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詩集

学び舎

作者: 久灘圭

6年間通った小学校

その前を久しぶりに通ってみる

あの頃あんなに広く感じたグラウンドが

なんだか狭く感じられる

古びた校舎の隣には

真新しい校舎が建っている

時が経って少し変わった

母校と呼ばれるその場所は

それでもやっぱり

懐かしい雰囲気を纏っていた


この校舎は

どれだけの生徒を受け入れ

どれだけの生徒を見送ってきたのだろう

どれだけの人と人とを結びつけ

どれだけの思い出を刻み込んできたのだろう

生徒たちはこの校舎で

何を学び

何を感じ

何を夢見たのだろう

どんな大人に成長していったのだろう


あの頃この校舎で

どれほどの会話を交わしただろう

どれほどの思いを巡らせてきただろう

何に驚き

何に感動し

何に涙を流しただろう

何に喜び

何に苦しみ

何に怒っただろう


今この校舎で学ぶ生徒たちは

どんな会話を交わすのだろう

何を思い

何に悩み

何を手にしていくのだろう

グラウンドを無邪気に駆ける生徒たちは

その瞳に何を映しているのだろう

6年という長い学校生活の中で

何に目を輝かせ

何に瞳を濡らすのだろう

どんな夢を思い描き

どんな大人になっていくのだろう


私の知らない生徒たち

私を知らない生徒たち

そんな彼らも

この学校の卒業生になるときがくる

ここを母校と呼ぶ日がくる

ここで過ごした日々を懐かしむ日がくる

それが 交わることのない彼らとの共通点


今日もまた

その学び舎は歴史を刻んでいく

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