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家族で異世界転生~そして、少年は~  作者: 長谷川
第2章 再会、そして~
18/111

2ー4話

 ノエルといつもの森から王都に向かい、南門に着いた。


 門兵のダリウスさんが俺達の制服姿を見ると、驚きと共に納得もした表情を浮かべていた。 ダリウスさんに挨拶をして王都に入った。


 料金は貴族、ギルド、商人、学生達など一部の人達からは取らないとのことだった。


 学園に向かう途中で、同じ色の男女の学生二人組を見かけ、念のためこの二人組の強さを参考に、同じ位の強さにしようと鑑定を使ってみた。


 どこに鑑定スキル持ちがいて、強さがばれるといけないからな。


 余り見ていると怪しまれるため、ささっと確認をしてそれをノエルにも教えた。


 ノエルに他の二人の眷属のことを話、その時に感じた気配のことを話して試してみたら『誰かに視られている感じがする』と話していた。


 どうやら偶々(たまたま)こちらに気付いた訳ではなかったことが分かった。


 学園に入ると案内板があり、入学式はこの場所でやります、とゆうような印が付いていた。


 その場所は屋内運動場と言えば良いだろう。


 入り口に案内板がありよく見ると、席順のようで、そこには今年の入学生の数も書かれてた。その数300名。


 在校生や職員達なども含めても、まだ余裕のある位の広さだ。


 席順の方を確認するとどうやら、壇上から数えたら6列目、在校生の通行スペースを開けて前の位置みたいだ。


 中に入ると、それなりに席が埋まっていたので俺達もさっさと席に向かった。


 席はクラスごとに別れていたので、空いてる好きな席に座った。


 その時に、15歳になって大人の女性のようにキレイになったルカ姉ちゃんを見かけ、あちらも気付いて手を振ってきたから振り返した。


※※※


 しばらくして、入学生も含めて全校生徒が集まり、入学式が始まった。


 式は順調に進んでいき、進行役の教員が次に新入生首席代表の挨拶と言い、代表者の名前を告げた。


「次に、新入生首席代表。 エルスティーナ・グラン・ド・グラキアス王女殿下」

「はい!」


 返事をして壇上に上がったのは、合格発表を見に来たときに見た人だった。


 あの人が姫様だったのか。 と思っていたらノエルが感想を述べた。


 その間、姫様は挨拶を始めた。


「可愛いい人だね~」

「そうだ…………ね…………」


 あれ…………ちょっと待てよ………姫…………様……………あ……………れ…………眷属の…………気配…………たしか…………あの時、あの二人は……………それじゃ…………あれは、優斗兄にい優菜姉ねえのどちらかだ!


 と言うより、なんかこっちを見てる?…………………………いや、見てる!………………………ガッツリ見ているよ~~~~~~~~えっ!何で、俺だけに固定しているの?しかも笑みを浮かべてるよ~!


「───以上で新入生代表の挨拶とさせていただきます。新入生代表、エルスティーナ・グラン・ド・グラキアス」


 姫様の挨拶が終わってしまった。


 どちらかだよな~………………会うの怖いな~。


 しかも、片方は(もと)兄だよ、かなり複雑過ぎる。


 ノエルにその話をするか、とそちらの方を見ると隣になった女子生徒と話していた。


 あれ?……………さっき参考にした二人組の片方だ。


「次に、サナア学園長から祝いの言葉を贈ります」


 俺が色々思っていても、進行役の教員は続けていた。


「新入生諸君、入学おめでとう。 長く話はしない。 私の師匠が言っていた言葉がある。 ひとつ、自分は強いと自惚れて弱い者を侮っていると痛い目にあう、とのことだ。 ふたつめは、私から忠告しよう、余計なことをしてトラブルを起こすことのないように。 以上」


 壇上から降りていった、サナア学園長は終始、俺の方を見ていた気がする。 気のせいだよな?


