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ひっそり錬金術師してます  作者: そらまめ
4/8

わんこに遭遇

「お前、誰だよ!」

寝ている様子のわんこを起こさないようにそろ~り近寄っていたのに気が付かれていたようだ。

全身全力で威嚇しているみたいだけど、ボーイソプラノにかわいい子犬姿じゃ威力がないな。

しかもしゃべるわんこって!

自分の中の普通が崩壊してきているんだろう、不思議さよりも嬉しさが上回る。

ささっとわんこの目の前に進み、しゃがんで目をのぞみ込む。

うん、大丈夫この子は賢い。

「ね、君ここの家の子?私、咲希。いろいろ教えて欲しいんだ。」

あ、びくっとなって後ろに下がった。

私勢い良すぎたかな?

「な、なんだよ。なんでここに入れるんだよ!ばあちゃんの結界があるはずなのに!」

「結界?なにそれ」

さすが異世界。

いろいろファンタジーだ。

もう今までの常識ポイして、ゲームや漫画の知識をいろいろ受け入れるべきなんだろうな。

「あの、もしかして錬金術師だった?おばあちゃん。」

「そうだよ。だけど…。」

こちらをにらみつけていた瞳が地面に落ち、傍らにある大きな石を見る。

きっとお墓なんだろう。

大好きなおばあちゃんの傍にずっといたのか。

「お墓参り、してもいい?」

「え、なんだよお墓参りって。」

こっちにはない習慣なのかな。

「亡くなった人に挨拶とか語りかけること、かな。」

わんこはどうしようか決めかねている様子。

「はじめまして、って言いたいの。だめかな?」

迷っていたみたいだけど、ゆっくり脇によけて場所を譲ってくれた。

これってしていい、ってことだよね。

あの日記の人はここに眠っている。

錬金術師だったというおばあちゃん、会いたかったな。

しゃがんで手を合わせて目を閉じる。

(違う世界から来た松本咲希です。お家や中の物、いろいろ使わせてもらってます。

おかげで困らず助かってます。ありがとうございます。これからも住んでいいでしょうか?

お願いします。)

祈り終わった後、静かになっちゃったわんこを探す。

すっかり落ち着いて、私をじっと見つめていた。

「結界はまだあるのに、お前はどうやってここに入ってきた?普通の人間じゃないだろ。」

思いっきり疑惑の目で。

ちょっと前まで一般ピープル歴18年だったけど、ここでは私はどう分類されるのかな。

「えと、信じてもらえないかもしれないけど、気が付いたらここの家の前にいたんだ。」

「神様らしいのが、ここに連れてきたっぽいんだ、けど…。」

最後の方、声ちっちゃくなるのはしょうがないよね。

自分でもいまだに理解してないし、納得もしていない。

なのに、

「お前、神の落とし子か。それなら納得だ。」

納得出来ちゃうの?

よくあることなの?

神様、よく落とし物しちゃってるの?

てか、神様との距離近すぎでしょ!



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