1ー7話
俺が、30日で一ヶ月、10ヶ月で一年のこの世界で、俺達がジェイド兄ちゃん達との修業を始めてから、ひと月経った頃に俺は違和感を感じた。
俺がジェイド兄ちゃんと剣術の修業でいつものように、打ち合っていたら今までより急に躰が軽い感じがして、その日の修業が終わってから一人で部屋に戻り、久しぶりにステータスカードを視てみるか、っと思って視たら、
【カイトのステータス】
名前 カイト 7歳 男 Lv 10
種族 人族
職業 (転生者)宿屋の家事手伝い 駆け出しの創造神見習い 剣士見習い 魔法使い見習い
体力 220┃250
魔力 115┃150
筋力 200
守備力 180
魔法力 150
魔法耐性 200
知力 80
素早さ 170
運 40
スキル (隠蔽Lv2)鑑定Lv1 剣術Lv1 火属性Lv1 水属性Lv1 創造神の御業【神力Lv1 神力付与Lv1 神力経験値アップ【小】眷属の加護【小】神格化】
おかしくなっていた。なんか怪しい名前があった。
そんな怪しい名前のスキルを調べようとしたら、急に部屋の扉を開けた者がいた。
・・・息をきらしたノエルであった。
息を整えさせてから話を聞くと、ノエルも違和感を感じて自分の部屋に戻って久しぶりに自身のステータスを視ていたらしい。
それで職業欄とスキル欄に新たに名前があって急いで知らせに来たとのこと。
そんな話を聞かされて、ノエルが俺にも視えるようにしてくれた。
【ノエルのステータス】
名前 ノエル 7歳 女 Lv 8
種族 人族
職業 (転生者)村娘 創造神の加護を受けし者 剣士見習い 魔法使い見習い
体力 100┃130
魔力 95┃160
筋力 40
守備力 50
魔法力 60
魔法耐性 60
知力 20
素早さ 30
運 15
スキル (隠蔽Lv2)(鑑定Lv1) 剣術Lv1 火属性Lv1 水属性Lv1 創造神の加護【小】
あぁー。・・・それを視た俺は何も言わず、ノエルに自分のステータスを視えるようにした。
ノエルは俺のステータスを視て何か言いたそうだったが、構わず俺はとりあえず、片っ端に調べていった。
変わらないのが名前、年齢、性別、種族、でLvが少し高い?位か。次に……なんか怖いな……
【駆け出しの創造神見習い・・・先代の創造神の力を授かったけど、まだまだまだまだまだほんの一部しかこの力を使えません。完全には使えません。・・・目覚めたばかりだから。】
おおーい!?なんだよ!?え!?授かった!?力を与えるってそう言うこと!?何なんだよ!あの自称クソ女神は!
「カイくん、神様になっちゃったんだね。だから私の職業欄とスキル欄が増えてたのか~」
ノエルが喜んでいる?ように言っていた。
と言うか、詳細まで他の人も視れるのかよ!?
新たな発見をしつつも、辟易しながら次を調べた。
【剣士見習い・・・剣のみの扱いが卓越している者。修業中】
フムフム、まぁ、妥当だな。次は…
【魔法使い見習い・・・魔法を使うことに卓越している者。修業中】
これも、妥当だな。……体力と魔力はさっきまで修業してたから減っているのは分かるが、さっきの創造神の力なんだろうなぁ~。ノエルと比べるとその他の能力の数値が高いのは……やっぱりこれだろうなぁ~……はぁ~……先に視るか
【創造神の御業】
【神力・・・まだまだまだまだまだ創造神の力は弱いが自身の能力値が上昇する・任意発動型。現在発動中】
【神力付与・・・他のスキルと併用で能力を上げることができる・任意発動型。】
【神力経験値アップ【小】・・・自身の経験値、スキル習得、スキルLvが通常よりかなり多く、早く入手、上昇する・常時発動型】
【眷属への加護【小】・・・現在は自身と同じ転生者に力を与える。但し、まだまだまだまだまだ力の一部しか与えられない。又、眷属に力を与えている為感知可能【範囲極小】•半永久発動型】
【神格化・・・現在発動不可】
やっぱりだったか。
手を額に当て下を向き、ため息をついた。
───何でこうなったかは、あの自称クソ女神に聞かないと分かんないからほっとくか。次だ、次!
