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墓王!  作者: 菊次郎
フィール
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フィールの街

ご覧頂きありがとうございます。


前話のあらすじ:ロンコ黒い、シルバー白い

「やっとフィールの街が見えてきたな」


 ロンコやシルバーと別れてから3時間ほど(うち2時間は道間違い)でフィールの街が見えてきた。森から街道に出てからちらほら荷車や歩きの人が見えていたが、フィールに近づくとさらに賑やかになっている。門が視認できるくらいの近さまできたので足を緩め、周りの人と歩調を合わせた。

 フィールの街は高さ3mほどの石壁に囲まれ、街道からだと石壁の端が辛うじて見えるほどの大きさだった。


「思ったよりずっと大きい街だなぁ」


「お、兄ちゃんフィールは初めてかい?」


「ええ、田舎から冒険者になろうとおもって出てきまして」


 独り言のつもりだったが聞いていた人がいたらしく、声を掛けてくれたおじさんがいた。


「はっはっは!冒険者になれるといいな!夢ってのは大事だからな!」


「?たしかに夢は大事ですね」


 おじさんの話のどこかおかしい所があるが、いまいちはっきりしない。


「すぐには冒険者になれないかもしれんが、なーに兄ちゃんは若いんだ。仮組みに入って1年もすればすぐにできるさ!」


「“かりぐみ”ってなんです?」


「なんだ兄ちゃん、そんなことも知らんのか?」


「どうやら情報が古いようで…」


 セフィリアとの話しには出てこなかったはずだ。


「仮組みってのはまあなんだ、冒険者になるための試用期間ってやつだ」


「え?そんなのあるんですか?」


 やっぱりセフィリアはそんなこと言ってなかったが、本当に情報が古かったようだ。引きこもりだったしなぁ…


「おう、ここ最近は冒険者になろうとする若いやつが多いらしくてな。戦いに必要な術を持ってないのに戦って死ぬんだとさ。だからまずは下積みからってわけだ」


「うわー…そりゃしょうがないかなぁ。どうやったら仮組みから正式な冒険者になれるかご存知ですか?」


「そりゃ知らんわ。ギルドの姉ちゃんに聞いてくれ。兄ちゃんはフィールに来るの初めてだろ?並ぶ列は一番左だぜ。俺が今並んでるのはフィールの住人用だからな」


「え!教えていただきありがとうございました!」


「おう、気にすんな。また会えたらな」


「はい、では!」


 確かによく見たら列は3つあった。一つは荷台などの商品が並んでる列、徒歩の列は2列あってどっちでもいいと思っていたが、さすがに市民と訪問者は分けていたようだ。人の流れも市民用のほうが圧倒的に早かった。それから30分ほど待ったあと、やっと門兵がいるところまで到着し、俺の番になった。なぜか訪問者用の門はかなり狭い作りになっている。


「よし次!」


「こんにちはー」


「若いな、戸籍登録証はあるか?」


「いえ、登録していません。ここで冒険者ギルドの所属しようかと思って田舎から出てきたんですよ」


「また冒険者志望かよ、ちょっと待ってろ…よし、問題無いな。入市税で100zかかるが持ってるか?」


何かの書類(人相書?)と俺を見比べたあと許可が出た。入市税は日本円にすると1000円ほどだろうか。高いのか安いのか判らないが。


「ありますよ。100zって毎回必要になりますか?」


「いや正規の冒険者になったら不要になる。もしくはカッター伯領域内で戸籍登録した者も無料だ。入場証の詳しい取り扱いはそこの看板に書いてある」


 後ろの列が長蛇になっているためか門兵はかなり忙しいようで、とっとと行けという雰囲気を醸し出している。


「じゃあそこの看板で詳しいことは確認します。ありがとうございました」


「お、なんだ文字読めるのか。オマケに礼儀正しい冒険者志望とか初めてだな。最近はロクでもない冒険者志望ばかりだったからよ。よし、もし何か困ったことがあったらここに来い、便宜は図れんが話くらいは聞いてやる」


 冒険者ギルドといい門兵といい、冒険者志望の人たちは一体何をしてるんだ?


「ありがとうございます。俺はソーイチローと云います」


「コワードだ。昼から夕方は忙しいから相手できんが、朝方ならいいぞ。んでこれが入場証だ、無くすなよ。市街に出るときは返却しろ」


 門兵のコワードは小さな魔石が付いている青い木版をくれた。首に掲げられるように紐もついていた。


「何かわからないことがあったらお願いします。ではそろそろ」


「おう、じゃあな。次の人!」


「本当に忙しそうだな。看板はこれか…何々…有効期限は半年、常時携帯し警邏に求められたら提示すること、戸籍登録や本市所属のギルド課員になった場合は返却時に印章を提示すれば返金、か。これ文字が読めない人だとどうなってたんだろう?」


 そんな疑問を持ちつつ、通りすがりの人にギルドの場所を聞くと、市民はチラっと入場証を見た後、結構丁寧に教えてくれた。通りすがりの人にお礼を言いギルドの方角に向かうと、剣と杖をクロス状に置いてある看板が見えてきた。少しだけ立ち止まり、これから始まる生活を思い浮かべていたが、手元に速く届けた方がいい薬草があったのを思い出しギルドの中に入っていった。


どうも文章の区切りが難しい。。。

主人公のチートっぽいのはあと2話くらい先になりそうです。

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