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墓王!  作者: 菊次郎
フェーズイン
26/129

対空戦

ご覧頂きありがとうございます。


前話のあらすじ:お見合いみたいになった。


誤記修正:

襲ってこないようよ→襲ってこないそうよ

 いつもの朝の鍛錬の代わりに、ミストさんの家からギルドまでランニングでいく。やはり朝7時前後のギルドは混雑する時間帯のためか提示版が見づらい。それでもFランクよりEランクのほうが人は少ないため幾分かマシだった。


「食い扶持が増えたから稼がないとなぁ。何かいい依頼ないかなっと」


 Eランクからは依頼の種類や数がとても増えている。討伐や採取のみならず、護衛・配達・調査などなど。やはり信頼度の違いなのだろう。と、その中で一際目立つ依頼があった。


【大鷹討伐】

【先着一名様限り!通常価格2万zゼルのところを、今だけ!今だけなんと倍の】

【4万zでご提供!さらにポイントまで倍つける大盤振る舞い!】

【失敗しても違約金は一切いらない親切依頼!】

【この機会に皆様振るってご応募ください】

【ここでお客様の声が届いています】

【弓使いAさん 「この依頼で弓が新調できました」】

【魔法使いBさん「左手の関節痛の悩みが無くなりました」】

【魔法使いCさん「家族の愛を確かめることができました」】

【魔法使いDさん「頭をハンマーで殴られたような感動を受けました」】


 他の依頼がA6サイズの小さな紙だったのに、この依頼だけA4サイズの大きさでデカデカと貼られていた。オマケにカラーだし、なんだこの依頼は…受付の人に聞いてみるか。


 朝のこの時間でも手が空いてそうな報奨のカウンターにいる人にこの依頼について尋ねてみた。


「ちょっといいですか?この依頼についてなんですけど」


「はい?ああ大鷹討伐の依頼ね。じつはフィールの街の近くに一匹の大鷹が住み着いたのよ。その大鷹が人間の子供を餌にし始めたみたいで…確認されてるだけで5人の子供が襲われてるわ。連れ去られた子やその場で大怪我した子もいるし、ちょっと緊急性が高い依頼なのよ」


「そうなんですか…報奨金もずいぶん高いですね」


「加算された分は子供の遺族や怪我した子の親が出し合ってるの。貴族の子供が自宅の庭で遊んでいたときに襲われたって話しもあって、ずいぶんと報奨金が増えたわ」


「その割には手に取る人がいないのはなんでです?」


 と、この質問が本当に聞きたかったこと。Eランク依頼でありながら他の同ランク依頼と比べて報奨金が二桁違う。


「元々Cランク依頼にあったんだけど、達成できる人が誰もいなくてね。それで段々ランクを下げてきたの」


「いやいや、最初はCランクにあったってことは、それだけの難易度があるってことでしょ?達成出来るひとがいないからってランク下げちゃ不味くないですか?」


「その通りよ。だけど大鷹の特徴が分かってきたことと、依頼書に注意を促すことで、依頼の低ランク化が許可されたの」


「注意なんて促されていました?」


「あるじゃない、下4行に書かれてるわ」


「弓使いAさんの「この依頼で弓が新調できました」って成功体験じゃないんですか?」


「大鷹の特徴としてね、攻撃されると激怒して反撃してくるそうなの。強弓が使える弓使いがいて、さっそく退治しに向かったんだけど…外して反撃された時に弓を壊されたそうよ。弓使いの人は泣いてたわね」


「…この魔法使いBさん「左手の関節痛の悩みが無くなりました」は?」


「冒険者ギルドだけじゃ対応できそうにないから魔法使いギルドにも応援を依頼したのよ。そこから来た人なんだけど…大鷹に向って魔法を撃ったんだけど、避けられて反撃されたらしいわ。その時に左腕がもぎ取られたって」


