


「後は、ジェイド様とセリカ様のお子とカイト様達のお子を待つばかりですな!ハハハハハハッ!」

「大変だな、カイト」


 クソッ!他人ごとの様に言いやがってジアンの奴!


「何を他人ごとの様に言ってますか、ジアン様! ジアン様とルセ様のお子も爺は待っておりますぞ!ハハハハハハッ」


 やっぱりだったか。ジアンの奴、想像して顔を赤らめて黙りやがった。 よし、それなら、


「爺や、どうせなら俺達の子供の(子供)を抱き上げるまで生きてくれよ!」

「ッ!? そうですな!どうせなら目標は大きい方が宜しいですからな! それまで爺は生きてみせますぞ!ハハハハハハッ!」


「(あっ!カイト、すまん!言い忘れていた。アルフさんって実は結構長生きしているんだよ)」

「(はぁぁぁぁっ!?)」


 ジェイド兄ちゃんが信じられないことを小声で言ってきた。


「(あの人、先代の聖王陛下から使え始めていたらしいんだけど、それが今と変わらない容姿何だよ)」

「(えっ!? それって、まさか………)」

「(あぁ、お前が思った通りだ。長寿と言われているエルフだと睨んでいるんだよ)」

「(んん?睨んでいるってどういう事だよ兄ちゃん?そんな長生きならエルフしか無いだろ?)」

「(そうなんだがみて見ろよ、あの容姿。普通の人間にしか見えないだろ? エルフは特長的に耳が尖っている訳だがそうでも―無いし、何より()()()()()()()()()()。普通の人間にしか見えないだろ。いくら聞いてもはぐらかされるだけなんだよ)」


 確かに。…………………鑑定で視てみても、普通の人間の平均値しか無い。どういう事だ、一体?


「どうかしましたかジェイド様、カイト様(二人共)

「い、いえ何でもありませんよ爺や!」



 流石にジェイド兄ちゃんが聞いてもはぐらかされているなら俺が聞いてもはぐらかされだけだな。……………よしっ!気にするのは辞めよう、いずれ分かるだろ、うんうん。


「それでは、淑女達を迎えに参りましょうか」


 アルフさんが率先して、女性陣がいる部屋に案内してくれる事になった。


 女性陣がいる部屋に着いた俺達は、アルフさんがノックをして返事が返ってきてから部屋に入った。


「待っていたわ、みんな」


 王妃様が俺達の入室を見てから言ってきたのだが、何だか王妃様だけ元気良く、他のみんなはやや疲れている様な表情をしている様な気がした。

 そして、疑問に感じた事があった。()()()()()()()()()()()()()()()()()、と。いくら何でも1人に付いてるのって2人位で14人位だと思うのだが、30人は超えてこの部屋に居た。しかも、メイド達もエルス達同様疲れた様な表情をしていた。


「あの~気のせいかもしれないですけど、王妃様以外の皆さん、何故か疲れていませんか?」

「ん? 気にしないで良いわよカイト君。()()()()()()()()()をしただけだから。っね!みんな?」


 王妃様の問い掛けに皆は何だかげんなりしている様だった。


「それより、エルス達は思い人にドレス姿を見せなくて良いの?私だけマジマジと見て貰うわよ?」


 王妃様の呼びかけに、セリカ姉ちゃんはジェイド兄ちゃんの所に、ルセはジアンの所に、そして俺の所にノエル、エルス、リーナ、ナリア先生とそして何故か王妃様が近づいて来た。 


「私達、もうお嫁に行けませんわ。お母様に汚されてしまいました」

「??? 何の事だか分からないけど、エルス達は俺に嫁入りするのだからそんな事を言う必要無いだろ?」

「そうでしたわね」「やった!私も!」


 んん?何故そこで王妃様が喜んでいるのさ?


「あの、何故王妃様が喜んでいるのですか?」

「えっ!? 私もカイト君に貰ってもらおうかと思って」

「いやいやいや!? 何を口走っちゃってるの王妃様(この人)は!?」

「愛人で構わないわよ?」

「いやいやいや!? 王妃様(貴方)には陛下が居るでしょう! 俺、陛下に殺されますよ!」

「なんだ、残念」


 だから残念がんないで! おかしな事を言うから、王妃様に向かって“この人”とか“貴方”って言ってしまったわ!


