再びミストさんと
ご覧いただきありがとうございます。
息子がバナナになる表現があります。お嫌いな方は読み飛ばす
事をおすすめします。
※表現を若干和らげました
魔法使いギルドでの決闘で時間が取られ、バイト感覚でやろうと思っていたモグラ叩きは結局できなかった。その代わり…にはならないが、音の鎖亭でいつもは頼まないデザートを頼んだり、ロンコとシルバーのコントを見て過ごした。
翌日、いつものように起きてセフィリアと共にミストさんの家に向かうと、俺達をミストさん、ティアラ、コロネの三人で出迎えてくれた。
「あれ?ミストさん体調は大丈夫なんですか?」
そう、今まで出迎えてくれたのはティアラとコロネだけだったのだ。決してミストさんの怠慢などではなく、朝方が兎に角体が重いらしくテーブルに座るだけで精一杯だったそうだ。
「ええ、昨日までは体に鉄でも入っていたように重かったのですが…今朝は驚くほど体が軽くなっていました」
もう何も怖くないって感じだな。
「これもお二方のおかげです。本当にありがとうございました」
「「ありがとうございました」」
三人は同時に腰を45度曲げ最敬礼をし、礼を述べてきた。
「良かったですね、ミストさん。ですがまだ病み上がりでしょうから、ゆっくりと養生してください」
「そうじゃな、長い間患っておって鈍っておる。いきなり動いては体も驚くだろう。慣らすようにするがよい」
うんうんとセフィリアは頷きなら同意をしたが、ミストさんはすぐにでも働きたいのか、
「しかし、昨日も私達家族を水入らずで過ごさせて頂きました。それにソーイチローさんやセフィリアさんとの約束通り出来うる限りお仕えしたいと思います。ですので、やれることはやらさせていただきたいと思っています」
「う~ん、程々にね?」
はい、と納得したように見えるミストさんと一緒に室内に向かった。まあ働き過ぎないように見張れるところは見張ればいいか…
俺とセフィリアの朝食の用意を今日からミストさんとティアラとコロネの三人でしている。いつもよりティアラもコロネも嬉しそうに楽しそうに台所で働いている後ろ姿を眺めると、改めて良かったと感じた。それはセフィリアも同じらしく、とても優しい眼差しでミストさん親子を眺めていた。
その日の朝食は燕麦の乳粥に卵とベーコンのサラダ、トマトと大豆のスープといつもより豪華(ベーコンの分だけ)なのだが、味はそれ以上に美味しく感じた。決して今までが手抜きとかそういう意味ではなく、例えばサラダの葉の切り方にしてもまったくと言える程同じ大きさで切られているため、一口で全ての食材を同時に味わうことが出来るようになっている。食材を複数同時に味わえると単品よりも深みが増し、同じ食材を使っていても大変に美味しく感じる事ができる。
「…美味いな、これ」
「じゃな…。この間も美味しいと思ったが、またこれは格別じゃ」
「セフィリアの庵に居た時の食事は…」
「言うでない。食事は栄養あって食べられればいいと思っておったが、ここで長く居座ると庵の食事に戻れなくなるわい…」
「ふふ、そう言って頂けると三人で腕をふるった甲斐がありました。それにしっかりとティアラと…特にコロネの料理の腕前を鍛えあげる事が出来ますし」
若干怪しい笑みを浮かべたミストさんと少しげんなりとしたコロネが、
「おかーさんが元気になって嬉しいけど…たくさん怒られるのが大変だよぅ。おにぃちゃ~ん…」
「そんな情けない声を出すなって。俺はコロネの料理を楽しみにしてるんだから、頑張ってミストさんから教わるんだぞ」
「は~い!」
一転して笑顔になったコロネは置いておいても食事が進む。そんな和やかな空気の中、朝食が終わるといつものように俺は描画魔法の作成、セフィリアはミストさん達の魔力欠損症のデータ取りと各々やる事に取り掛かった。
「ご主人様、昼食の用意が出来ました」
「は?ああ、もうそんな時間か…」
唸りながら描画魔法を作りこんでいるとあっという間に昼食の時間になったようだ。魔法作りに集中してると、まるで時間が切り取られたような感覚に陥ってしまう。ティアラが何らかの飲み物を用意してくれていて一々移動する必要も無いし、掃除などで俺は邪魔になるはずなのに、動いてと言われたことが無い。日曜日に家でゴロゴロしてるお父さんが羨ましがる話しだろう。
昼食はパスタのような麺に甘辛い小松菜?のような食べ物を和えたものだった。美味しいのだが、なんだこれは?味わったことのない食べ物のためどんな葉っぱかと観察していると、
「ソーイチロー、今晩もミストを頼むぞ」
「了解。ミストさん、今晩もよろしくお願いしますね。楽しみにしています」
「こちらこそ、よろしくお願いしますね」
ミストさんは少しだけ首を傾け目を細め、優しく微笑んでいた。