 その後は、滞りなく式は終わり各クラスごとに教室に向かった。


 その途中で俺はノエルが式の間に仲良くなった女子生徒と一緒にいた男子生徒と軽く挨拶を交わした。


 名前は女子生徒がピンク色のショートヘアでしっかり者がルセ、男子生徒が短髪のオレンジ髪でやんちゃ者がジアンと言う。


 どちらも同じターズ村で幼馴染みだそうだ。


 教室に着くと黒板に席順が貼られていた。


 確認するとEクラスは24名で教壇からみて縦列6、横列4の俺の席は一番後ろの後列だった。


 それぞれが確認し席に着いて間もなく、真っ赤な髪をポニーテールにできる位の長さに、モデルのような顔立ちと長身の体型に赤と白を基調とした服装を着た女性が入ってきた。


「初めまして、諸君。私の名はナリア・ヤハウェ。 ここの教員をしている。 これから6年間のあいだお前達の担任になる、よろしく。 では、成績順に前の方から簡単に自己紹介をしてもらう」


 俺から見て左前から右の順に自己紹介を始めていった。


※※※


 しばらくして次に、仲良くなったジアンが席を立ち自己紹介を始めた。


「はじめまして。俺はターズ村から来ました、ジアンと言います。 魔法は火魔法が使えますが、剣が得意です。よろしく」


 ジアンは席に座り、次にルセが席を立ち自己紹介を始めた。


「皆さん、はじめまして。 私はルセと言います。 隣にいるジアンと同じ村から来ました。 魔法は回復魔法と水魔法が使えます。 武器は弓が得意です。 よろしくお願いします」


 ルセは最後にお辞儀をして席に座った。


 次が俺の番である。


「皆さん、はじめまして。 僕の名前はカイトと言います。 アデル村から来ました。 魔法は風魔法が使えます。 武器は剣を使います。 よろしくお願いします」


 俺が軽く頭を下げて上げた時、ナリア先生の顔が視界に入った時、鋭い目つきに変わっていたような気がする。 気のせいだろうな?


 俺が席に座り、最後にノエルの自己紹介になった。


「皆さん、はじめまして。 私の名前はノエルと言います。 カイトくんと同じ村から来ました。 武器は短剣が使えますが、光魔法が得意です。 6年間よろしくお願いします」


 ノエルもお辞儀をした。


 ただ、ナリア先生の目つきが鋭い感じがした。


 俺たちの自己紹介が終わりナリア先生が話し始めた。


「次に君たちにこれを渡す」


 そう言い放ち、一番前の列の人達に後ろにまわすように、という感じに何かを渡していた。


 まわってきた物は、大人の親指の爪位の大きさの丸型のバッジだった。中心に“Ⅰ”となっていた。

 

「それは君たちの学年を示すものだ。 胸の襟元に付けておくように。本日はこれでお終いだが、私からひとつ、入学おめでとう」


 全員に渡ったのを確認して、ナリア先生が説明をして、最後に俺たちも返事をして、その日の学園生活が終わった。


 ジアンとルセが剣や魔法の腕を磨きたいと話していたので、それなら冒険者ギルドに登録しに行き、次いでにお金も稼げばとの提案をしてそれなら共に行かないかと話になり、俺達が案内をするからと申し出て行くことになった。