「(因みにカイト。 お母様はマジですわよ!マジでカイトの愛人を狙っていますわよ!)」


 エルスからの耳打ちに、衝撃を感じた。この王妃様には出来るだけ近付かないようにしないといけないと、俺の方で鹵獲されるのでは無いかと思ってしまったから。


「それよりカイト。私達のドレスはどうですか?」


 エルスはそう言いながら、ドレスを満遍なく見せ様とその場でゆっくりと1周した。


 エルスは前髪と髪脇を後頭部上部で一部を縛り残りはそのまま流した髪型にティアラを乗せて、手首まである袖付き白薄黄色を基調としたフリルが所々に施されて足元が見えない上質なドレス、正にお姫様と言って言い格好をしていた。そしてイヤリングと首元にはアクセサリーを身に付けて軽く化粧もしていた。


「どうかしらカイト、惚れ直したかしら?」

「スッゲぇ、ここにお姫様が居るよ!」

「んもう!私これでもお姫様なのよ! それでどうかしら?」

「恐れ多くて近寄れませんって言いたくなるくらい、キレイだよ」

「そこは素直にキレイって言ってちょうだいな!もうカイトのいけず」


 エルスは笑みをこぼしながら、次の人、と手で促してその場を譲った。


 次にリーナがゆっくりと1周して見せてくれた。


 リーナはこちらから見て左にサイドテールにしており、両肩出しの肘までの袖に膝上までに腰の位置にリボンが施されているスカイブルーを基調としたドレス、足元は同じスカイブルーのヒールを履いて、イヤリングと首元にアクセサリーを身に付け、軽く化粧もしていた。


「どうかしらカイ?」

「大変可愛らしいよリーナ」 

「あ、ありがとう」


 リーナは顔を赤らめて笑みをこぼして、その場を次の人のために避けていた。


 次がノエルでノエルもゆっくりと1周して見せてくれた。


 ノエルはいつものポニーテールからストレートにして、両肩出しの首元と裾がレースとなっている膝上までのライトグリーンを基調とした腰辺りに帯が施されているドレス、足元も同じ色のヒールを履いて、イヤリングのみ身に付けていた。

 そして気になったのが、先の二人より胸が膨らんでいた事。ノエルって結構あったのな。


「ど、どうかなカイくん?」

「正直に言うと、可愛いらしくもあり、セクシーさもある魅力的な女性になっているよ」

「あ、ありがとう」


 ノエルも顔を赤らめてその場を避けていた。


 次にナリア先生かな、と思ったら王妃様が出て来た。


「カイト君、私はどうかな!」


 王妃様は優雅にゆっくりと1周して最後にドレスの裾を軽くつまみ上げてお辞儀をしてきた。


「お母様の出番はありませんから!避けて下さいまし!」


 エルスがそう言いながら王妃様を強引にその場をどかしていた。王妃様は王妃様で嘆きながらエルスとリーナにどかされていた。


 王妃様は編み込みアップした髪型にティアラを乗せて、肘までの袖の足元が見えない所々にフリルが施されている赤と白を基調とした上質なドレス。正に王族の人って言うのがぴったりの格好だった。それにイヤリングと首元にアクセサリーを身に付け化粧もしていた。


「さぁ先生、前に出てカイトに褒めて貰って下さいまし!」

「う、うむ」


 エルスが中々前に出てこなかったナリア先生を引っ張って来た。


 前に出て来た先生は、顔を赤らめていて恥ずかしそうに1周して見せてくれた。


 先生は左に纏めた髪を流して、右肩出しのみの袖無しの右側の一部が膝下の後は膝上の少しフリルが施されているダークブルーのドレス、足元も同じ色のヒールを履いて、イヤリングのみを身に付けて軽く化粧もしていた。


「ど、どうだカイト?お、おかしな所は無いか?」

「……………」

「カ、カイト?」

「……………」


 やっべぇー!スッゴくキレイ何ですけど!!先生スタイルも良いから様になっているし、キレイだけで無く格好いいんですけど!


「カ、カイト何か言って欲しいのだが?」

「えっ、あっ、す、すいません。あまりにもキレイで見惚れていました!」

「!!!!」

「いやー、言葉にならないって正にこの事何でしょうね!」

「ねぇカイト。それって悩殺されたって事かしら?」

「えっ!?………………エルスの言う通りかもしれない」

  

 いや本当にそうかも!まさか、悩殺と言う言葉を体験するとは、思わなかった。


「ほら先生、私の言った通りだったでしょう!」

「は、はい。ひ、姫様の言われた通り、ストレートに言ってきましたね」


 エルスの奴、そんな事を言っていたのかよ! もしかして、エルスの手の上で踊らされているの、俺の行動は!?


