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家族で異世界転生~そして、少年は~  作者: 長谷川
第2章 再会、そして~
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2章 1話

 ジェイド兄ちゃんとセリカ姉ちゃんとの修業を終え、二人が王都に戻った日の翌日、俺とノエルは王都の近くの森に魔法・通門ゲートで来ていた。


 学園の試験まであと6日もあるが、今日は俺が10歳になり、やっとギルドで登録が出来るようになったからだ。


 ノエルも今回一緒に登録するつもりだ。 ノエルの方が先に10歳になっていたけど、一緒がいい、と言うもんだから俺が登録出来るまで待っていたのだ。


 俺とノエルはそのまま王都の中に入ってもよかったが、いきなり何も無い場所から人が現れて騒ぎになってしまうからだ。ましてやあの二人が居ないから尚更だ。


 俺とノエルは森に出た足で、王都の中に入るための城門に向かった。徒歩で20分位の距離を歩いた。


 少しして、15mの高さがある塀に8mの城門が見えてきて、よく見ると、たまに王都に来たときに見た光景があった。


 城門の所に詰め所と門兵が二人居る。


 そして中に入るための人達、馬車をひいた行商人や旅人、観光客やらの列が出来ていた。俺達もその列に加わった。


 しばらくして、俺達の番になった。


 そこに居た門兵の二人の内一人とは顔なじみであった。


 その門兵の人は40代前半で茶髪のショートヘアーに少しシワがある精悍な顔立ちに背格好は170cm位に細身の体型に胸、腕、足元に軽めの鉄製の鎧を着ていた。 名前はダリウスと言っていた。


「次の人………………おっ!カイト君にノエルちゃんじゃないか!」

「「こんにちは。 お疲れ様です」」

「あぁ、こんにちは。……………ジェイド様とセリカ様から話は聞いたよ。 ひとまず、修業の方はひと区切りついたって」

「はい。 おかげ様で」

「そうか。 それで、今日はどうしたんだい?」

「今日は、ギルドに冒険者登録しようかと思い来ました」

「そうか、もうそんな年になったんだね。 頑張ってきなさい。それじゃあ、いつもみたく、入場に一人、銀貨一枚、二人だから銀貨二枚をもらうよ?」


 俺は、自身の腰に付けたマジックバッグから銀貨二枚をダリウスに渡した。


「はい。銀貨二枚」

「はい。ちょうどだね。どうぞ」


 俺達は、そのまま王都に入った。


※※※


 二人が入ったあとの門では、ダリウスの他にもう一人の門兵がダリウスに聞いていた。


「ダリウスさん、随分とさっきの子供達と親しかったですね?」

「あぁ。 お前も聞いたことないか? ジェイド様とセリカ様の噂を」

「はい、訓練していたときに。確か…………ジェイド様とセリカ様の厳しい教えに付いてこれる子供達が居る? でしたっけ? そんな嘘くさい話」

「間違ってはいないぞ」

「えっ?」

「お前、最近ジェイド様が訓練のとき何だか、いつもより、いきいきしていたのを、感じてたか?」

「はい、それは。それとさっきの子供達が何か?」

「あの子達だよ。ジェイド様とセリカ様の教えに付いていった子供達って言うのは」

「えっ?」

「ジェイド様とセリカ様とたまに王都に来ていたし、ジェイド様とセリカ様から直接聞いたからな」

「えっ? そしたら、まさか? もう一つの噂も?」

「あぁ。 ジェイド様とセリカ様の正真正銘の弟子で、茶髪の子はこの国でジェイド様に次ぐ強さを持っている。 そして、ジェイド様が言っていた、『いずれ近いうち俺を追い越してこの世界で最強になる』と、それと、『そうなったら、俺は挑戦者になって全力で戦ってみたい』と」


そんな話を二人はしていた。


※※※


 この世界でのお金は共通して硬貨になっている。


 価値は、安値が銅貨から始まり銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、王金貨と高値になり

銅貨=1枚=100円


銀貨=1枚=1千円


大銀貨=1枚=1万円


金貨=1枚=10万円


大金貨=1枚=100万円


王金貨=1枚=1000万円


となっている。


 俺達はダリウスさんに今回初めて入場料を払い王都に入った。


 いつもジェイド兄ちゃん達に払ってもらっていたからだ。


 王都は直径5㎞の円形になっており、中心地に高さ40m、横長500mの王城があり、人口は15万人ほど。


 王城を中心に北に貴族街、東に商業地区、南に住宅街、西に学業地区になっており、それぞれに北門、東門、西門、南門があり、俺達が入って来たのは南門からだ。


 冒険者ギルドがあるのは東の商業地区にある。


 俺とノエルは、ジェイド兄ちゃんとセリカ姉ちゃんと共に修業の息抜きに、たまに王都に来ていたから冒険者ギルドの場所は知っていたけど中には入ったことがなかった。


 冒険者ギルドは木造の二階建てになっている。


 俺達はギルドに入ると、中には少しガラの悪そうな冒険者が数名が食堂も兼ねているらしく、昼間から酒を飲んでいた。


 そんな冒険者達は入って来た俺達を一目ひとめ確認してから、また酒を飲み始めた。


 俺はそれを確認してから、ギルドの受付が三カ所あり空いてた受付を見つけ近付いた。


 受付に居た人は肩まであるオレンジ髪を一結びにして、見た目はまだ少女のような幼い顔立ちをして、大体10代半ば位に見えた。


「こんにちは。 本日は、どう言った御用でしょうか?」


 俺達を確認して声を掛けてくれた声も幼かった。 見たままかよ!