「……魔法使いCさん「家族の愛を確かめることができました」は?」


「この人も魔法を避けられて反撃されたときに、大鷹の爪が腹に食い込んで死にかけたらしいわ。そんな重症な時に家族みんなが介護してくれて…」


「………魔法使いDさん「頭をハンマーで殴られたような感動を受けました」は、もう聞かなくてもよさそうですね」


「未だに意識不明らしいわ。ちなみにこの失敗で魔法使いギルドはこの依頼は受けないと決定したそうよ」


「先着一名ってのはまさか、大鷹が複数いる訳じゃなくて成功した人が誰もいないから?」


「大当たり」


「これ作ったの副マスターじゃありませんか?」


「またまた大当たり、景品は出せないけどね」


「あの人は何やってるんだか…。でも反撃されるのが分かっていれば、一人が大鷹を引きつけて、もう一人が攻撃って分けたら倒せそうなんですが」


「大鷹も頭が良くてね。人間が複数いるときは決して襲ってこないそうよ。実際にやろうとしたけど大鷹が降りて来なかったって。隠れていてもダメだったようよ」


「出現地点は分かっています?」


「昼間の平原によく見かけるらしいわ。段々街に近づいてるみたいで緊急性が高いんだけど、やはり空にいるとどうしても…ね」


 子供が街中で襲われるようになったら大惨事になりそうだし、ショット・ガンがある俺には美味しい依頼にも見える。


「違約金も無いみたいですし、ちょっと引き受けてみますよ」


「こっちは助かるけど無理はしないでね。引くも勇気よ。そうそう、大鷹をなるべくそのままの形で持ってくると追加報酬が出るそうよ。子供が襲われた貴族が買い取って剥製にしたいみたい」


「了解です、色々とありがとうございました。ちょっと受付にいってきます」


 そうお礼を伝え、受付で大鷹の大きさや色、特徴などを聞いて依頼を受ける手続きを済まし、フィールの街の外に出た。平原に出ると今日も気持ちのいい風が吹いていた。


「さてまずは探知だな。『篠突く雨の輪』の指向性を上空に変更してっと…普通の鳥だけだな…いない…」


 20分くらい走り回りながら探査魔法を使っていると、上空100mほどのところに巨大な鳥を見つけた。受付で話しでは大きさは5mほどという話しだった。


「いた、多分アレだな。用意するか。『ショット・ガン、ロングバレル、バードショット』」


 バレルを伸ばして遠距離の集弾性を高め、鳥撃ち用のシェルを装填する。


「巨鳥といっても上空100m上だと的も小さいなぁ。射撃用意…」


 そして照準に大鷹を合わせ引き金を引く。ダンッと草原に轟音が鳴り響き、凡そ100発ほどの小さな弾が大鷹に向かって飛んで行く。しかし飛んでいる鳥に発砲するのが初めてな俺がいきなり当たるわけもなく、大きく逸れている。引き続き発砲しようと狙いを定めると、大鷹がこちらに気づいたようで向かってきた。何やら激怒してる雰囲気が伝わってくるが、気にせず発砲を続ける。


「一直線にこっちに向かって来ればもうこっちのもの…って、なんで鳥の軌道がランダムなの?!」


 高いところを水平に飛んでる鳥を狙うのは至難の業。そこで激怒した大鷹がこちらに向かって来れば、一点を狙うだけで済む。広範囲を狙えるショット・ガンには格好の的になるはず…だった。

 それが大鷹はこちらに向かいつつ、落下軌道を変えてるようで右に左に動きながらこちらに向かって来ている。俺も連射してるが全然当たらない。所詮鳥頭なんて考えたのがミスの元だった。


「『ショット・ガン、ノーマルバレル!』」


 バレル長を変えて集弾性を広めにするが、それより早く大鷹はこちらに突っ込んでくる。


「『ショット・ガン、ショートバレル』!間に合わん、『楔の盾』!」


 攻撃より防御を選んだ瞬間、ゴイン!!と盾に大鷹が激突した。自らの勢いのまま盾にぶつかった大鷹は地面に落ち痛みに悶えている。ショット・ガンのシェルを一粒弾に変更し大鷹の止めを刺して、やっと落ち着いた。


「あっぶねぇ、あとちょっと盾が遅かったら爪に串刺しにされてたわ。ちょっと油断したかな…だけど色々と課題が見えてきたよ…」


 まず高いところの敵に対する攻撃手段、命中精度向上、遠距離狙撃、防御と攻撃の両立などなど…。改めて冒険者とは自分の命をチップにお金を稼ぐ職業だと実感できた。


 大鷹を観察すると、どうも翼長が5mではなく体長が5mなようで大きさが全然違った。足は折れているが全体としての形は殆ど残しているので、剥製にも十分できるレベルだろう。これだけ巨体だと重くて持ち運べないかと思ったが、鳥だけに思ったより軽く、引きずりながらなんとか運搬できた。運搬中はすごく目立っていたが…


 大鷹をギルドに運び、報奨を受け取る。ギルドから依頼を受けて昼前に終えたことはすごく驚かれた。また、大鷹の状態も比較的良く追加報酬も受け取れるそうだ。追加報酬については後日になるようだが。


sideミストで気力を使いきってしまい、かなり遅くなりました。


普通の狩りの様子に見えますが、今後の戦闘への影響が大きくでる

話しですので入れてあります。本当はかっこよく倒したかったんですが、

無理ですよね…


あと頭がゆだってきてるので、明日の投稿はちょっとお休みし

もうちょっと練りなおしてみます。


多くの方にご感想を頂けて本当に幸せです。自分の返答の仕方が

結構しょ~もないことを書いてしまうので、もしご気分を害された

方がいらっしゃいましたら、誠に申し訳ありません。

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