「あっ、そうだ先生」

「な、何か」


 そんなに動揺しないで下さいよ。


「エルスがスミマセン。勝手に俺の婚約者にしてしまって」


 俺は言いながら頭を下げた。


「先生が本当にイヤなら破棄してもいいと俺は思っていますよ?」

「……………なぁ。もし、もしだぞ!このまま婚約者だったらお前は私にどう接するんだ?」


 先生は顔を赤らめたままだったが、その眼差しは真剣そのものでこちらを見据えていた。


「えっそれは。皆と同じくなるべく一緒に居てあげる積もりですけど? まぁ手繋いだり、腕にくっついてきたらそのまま皆の好きにさせてますけどね」


 まぁ実際、学園長室でやっていた事を先生の前でやっていた事がほとんどだから。精神はオジさんに近いけど、身体は10歳だからね。


「つまり、大切にしてくれる、と思って良いのか?」

「まぁそうですね。 先の昼食の時にエルスが言っていた通りに俺の大事な人は守りたいと思っていますよ」


 ノエル、エルス、リーナ、そして離れているジアン、ルセを見渡した。


「ほら先生、ご自分で確かめて納得したでしょう?どうしますか?」

「………は、はい。決めました」


 またエルスが何か言っていたな。


「カ、カイト」

「はい」

「わ、私をも、貰ってくれないか!」

「っ!」


 まさかの先生からプロポーズかよ!


「さぁカイト。女性から言ったのですからまさか、断る何て言わないでしょう?」


 エルスの奴が笑みを浮かべながらたたみ掛けてきたよ、全く。そうできない様に仕向けた癖になぁ。


「先生、分かりました。先生をお嫁さんにします」

「あ、ありがとう、よ、よろしく頼む」


 先生は更に顔を赤らめてしまった。そして、周りの人達が拍手喝采をしてきた。

 まぁこんな所でやってればそうなるわな。


「そ、それと、これはプロポーズでは無いですから」

「えっ!?」

「お、俺が成人したらちゃんと言いますから。それは3人にも同じ事ですので」


 先生は一瞬だが、血の気が引いたらしく、続きを聞いてまた顔を赤らめてしまった。3人はうんうん、と頷いていた。


 そして一通り皆の感想を言っていたが、王妃様が『私も、カイト君に褒めて貰いたい!』と言って、エルスに止められそうになっていたが、何やら王妃様がエルスに耳打ちをして、エルスがすんなり大人しくなってしまい、俺は王妃様を仕方なしに褒め殺し、王妃様はかなり喜んでいた。


 因みに、セリカ姉ちゃんは毛先近くで結んだ髪型に胸元両肩出しの足元までの左側にスリットが入ったパープルドレスにショールを羽織、足元は同じ色のヒールを履いて、イヤリングとアクセサリーを身に付けて軽く化粧もしていた。やはり、セリカ姉ちゃんは結構デカかった。


 ルセはヘッドドレスを身に付けただけの髪型に、肩までの袖付きのリボンとフリルが少し施されている膝上までのピンクドレスに、足元も同じ色のヒールを履いて、首元にアクセサリーのみを身に付け軽く化粧もしていた。因みに、ルセも胸が結構あった。


 そしてパーティーの始まる時間になり、王妃様、エルス、ジェイド兄ちゃん、セリカ姉ちゃん、ナリア先生は先に会場の迎賓館に向かった。

 アルフさんは俺達と一緒に会場まで行ってくれるらしい。

 その時にアルフさんが説明してくれた。


 先に陛下から、パーティーの開始の言葉がありそれから、主役である俺達代表者が一人一人、入場すると言うのだ。


 リーナが『どうせだから、パートナー同士で入場しましょう』と言うので、必然的に俺とノエル、リーナ、ジアンとルセになった。

 

 パーティーが始まり俺達代表者が入場する様にと、合図があり先にジアンとルセが入場しようとしたら、またリーナが『ルセ、どうせだから、腕を絡めて行きなさい』とほぼ強引にやらせて2人は顔を赤らめてそのまま入場させた。


 どうやら拍手喝采で出迎えている様だった。


次に俺達の番になり、右側にリーナ、左側にノエルが腕を絡ませてきてから入場した。


 入場した先での光景はほぼ全校生徒が制服姿か正装していると思われる人集りで拍手喝采で迎えてくれていた。俺達代表者が出て来たのは迎賓館の2階から階段を降りて、踊り場の場所で一度代表者全員が集まった。