「あっ、はい。冒険者登録をお願いします」

「2名様でよろしいですね?」

「はい」

「では、こちらの用紙に必要事項を書いて下さい」


 そう言って用紙を渡してきた。


 その用紙を見ると、名前、年齢、戦闘スタイル、得意又は使用魔法属性とレベルが記載されていた。


 俺は、名前と年齢を書き、戦闘スタイルは、片手剣の前衛、得意魔法属性は、風と無属性Lv2と書き受付の人に渡した。


 ノエルと話し合い属性Lvは2で通そうと話した。


「はい、ありがとうございます。……………まずは…………カイト君ですね。…………10歳の片手剣の前衛で…………………魔法は風と無属性が使える。で、間違い無いですね?」

「はい」


 受付の人は俺が渡した用紙を見ながら確認をしてきて、返事をした。 分かりました、と言わんばかりに頷いた。


「はい、次は…………ノエルちゃんですね…………同じく10歳で短剣の後衛ですね…………魔法は火と水と光と無属性ですね。4属性も使えるなんてすごいですね~。……………これで間違い無いですね?」

「は~い」


 次に、ノエルが渡した用紙を受け取り、見ながらノエルに確認した。


 受付の人は又、同じく分かりました、と頷いた。


「はい、こちら私達、受付が他の冒険者がパーティーを組む際におすすめする為に私達が見て説明をする他は開示もしませんので安心して下さい。 また、属性Lvが上がりましたらお知らせ下さい。 では次に登録を致しますのでステータスカードを提示して下さい」


 俺達は数値など隠蔽したカードを差しだし受付の人は受け取り奥に引っ込んでいった。


 俺が見たその人の背格好は白のシャツに赤のネクタイに藍色のベストに膝上までのタイトスカート、足首までの黒のヒールが高いブーツ、それのおかげか、150cm位あり何より目を見張るのが服の上からでも分かるほどの巨乳の細身の体型をしていた。


「では、まずカードを確認して冒険者、ランクの名前があるか確認して下さい」


 しばらくして、受付の人は戻ってきて、俺達にカードを返してくれた。


 俺達はそれぞれにカードを確認して冒険者、Fランク、と名前が追加されていた。 それを確認した受付の人は続けて話した。


「はい、確認できましたね。…………まず、私は受付を担当してます、ロールと言います、以後よろしくお願いします。」


 俺達は頷きで返事をした。


「では次に、ランクの説明をします。 ランクは最高でSSランク、次にSランク、A、B、C、D、E、Fランク、があります。 まず、Fランクから。 Fランクは冒険者登録をした人、皆さんが最初になるランクです。 Fランクの依頼受注範囲は、薬草の採取、素材集め、スライム、ゴブリン、コボルトなどの低レベルの魔物の討伐になります。 次に、Eランクですが、Fランク範囲に王都内の配達、ベアー、ビー、ウルフなどの少し強い魔物の討伐となります。 次に、DランクはEランクまでの範囲に王都の近隣までの配達に、オーク、オーガなどの強い魔物の討伐となります。 次に、CランクですがCランクからは、バジリスクやドラゴンなどの危険な魔物を除いた他は特に制限がなく、自分のレベルに会った魔物の討伐をおすすめします。 次の、Bランクですが、Bランクからは指名を受けられます。 但し、指名を受け、失敗をしますとペナルティーが発生します」

「すみません。 そのペナルティーって具体的にどうなるんですか?」


 俺はそこまで大人しく聞いていたが、ペナルティーの話が聞きたくて質問した。


「はい。例えばですね……………ヒドいので、護衛の依頼で隣町までの護衛を途中で投げ出した冒険者に対し大金貨5枚の罰金に2ランクダウンにいつになるか分かりませんがギルマスから許可が出ないとランクアップは出ませんね」

「分かりました」


 それを聞いた俺は決心した。 必要なランクはCランクまででやめておこう、と。


「はい、では続けますね。 それに加え危険な魔物の討伐が一部受けられます。 次にAランクですが基本的にBランクと変わりませんが危険な依頼が優先的に受けられます。 次のSランクですが、又、Aランクと変わりませんね。 ただ、現在、世界に10人しかおらず、指名をするには値段がかなり高くなります。最後にですが、SSランクですが、SSランクは現在二人しかいません。 一人は現在、この世界で一番最強と言われています、かの剣聖ジェイド様です。 もう一人はジェイド様の師匠と言われています、ガリアーノ様です。 ですが現在、行方不明なので実質一人ですね。 このランクはSランクでも討伐できない魔物や魔獣が国、又は世界に危険を及ぼすときにほぼ強制的に動かされます。 基本的に人を越えた力の持ち主とされていますね」


