学び舎
6年間通った小学校
その前を久しぶりに通ってみる
あの頃あんなに広く感じたグラウンドが
なんだか狭く感じられる
古びた校舎の隣には
真新しい校舎が建っている
時が経って少し変わった
母校と呼ばれるその場所は
それでもやっぱり
懐かしい雰囲気を纏っていた
この校舎は
どれだけの生徒を受け入れ
どれだけの生徒を見送ってきたのだろう
どれだけの人と人とを結びつけ
どれだけの思い出を刻み込んできたのだろう
生徒たちはこの校舎で
何を学び
何を感じ
何を夢見たのだろう
どんな大人に成長していったのだろう
あの頃この校舎で
どれほどの会話を交わしただろう
どれほどの思いを巡らせてきただろう
何に驚き
何に感動し
何に涙を流しただろう
何に喜び
何に苦しみ
何に怒っただろう
今この校舎で学ぶ生徒たちは
どんな会話を交わすのだろう
何を思い
何に悩み
何を手にしていくのだろう
グラウンドを無邪気に駆ける生徒たちは
その瞳に何を映しているのだろう
6年という長い学校生活の中で
何に目を輝かせ
何に瞳を濡らすのだろう
どんな夢を思い描き
どんな大人になっていくのだろう
私の知らない生徒たち
私を知らない生徒たち
そんな彼らも
この学校の卒業生になるときがくる
ここを母校と呼ぶ日がくる
ここで過ごした日々を懐かしむ日がくる
それが 交わることのない彼らとの共通点
今日もまた
その学び舎は歴史を刻んでいく