「なぁカイト、お前達の村って結構近いのか?」

「ここ王都から南に馬車で三日は掛かるよ。 何で?」

「いや、俺達よりも王都に詳しいから、頻繁に来ている距離にあるのかと思って」

「えっ?」

「俺達のターズ村も馬車で三日は掛かるし、子ども達だけでこれないから、大人の人達か行商人の人達に、試験や今回も乗せてもらって来たから」

「あぁ~~、それなら()()()()()()()()()()()()()()()()()に頼んで連れて来てもらっていたから」

「ふ~ん、そうなんだ」

「そうそう」


 あっぶね~、誤魔化しとかないと、それに()は言っていないし。


 それにしても、ターズ村か~。 確か王都から東の方角だったはずあの近くにも行っていたような気がしたな~


 その後、俺達は一度寮に向かった。


 寮は学園から出てすぐの距離にあるので着替えてから行こうかとなった。


 寮母さんに挨拶をして部屋のカギをもらって部屋に向かった。


 部屋は六畳間もあり一人一室となっていた。


 俺はマジックバッグから動きやすい服装を取り出しさっさと着替えて寮の前で他の皆を待って、そのあと皆が来てからギルドに向かった。その間は他愛ない話をしていた。


 ギルドに着くと、俺、ノエル、ジアン、ルセの順に入った。


 俺が中に入ると、空気が変わった感じがした。 何だかピリピリ仕始めていた。


 中にいた冒険者達は例のごとく誰が入ってきたか見てきた。


 俺が周りを見ると、まだ昼前の時間から飲んだくれが数人がいた。 その中に見たことないのが何人かいた。


 ジアンとルセが初めてのこともあり少したじろいていたが、俺は気にせずにちょうど空いていたロールさんの受付に向かい、そのあとにジアン達が続いた。


「ロールさん、こんにちは」

「こんにちは、カイトくん、ノエルちゃん、今日から学生でしたね。おめでとうございます。それで今日はどうしました?」

「実は友達の付き添いでして」


 そう言い、後ろにいる二人を見ると、二人は前に出てきた。


「こんにちは。今日は俺と彼女の登録をしにきました」

「こんにちは」

「はい、こんにちは。ではこちらの用紙に記入をお願いします」


 その説明を聞いて二人が記入を仕始めたので、俺は何かアイツらか俺達にお手頃の依頼がないかと、ノエルと共に掲示板に見に行った。


 その際に、依頼を見ていた俺達を知らない酔っていた冒険者が何やら愚痴っている。


「ヒック………ちっ、ここはいつから、ヒック…………ガキの遊び場に、ヒック………なったんだ…………ヒック…………」

「おい、そんなこと言うんじゃね!あの子に聞かれたらヤバイんだぞ!」

「あぁ?ヒック…………何をそんなに…………ヒック…………びびっているんだ………ヒック………」

「いいから、あの子達に関わるな!」


 まぁ、本当に俺達に絡んで来なければ何もしないけどね。


 そう思っていたら、ジアンとルセがこちらに来ていた。


「カイト、気のせいかも知れないけどなんかピリピリしないか?いつもここはこんな感じなのか?」

「多分、違うと思うけど気にするな。 それよりこの後どうするんだ?」

「何か俺達でできる依頼を受けようかと」

「登録したてだし、最初はコレなんてどうだ?」


 俺が掲示板の依頼書に指をさしたのは、ゴブリン討伐の依頼を提案した。


「う~ん、ゴブリン?」

「そっ。無難だろ。 ルセはどうだ?」

「うん、それが良いよ。 それにノエルちゃん達も来るんでしょ?」

「うん、どうせこのあと何か依頼を受けようかな、と思っていた位だし大丈夫だよ、ルセちゃん」

「分かったよ。 ルセもそう言っているしこれにするよ、カイト」

「あぁ、そうしろ。 さぁこの依頼書を持って受付に行ってこい」


 俺は、ジアンとルセに初めて依頼の仕方をさせるべく二人に行かせた。


 二人が受付に行っている間もどんな依頼があるか見ていたら、また冒険者達が騒いでいた。


「ヒック…………いや、俺は………ヒック………やるぞ!」

「いやいやいや!だから、やめろって言ってるだろ!」

「あ~ヒック……………俺は…………ヒック…………やるったら…………ヒック…………やるぞ!」

「だから、やめろって!」


 おいおい、本当に絡んでくるなよ。揉め事はゴメンだぞ。


「お待たせ~。さぁ、行こうぜ!」


 そう思っていたら、ジアン達が受付を済まして戻って来ていた。


「あぁ、行こう」「おい!ガキ共!」


 先ほどの酔っ払いが絡んで来やがった。


「あぁ~。あいつ、終わったな」

「残念だが、お前の仲間は死んだな」

「えっ?」


 アイツら。そっちでそんなことを言う前にちゃんと止めろよな。ギルド内で揉め事はマズイんだぞ。 ったく。


「ヒック…………いいか、ガキ共…………ヒック……………ここはなヒック…………ガキ共の…………ヒック………遊び場じゃ…………ヒック…………ないんだぜ!…………ヒック」