昼食の後はやはりというか眠くなる。今までは堪えて描画魔法作りに精を出していたが、今日はやたらと眠かった。
「ふぁぁぁ…駄目だ眠い。少し寝る」
そう宣言してテーブルの上で突っ伏して仮眠を取ろうとしたのだが、
「ソーイチローさん、よろしかったら私のベッドを使いますか?」
「ぅぇ?いいんですか?」
「勿論構いません。セフィリアさん、午後から私のやる事は無かったですよね?」
「うむ、無いぞ。午後はワシが資料をまとめるだけじゃ」
「分かりました。ではソーイチローさん行きましょう、こちらです」
何故ミストさんまで一緒かはよく分からないが、ミストさんに手を引かれながら彼女の自室に入ると、ミストさんは先にベッドの上に座りふとももをポンポンと叩いて、
「ソーイチローさん、どうぞ」
「どうぞって…膝枕でもしてくれるんです?」
「その通りです。お昼寝といったらやはり膝枕ですよね?」
「あ~…まあ男の夢でもありますよね。してくれるのは嬉しいんですが、疲れませんか?」
同じ体勢を続けるのは、動き続けるよりよほど辛いと思う。そう考えていたら、
「私もメイドの端くれですよ。何らかの式典があると6時間立ちっぱなしで微動だにしてはいけない、なんていうこともよくありました。これくらいなんでもありませんよ?」
と、ミストさんは本当に何でもないような表情をしていたので、遠慮せず一時間ほどお願いすることにした。
ミストさんの柔らかいふとももの上に頭を乗せ見上げると、軽くウェーブが掛かった金髪の枝垂れの中に佇む巨乳が目に飛び込んでくる。その圧倒的な山脈でミストさんの顔が半分以上隠れてしまっているが、なんとなくミストさんが微笑んでいることだけは感じられた。どことなく懐かしいような香りに包まれそれが一体何の香りだったか考えていると、ミストさんは俺の髪の毛を優しくゆっくりとゆっくりと手櫛で撫で付け始めた。
そんな懐かしい香りと人肌に包まれ、俺は自然と意識を手放すこととなった。
………
……
…
「…さん、ソーイチローさん、時間ですよ」
「…んむ、もう時間か」
思ったより深い眠りについたのか、昼寝にしては寝覚めがスッキリしている。
「ミストさん、ありがとうございます。膝枕してもらっちゃって」
「いえいえ、これくらいいくらでも」
そうニコニコしながら言ってくれると、またお願いしたくなる。まあ膝枕して欲しくても「膝枕してください!」とは頼みにくいけど。
その後は昼寝したおかげでいつもより頭がよく回るのを体感しながら、また描画魔法の作成に勤しむ時間を過ごした。
そしてまた夕食の後、ミストさんとのひとときがやってくる。前はミストさんと一緒に自室に向かったが、今日は俺が後から来て欲しいとのこと。言われた通り10分ほど時間を潰しミストさんの部屋に向かった。ミストさんの部屋の扉をコンコンとノックする。
「ミストさん、ソーイチローです。入っても平気ですか?」
「お待ちしておりました。どうぞお入り下さい」
許可が出たので扉を開け中に入りミストさんを見てみると、胸元と肩が大きく開けた白と黒のツートンカラーのメイド服を着ていた。白黒のメイド服と白い肌の上にある金の髪がまるで金糸を纏っているようにも見え、ミストさんがとても豪華な雰囲気を醸し出している。さらに胸を強調するように押し上げてあるので、山が高くなった分だけ深い峡谷を形成していて視線が吸い寄せられてしまう。潤んだ瞳をしている彼女の表情と相成ってまるで高級娼婦がそこにいるように感じさせた。
そのとんでもない存在感を放つ胸に釘付けになりながら、
「ミストさん…その格好は?」
「これですか?夜のお相手をさせていただく時のメイド服ですよ」
「そんなのがあるんですか…」
「ええ。室内や庭、調理場などで全て同じデザインだと少し作業がし辛いんですよ。あとはまあ…このような時に使い古したメイド服では興が削がれるということで、専用の服が用意されています。本当はティアラに渡したかったんですけど、まだちょっと着られなくて仕立直しせずに取っておいたのが幸いでした」
「なるほど…すごく似合ってるんですが、目のやり場がどうしても一箇所になっちゃうのが辛いところですね」
「クスッ、そういう目的ですから。では…」
そう言って、二度目のご奉仕が始まった。
該当箇所を修正&削除2/5
ふとももって太ももや太腿みたいに漢字で書くより、ひらがなで
書いたほうが柔らかい感じがしませんか?
あとメイド服の記述は妄想です。
ティアラとコロネは?!と仰ると思いますが、どうしても再現性を確認
しておかなくてはいけないためミストさん連発となりました。
本当はこの後にティアラとコロネがはいる予定でしたが、少し構成を
変えたためもう少し後になってしまいます。
これにて書き溜めに入るため連日更新は以上になります。
GW前になんとかなるかなぁ…