「それでは皆様、改めて拍手をお願いします!」


 どうやらエルスが進行をしている様だ。この手の事は慣れているだろうからな。そして、グラスを渡された。中身は果実水の様だ。


「それでは皆様、堅苦しいのはここまでで、楽しい一時をお過ごし下さいませ!乾杯!」

「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」


 エルスの掛け声と共に皆一斉にグラスを掲げた。その後は立ち食い形式のビュッフェをしており、生徒達は料理を各自で取り分けて食べ始めていた。 


 俺達代表者も下に降りて、それらしい拓けた場所に着いた。


「さ、流石にこれだけの生徒がいる前は怖ぇ!」

「ハハハッ。まぁ、それが普通の反応だろうな」


 ジアンがビビるのも無理は無いけどな。ジアン、ルセ(お前達)にはこれから恐ろしい事が起きるだろうけどな。


「カイト」

「ん?」


 呼ばれた方を向くとそこには、編み込みアップしてヘッドドレスを身に付けた髪型に、両肩出しの首元はレースになって膝上のレッドドレスに足元は同じ色のヒールを履いて、イヤリングと首元にアクセサリーを身に付けて軽く化粧もしているルカ姉ちゃんがいた。


「ルカ姉ちゃん!と、バルザ隊長!」


 そう、ルカ姉ちゃんの隣にタキシード姿のバルザ隊長がいるのです、何故?


「カイト、久しぶり。そして代表おめでとう」

「あ、ありがとう御座います」


 最後に軽くお辞儀をした。


「あの~どうしてバルザ隊長がルカ姉ちゃんと一緒に?」

「えっ!?あっ、それはリーナ様に言われてな」


 バルザ隊長が苦笑いを浮かべていたよ。どう言う事だ?リーナに聞いても話さないだろうけど、聞いてみるか。ダメ元で。


「リーナ説明を」

「単純な事ですわよカイ。ルカお姉様とバルザ様をくっつけようとしているだけですわよ!」

「単純だけど、詳しく教えて!」 

「それでは。ルカお姉様に今後悪い虫が付かないようにと思って、未だに独り身を貫こうとしているバルザ様に護衛とルカお姉様の旦那様にでもなって貰おうかと思いまして紹介しましたの!」


 ルカ姉ちゃんを護衛してくれるのは有り難いよ?またおかしな奴が来てもイヤだしね。


「ん!それで!」

「結果は見ての通りかと!」

「ちっがっっうー!どうして黙って進めているのさ!そんな重要な事!」

「貴方に心配を掛けたくなくて(ウゥゥ)」 


 クソっ!絶対嘘泣きだぞ!手で目元を隠していて見えないが!


「そ、それでカイト。私達、正式に結婚を前提に付き合うことにしたのよ」

「いや、反対はしないけどさ、いくら何でも、姉ちゃんが公爵様の所で実習してまだ2日しか経っていないよ!まだまだバルザ隊長の事分からないんじゃないの!?」

「そ、それは公爵様が2日間、バルザさんを私の元に居させてくれて話す機会が充分にあって、話している内にバルザさんの優しくたくましい一面を知って、生涯共にするならこの方が良いと思ったのよ」


 いや確かにバルザ隊長はメッチャいい人だよ。俺だって、ひと月近くで知ったけど、それを経ったの2日間で決める事は無いでしょうよ?


「ダメだろうか、カイト。私とルカさんの中を認めてもらえないだろうか?」


 バルザ隊長が真剣な眼差しで俺を見ていた。


「まぁいいですけど、条件があります」

「あぁ、言ってくれ!私に出来る事はするつもりだ!」

「それなら家名に誓ってでも約束を守って貰いますよ」

「分かった! 私、バルザ・ストロノークは必ず約束を守ると誓おう!」


 そう言いながら、バルザ隊長は右拳作り、それを心臓の位置に当てて宣言した。

 まだ条件言って無いんだけどなぁ。


「そ、それじゃあ、条件を言いますね。条件はこの先、ケンカや嬉しいこともあるでしょうけど、決して姉ちゃんより早くに亡くなって悲しませないで下さい。つまり、早々と死ぬなってことです」