 あぁあぁ、ジアンとルセがびびっているじゃないか。 こいつ、ダメだな。 こいつはシメることにするか。


「あの~。 なるべくお酒は控えた方が良いですよ?」

「あぁ!…………ヒック…………ガキに…………ヒック……………酒の云々(うんぬん)を…………ヒック…………言われたか…………ヒック…………ないぜ…………ヒック」


 その冒険者が注意した俺に手を出してきたので、正当防衛と言う名の見せしめをした。


 俺は冒険者の腕を掴み、その腕を冒険者の背中に掴みながら回した。


「いっ!いってぇー!離しやがれ小僧!」

「何を言っているんですか? 先に手を出してきたのはアナタですよ?」

「ぐぅっ、あぁ、俺が悪かったよ。 だから離してくれ」

「仕方ないですね」


 俺が冒険者の腕を離してやった。


「ぐぅっ、いってぇー。このガキ調子に乗るんじゃねぇ!」


 冒険者が凝りもせずに殴りかかってきた。


 はぁ~本当疲れるな。


 面倒になってきたから速攻で、冒険者の攻撃を躱して顔面に殺さない程度に抑えて思いっきりぶん殴った。


 その冒険者を、一緒に飲んでいた仲間の方にそのまま飛ばした。


「お、おい!大丈夫か!?生きてるか!?」

「あぁあ、言わんこっちゃない」

「何なんだ!?あの子どもは!?」


 俺達に絡んできた冒険者の仲間達が騒ぎ出して、俺のことを知っている他の冒険者が説明をしていた。

 

「さぁ、行くぞ!」

「───あ、ああ」

「───う、うん」

「そだね~」


 そのあとは気にせず、驚きや信じられないものでも見たような表情のジアンとルセに声をかけた。


「ちょっと待って下さい」


 ジアン達に行こうと促したとき、受付の方からロールさんが来ていた。


「カイトくん、ちょっと待って下さい」

「何ですか?ロールさん」


 少しイライラしていたから、口調が荒々しかった。


「いえ、今回も止められずすみませんでした。 あの人たちにはギルマスに報告して少し説教してもらいますから」

「本当にお願いしますよ。 事あるごとに絡まれたら、たまったもんじゃ無いですから」

「本当にごめんなさいね。あと、依頼の方頑張って下さい」

「はい。行って来ます」


 俺達はギルドをあとにしてゴブリン討伐に向かった。


※そのあとのギルド内ではカイトの話で持ちきりだった。


「あの子どもは一体何なんだ!?」

「あの子はな、このギルドでギルマスに匹敵、もしくは上なんじゃないかと言われているほどの実力者なんだよ」

「本当か!?」

「あぁ、本当だ。 なんせ今回みたくあの子に絡んで行った奴がいたんだが、そこの奴よりも上の実力でAクラスだったんだぞ。 それを今回みたく瞬殺だ」

「……………………」

「だから、このギルド内ではあの子に絡んだり逆らったりしないことだ。 ギルマスも以前そのことであの子に話をしたらしいがあっさり解放したんだ。 ギルマスがほぼ黙認する位だからな。 ちなみにだが、あの子の通り名は鬼神だ」

「まさに、ぴったりの通り名だな」

「あぁ、そうだろ。 だがな、あの子は嫌がっているから気を付けろよ。 それとな、もう一人髪を結んでいた藍色の女の子も気を付けろよ」

「何で?」

「あの子もそうとうの実力者だぞ。 鬼神といつも一緒に居るからな。 あの子の通り名は神童だ。」

「っ!分かった、今後は気を付けるよ」


 そんな事実をカイトが知るのはもう少し後の話だった。


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