タオル掛け
ご覧いただきありがとうございます。
本編には主人公がしょ~も無いことをやるシーンが
含まれています。苦手な方は斜め読みをお勧めします。
あらすじ:ギルドに向かった。
※表現を若干抑えました。
その後、発射薬として使っている魔力量でどれくらい射程が変わるか調べたり、砲身の角度で弾道の変化やこれまた射程の関係を記録取ったり、各条件の着弾地点のバラつきを実射で調べて精度を上げていった。
その結果、射撃する場所を防壁に250m程度までなら近づけても問題無さそうだ、ということが分かり今日は終いとなった。
それ以降も『雨障の灰瀧』用の砲弾を開発したりユーザビリティを向上させたりミストさんに飲ませまくったりと平穏な日々を過ごしていた。
だがセフィリアに『雨障の灰瀧』を披露してから一週間ほど過ぎた頃だろうか、音の鎖亭に冒険者ギルドからセフィリア宛に伝言が届いていた。ギルドに来られたし、の呼び出し状だった。
呼び出し状を受け取った俺とセフィリアはそのまま自室に戻り、呼び出し状の裏を見てみると追記があり、朝10時より会合を開くためそれに合わせて来て欲しいとも書かれていた。
「セフィリア、これって…」
「うむ、例の件じゃろうな。呼び出すということは大体確定したのじゃろう。明日はミストの家に断りだけ入れたらすぐに向かうとしよう」
自室に戻っても大暴走の固有名詞を使わないのは、壁が薄いので隣に声が届いてしまうためだ。
「だね。じゃあ今日は湯浴みでもしてとっとと寝ますか」
この部屋は二人部屋といっても風呂があるわけでもない。部屋の片隅に子供用プールを二回り小さくしたような洗い桶があってそこで体を拭くだけだ。お湯は自分で出してもいいし宿に言えば売ってくれる。
「先に入るぞ」
セフィリアは女性とは思えない速度で服を脱ぎ散らかし、タオルで前を隠して洗い桶に向かった。しょうがないなぁと思いながらもセフィリアの服を適当に畳んで隅に置いておく。セフィリアを見るとすでに洗い桶に湯を張り終わっていて、半身を沈め鼻歌を歌いながら髪を漉くように洗っている。
そんな様子を横目に自分の用意をしつつ、アレにタオル掛け!とか言って遊んでいたら、うっかりセフィリアに燃やされそうになってしまった。
「まったく…しょうもないことやらずにワシの背中を拭いてくれ」
奪い取ったタオルを俺に放り投げセフィリアは背中を向けてきた。
「はいはい…それにしても相変わらず綺麗な背中だねぇ。髪もなんでこんなに綺麗なんだろ」
俺の知ってる限りではセフィリアは特別な手入れをしてるわけでもないが、白い肌の背中に白い髪の合間から見え隠れするうなじが得も言われぬ色気を醸し出している。
「頓着したことはなかったがな、ソーイチローにそう言われるのは悪い気はしないの」
お湯のせいなのか俺の言葉に照れてくれたのか、うなじがほんの僅かに朱を帯びてきていた。それを見て、そっとガラス細工を拭き上げるよう優しくタオルを動かし続けた。
翌朝、ミストさんの家にいき今日は所用で出かけるので自由行動にすることを伝えた。また、念のため保存食となるものを買い溜めておくよう指示しミストさんの家を辞した。
そのまま冒険者ギルドに向かっている最中、
「セフィリア、会合って何やるか知ってる?」
「前と同じならな、各ギルドのお偉いさんを呼んで現状の説明と各ギルドへの要望を出すことになるじゃろ」
「なるほどね。って、じゃあなんでセフィリアが呼ばれるんだ?単なる一個人だろ?」
「その通りなんじゃがな、多分現在の戦力を見せておきたいんじゃろ」
「ん?どういうこと?」
「基本的にはどのギルドもフィールの街を守りたいと思うておる。じゃがな、まったく勝ち目の無い戦いをしてまで街に残りたいとは思わんじゃろ?」
「ああ、つまりはセフィリアのような強力な戦力があるから今回も街を守れる。だからお前ら逃げんなよ?っていうことか」
「さすがにそのまま言うわけでもないが、まあそんな感じじゃ。じゃからワシ以外にも有名所の冒険者が呼ばれているはずじゃな」
「へぇ~、結構楽しみだな」
それで会話が終わり、そこからは二人とも黙って歩いてギルドに向かった。
該当箇所を修正&削除2/5
ミストさんだけを相手しているわけではありません。
ということを書いたシーンです。
たぶんこれくらいならセーフ?
アウト判定が多かったら表現を柔らかめに変更します。