だれか来た
「できた~!」
ホムンクルスのポチことレティと出会って一緒に住むようになってから、生活が一転する。
もともとここに住んでいたので、レティが小屋の中のことをアドバイスしてくれて住みやすくなった。
余裕が出てきた私はもともと興味があった錬金術にも手を出してみたくなったのだ。
おばあちゃんの残してくれたレシピを見ながら、分からないことはレティに聞く。
もともと材料集めはレティの仕事だったらしく、集めてもらったものを使い、試行錯誤でやってみたらなんとかなるもんである。
完璧なものはムリだけど、なんとなくそれらしい物が作れちゃうから不思議だ。
錬金術師の適正あるのかも。
「ちょっと違うンんだよな。サキが作るとなんか変な余計な効果があるって。」
「え~、そんなのわかんないよ。おばあちゃんのとそっくりだって。」
今日試したのは、魔獣除けのお札。
聞いたところによると、この小屋の周辺5キロはおばあちゃんの結界に守られて、生物が入れないようになっているらしい。
周りの森には強力な魔獣や害悪な生き物が生息していて、結界の外に行く時には森の生き物が近寄れないようにする魔獣除けのお札が必要なのだ。
おばあちゃんの遺してくれたお札もみつかったが、自分で作ったもので試してみようと思ったのだ。
それというのも、作った物作った物レティがケチをつけるのだ。
そりゃ、本職で年季が入っているおばあちゃん製作の物と素人でアトリエシリーズでしか錬金術してない私のじゃ差があるのは仕方がない。
でも、納得がいかない。
本当に違いがあるのか身をもって試してみようじゃないか、と。
お札も出来上がったことだし、出かける用意をしようかというところでレティの様子が一変した。
一方向をにらみつけると、意識を集中し始めた。
どうしたのか、声をかけようとすると外から声が聞こえる。
男の人の声だ。
今度こそ第一異世界人を見に家を飛び出た。
「ほら、本当にあるだろ、行ってみようぜ!」
「・・・。待って・・・、用心・・・。」
「大丈夫だって!」
人が二人もいる。
遠くて姿が分からなかったけど、あっと言う間にこちらに近づいてきた。
若い男の人だ。
西洋人の顔立ちで体格もよく見下おろされている。
第一声が、
「うわ~こんなとこによくいるね…。」
こっちのセリフだよ。