「っ!分かった!その約束、必ず守ろう!」

「ありがとう、カイト」


 バルザ隊長は再び右拳を心臓の位置に当てて宣言して、ルカ姉ちゃんは少し涙を流していた。まぁ、嬉し泣きだろう。


 そして二人は俺達の場から、離れて行った。

 次に会ったら、バルザ隊長ではなくバルザ義兄ちゃんって言わないとな。


「やっぱり収まるところに収まるのね」


 リーナの奴、ケロッとしていやがるよ。


 その後、ジアンが腹が減って我慢出来なかったのか料理を取りにルセと一緒に行って、他の生徒に捕まり戻って来ることは無かった。


 俺も小腹が空いたので、ノエル、リーナと一緒に料理を取りに行くと、生徒が道を空けて離れて行った。それはそれでちょっと悲しくなった。


 その後エルス達王族の所に向かい談笑している内に、音楽が鳴り、会場の中心が拓けてダンスをする場が出来た。流石に、誰も先立って踊る人が居ないから、エルスが俺の手を引っ張ってその場でエルスと踊り始めた。ジェイド兄ちゃんとセリカ姉ちゃんに教わっていたから難なく出来た。それからは、次々とジェイド兄ちゃんとセリカ姉ちゃん、ルカ姉ちゃんとバルザ義兄ちゃん達、関係者が出て来て踊り始まった。ジアンとルセは流石に出て来なかった。


 その後は続けて、リーナ、ノエル、ナリア先生と続けて踊った。ナリア先生の時は結構な響めきが起こっていたが無視をして踊った。そして王妃様も俺と踊ると言い出した時に音楽が終わった。王妃様は残念がっていたけど。陛下は何だか諦めた表情を浮かべていた。ごめんなさい陛下!


 その後は、陛下がシメの挨拶をしてパーティーは終わった。

 

 正直疲れて、早く寝たい位だった。眠気を我慢して着替えて、王城の一室を与えられ、一人でフカフカの天幕付きのベッドに寝入った。


※パーティーが終わった後の王と王妃の寝室にて─


「どう思ったラヴィ、()()()()と会って?」

「えぇ、間違いなく陛下(アナタ)が言っていた通りかと。決めてはやはり、アイリと同じ料理を作った事ね」

「やっぱりか。あの子達カイト、ノエル、リーナとそしてエルスはガリアーノとアイリーンと同じ()()()か」

「えぇそうなるわね。エルスは生まれてから1度も私達の事をパパ、ママと呼ばなかったから、もしかしてと思っていたけど。上の子達は普通に呼んでいたのに」

「あぁ。しかも一人ではなく、4()()()()()して来るとは何かあるのだろうかのぅ。ガリアーノとアイリーンはそこまで言ってくれなかったからの」

「いずれ話してくれると良いのだけど」

「その時は、ワシの方から話してみよう。この()()()()()()()()()の事もな。あの子が色濃く受け継いだみたいだしの」

「えぇそうね。 ところで話は変わるのだけど、アナタ、エルスを邪険にしたそうじゃ無い?」

「っ!? ど、何処で!?はっ!エルスか! ま、待て話せば分かる!」

「今の内政が落ち着いているのはあの子のおかげなのに、それを邪険にするなんて、問答無用です!」


 その後、王様は王妃様にお仕置きを朝までされました。


※王城でパーティーが終わった頃、とある場所にて─


「おい、準備の方はどうだ?」

「問題ない。()()()()()までには充分間に合う」

「タイミングは間違えるなよ!“約束の日”に()()()()()()()()()()が“その場に居る”と()()は阻止されるからな」

「あぁ、それこそ“あの二人が居る場所”に()()()()()()()()の“剣聖”と“魔導師”は()()の様に辿って貰わなくてわな!」

「…………」

「どうした、何か不満があるのか?」

「……………いや」

「ひゃひゃひゃ。きっと剣聖と殺し合えなくて(やり合えなくて)旦那は拗ねているんだよ!ひゃひゃひゃ」

「…………」

「そうは言っても、()()()()()のためだ、諦めろ」

「ひゃひゃひゃ。あっ、そうだ旦那」

「…………なんだ」

「旦那と()()()()を使っているガキが居たぜ!」

「ほう!()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()はずなんだけどな。()()()()、鍛冶に長けたドワーフがまだ生きていたのか?」

「それは知らねぇよ。まぁ、今回の計画の場所にそのガキが居るわけじゃ無いけどな。ひゃひゃひゃ」

「いや、それを聞けただけで収穫だ」

「それより、計画の場所と日時は皆、覚えているな!」

「あぁ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「あぁ、その通りだ。では各自引き続き進めてくれ。()()()()()()()の為に!」


 黒いローブを身に纏った者達が暗躍していた。


読んで下さりありがとう御座います。

本日もう1話、閑話を投稿します。お昼位に。


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