 そこまでの説明を聞き、改めてジェイド兄ちゃんの凄さを感じた反面、その人に修業を付けて貰い、くらいつけるほどの強さを得た俺もけっこうヤバイと思った。


 試験ではかなり力を抜かないといけないと、決心した。


「次ですが、ランクアップの説明をします」


 ロールは俺達の頷きを確認してから話し始めた。


「ランクを上げるには、必要数の依頼と一定の条件をこなす必要があります。 その必要数ですが機密でこちらからランクアップさせても大丈夫だと判断しましたらお知らせします。 また、ランクアップは通常一度に一つしか上がりませんが、特例として二つ三つ上げるときがございますただ、Sランクに上がる際はAランクの冒険者が3名のギルマスから推薦状と一定の条件が必要になります。 更に上のSSランクは、6名のギルマスから推薦状とどの国からでも良いので王様からの推薦状でランクアップとなります。 ただ、当ギルドはもう一つ、FランクからEランクに上がる際に、受付嬢、今回は私ですが、私にEランクに上げる権限が与えられています。 一つ上のランクで討伐対象の魔物を討伐した素材や討伐の証がありましたら、上げられます。 こちらも機密で必要数と条件があります」


 それを聞き俺とノエルはそれぞれの腰に付いたマジックバッグから、村の近くの森で討伐したウルフの毛皮をそれぞれ10枚出した。


「っ!?……………はい、確認します」


 どうやら、俺達が持ってもいないと思いすぐに出したのが信じられなかったのか、驚き、すぐに毛皮の確認をした。


「はい、確かに。毛皮もキレイに剥ぎ取られていますし状態も良いですね。それに…………はい、私の権限でEランクにアップです」


 毛皮の確認をして、ロールは俺とノエルを上から下まで見てからそう言った。


「マジか!?」

「あの、ロールちゃんが!?」

「あっさり、ランクアップさせただと!?」

「信じられねぇ~」


 それに聞き耳を立てていた、酒を飲んでいた冒険者達がそんなことを言っていた。


 こっちにまで聞こえていた。


「おめでとうございます。 では、またカードを提示して下さい、更新してきますので、それとこの毛皮はこちらで引き取りますね」


 それを無視するようにロールは続けた。


 俺達はカードを渡し、ロールが奥に引っ込んでいった。


 それを見計らって、聞き耳を立てていたであろう、酒を飲んでいた冒険者の一人が近付いて来た。


 背格好は筋骨隆々の180cmはあろう体格にスキンヘッドに堀が深い目が特徴のコワい顔立ちにピチピチの赤のタンクトップにベージュのズボンに脛まである茶色のブーツを履いた人物だった。


「おい、小僧!いいか!一つ注意をしておく! 我らが背が低いけど靴で高く見せたい、大人らしく見られたいけど顔は幼い、そんな怒った顔もかわいい、胸は巨乳、こう見えてももう21歳、現在彼氏募集中の我らがアイドル!ロールちゃん!に認められたからっていい気になるなよ!」


 ご丁寧に説明してくれた中で1番以外なのは、あの人が21歳の歳だったことだ。


「ゴメスさん!!人がいないときになにを言っているんですか!!」


 冒険者が言い終わったときにロールさんが戻ってきていたが、聞いていたのであろう、顔が赤らんでいた。


「ご、ごめんよ~ロールちゃん~。俺はただロールちゃんの素晴らしさを~」

「言い訳は結構です!!反省して下さい!!」

「わ、分かったよ~。反省するから~」

「なら、私が許可するまでしばらくお酒はダメです!笑っている皆さんもですよ!」


 ゴメスと呼ばれた人は青ざめながら、ロールに説教を受け、それを見ていた他の冒険者達は笑っていたが、自分たちにも飛び火して青ざめていた。


「そんな~ロールちゃん~。俺達は関係ないだろう?」

「ゴメスさんを止めなかった罰です!それがイヤならしばらく私は皆さんが依頼を受けるときに受付はしませんから!」

「そんな~」


 そんな選択を迫られて、結局、食堂で酒を飲んでいた冒険者達は、ロールさんに受付をして欲しいと選んだ様だ。


「はい、カイト君、ノエルちゃん」


 そう言って俺達に、カードとウルフの毛皮を換金した分の硬貨、銀貨一枚づつを渡してきた。


「改めて、Eランクアップおめでとう、二人共!」

「「ありがとうございます」」

「これから、どうする?何か依頼をしていく?」

「いえ、今日は帰ります。 ところで素材の換金ってここでしか出来ないのですか?」

「いえ、ギルド系列の商業施設がありますので、そちらでも換金が可能ですよ」

「はい、分かりました。ありがとうございます」


 俺達はロールさんに挨拶をして、ギルドをあとにした。


 その後は、学園を観に行き、その日は王都の中を散策した。

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