【鑑定・・・物の性能、人のステータスを視ることができる。但しLv差による高いLvの隠蔽は見破れない】
【剣術・・・剣の性能、扱いに優れる・常時発動型】
【火属性・・・火の魔法を使える・任意発動型】
【水属性・・・水の魔法を使える・任意発動型】
鑑定か……あとであの二人に使ってみよう。残り三つはまだ教えてもらったばかりだからか?…………
【創造神の加護を受けし者・・・創造神の力の一部を与えられている者。今の創造神はまだまだまだまだまだ力の一部しか使えない】
一通り一緒に視ていたノエルに声をかけ、今度はノエルのを視せて貰い、ノエルが一つの名前を調べ出していた。
やっぱり、俺が関係しているんだろうなぁ~
【創造神の加護【小】・・・創造神から力の一部を与えられていて、自身の能力の上昇、経験値、スキル習得、スキルLvが通常より少し多く、入手、上昇する・創造神からの発動型】
そう思っていたら、俺のを一緒に視てたから同じものは飛ばして、また一つの名前を調べ出していた。
一通り視た俺は、ふと疑問に思った。
「なぁ、ノエル。ノエルに転生者ってなかったの?」
「ううん。あるよ。隠蔽スキルで隠してるよ」
あぁ~なるほど俺と一緒か。
そう思って、また隠蔽スキルでいつ何処の誰かに視られるか分からないから、ノエルにも言ってマズイものは隠した。
俺は発動してた神力を解除にしたら能力値が下がり少し安堵した。
その後その日は、日が暮れるまでノエルと話し込んだ。
その後も、ジェイド兄ちゃん達との修業は続いた。
時々ジェイド兄ちゃんとセリカ姉ちゃんは二人で王都に戻っている。
俺はその日の修業がなくなるとノエルと剣と魔法の修業を二人でしていた。
俺は気になり二人の正体をこっそり鑑定で視てみたら、違和感を感じるほどのステータスだったので、勝手に鑑定したことは内緒で普通に聞いてみたらジェイド兄ちゃんが『俺に手加減されずに一太刀浴びせられたら、教える』って……………いつになるんだよと思った。
そんな時々王都に戻るジェイド兄ちゃんとセリカ姉ちゃんは長くて二カ月も離れていた。
その間も俺はノエルと模擬戦をしたり、村の近くの森で魔物を相手にしていた。
たまにジェイド兄ちゃんとセリカ姉ちゃんに俺とノエルは息抜きに王都に遊びに連れてもらっていた。
そんなことを繰り返しながら、俺達がジェイド兄ちゃん達に修業をつけてもらってから三年目になる頃、俺が10歳になった時だった。
俺とノエルは三年経ってもまだ少年と少女の幼さの顔つきだったが、二人とも身長は137cmの俺はやや筋肉質、ノエルはたぶんスレンダーの体型になった。服装は修業のしやすい格好だ。
「なぁ、カイト。今日は魔力無しの全力でやってみないか?」
「はぁ!?なんだよ、いきなり」
「いや、たまにはカイトの全力を知りたいなと。それに俺に一太刀浴びせられたら俺達の正体を教えるって言っただろ」
その日もいつもみたく木剣での模擬戦をすると思っていたらそんなことを言い出した。
──あぁぁ~………忘れてた。
「分かったよ。じゃあ行くぞ!」
そう言って地面を蹴ってジェイド兄ちゃんに迫り、右手に持った木剣を振り下ろした。
俺の木剣をジェイド兄ちゃんは右手に持った木剣で受け止めて押し返した。
俺は押し返されて距離を開けてしまい、その隙にジェイド兄ちゃんに距離を詰められて、容赦なく一度に五連を打ち込まれた。俺は難なく捌いていき、すかさず反撃をした。
こちらは七連を打ち込むが呆気なく防がれて今度はあちらは十七連を打ち込んできた。俺は十五連までは防いだが二連を防げず受けてしまい片膝をついた。
「くぅっ!………さすがにジェイド兄ちゃんの打ち込みはきついや!」
「どうした、カイト!お前の全力はこんなものか?」
「まだまだ!!」
立ち上がりまた打ち込みにいった。
その後も激しく攻防を繰り返しながら、約20分近く経った頃だろうか、俺は激しく息を乱して木剣を杖代わりにし片膝をついているのに対し、ジェイド兄ちゃんは少し息を乱して立っている。
「カイト、もう終わりか?」
「ハァ、ハァ、ハァ。あぁ、これで最後だよ」
俺は立ち上がり、息を整えていくと片手で持っていた木剣を両手で持ち、躰の正面に持って構えた。
さすがに疲労感もあり余計な力も入らない。
最後に深呼吸をした。ジェイド兄ちゃんはそれまで待ってくれていた。
次の瞬間、俺とジェイド兄ちゃんはすれ違いざまに一発打ち込み、それぞれが立っていた場所辺りに入れ違いに立っていた。
「やるな、カイト」
そう言ってジェイド兄ちゃんは片膝をついた。
「はぁ~、疲れた~」
俺はそう言って座りこんだ。俺はさっきの瞬間を思い出した。
最後の瞬間、ジェイド兄ちゃんが先に仕掛けてき、俺がなぎ払い腹に一撃打ち込んだ。
「お疲れさん。良い一撃だったぞ。見事だった、カイト」
ジェイド兄ちゃんは何ごともなかったように俺に近づいて手を差し伸べてき、俺はその手をつかみ立ち上がった。
「へへ、ありがとう」
「約束通り俺達のことを話すか。っとその前に」
そう言ったジェイド兄ちゃんはノエルとセリカ姉ちゃんの方を見て、セリカ姉ちゃんは頷いていた。