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第5話


「俺様はこう見えて田舎の出なのだよ。外の世界が見たくてね、出てきたのだよ。故に余り物事を知らない。君達と旅を出来る事になって良かったと思ってる。世界というのを教えてもらいたいからね」



 世界を知らないという事を伝えたい為に、田舎という嘘を吐いた。文化の進み具合から言って、発展途上らしいので、世間を知らない田舎人というのは幾らでも居るだろうと考えたからだ。

 いや、正確に言えばその考えで諦めたっと言った方が良いだろう。アキラは疲れていた。只でさえ爆弾を爆発させる勇気というモノに精神力を。更にソレが失敗した時の脱力感。いきなり見知らぬ土地に、山賊という安全第一の現在では有り得なかった危険。


 精神がすり減っていた彼は半ば適当にそう言ったのだがソレは正解だったらしく、結構な数の人間がそういう旅をしているらしい。彼らの行き先は王都と先程も聞いた。王都までは着いて行く事にクロエの中では決まったらしい。彼は張り切って、先を歩いて行く。





 旅路では、クロエがサラサとアキラに話しかけて歩く。アキラは疑問に思った事をクロエに質問するだけ、サラサも事務的な事以外はクロエとしか喋らない。空気が重めでの旅道だったが、3人はそれぞれ気にしてはいない。

 クロエは余り空気を読めない子。サラサはクロエが元気であれば良いと思っている。アキラは疲れてるし、知識を少しでも吸収したい為、余り気にしていない。というより、元々空気等知ったこっちゃ無いのであった。



「あ、そういえば! アキラお兄ちゃんって、東方の方なんですか? 髪の毛が黒いですし……」



 馬車を降りてから暫くしたら割と大きな川が見えたので、そこのほとりで休憩する事になった。精神が疲労していた上に、現代人としては結構な量を歩いたアキラは疲労しきっていた。

 その中、聞かれたアキラは動揺する。わざわざ聞かれるという事は何かあるのか?



「分からない。俺様の居た村には俺の他にも黒髪は居たからな。何か特別な事があるのか?」


 こういう時はもっともな事を言って、逆に質問してしまう方が良いだろう。下手な良い訳は疑惑の種になる。この質問返しに、クロエは少し意気消沈した様に見える。悪い事ではないのだろうか?



「そうなのかぁ。えっとね、東方には独特な形の剣があるって聞いた事があるからさ! もしかして知ってるのかなぁと思って……」



 成程、こちらにも刀があるのか。クロエは腰にある剣の柄が使い古されてる様子から分かる通り、剣使いなのだろう。剣使いだからこそ、刀には興味があったのだろう。髪の色と言えば……。


「髪の色と言えば、クロエとサラサの髪色違うな……。」



 思わずっと言った感じで、思わず2人を交互に見る。いつの間にか、声に出ていた様だ。やはり疲れているのだろう。普段はこんな事、ありえないのに……。

 2人を見ると余り気にしてない様で、ほっとする。もっとも姉の方はアキラの言葉には1つも反応しないので分かったものじゃないが……。



「ふむ、すまない。思わず声に出してしまっていた。悪いとは思っているが、気になってな」



「それで、謝ってるつもりかしらね。バカにしてるとしか思えないわね」



 アキラが一応っと謝ると、サラサが珍しく反応した。もしかしたら触れて欲しくなかった話題なのかも知れない。



「もうお姉ちゃん! アキラお兄ちゃん、気にしないでね……。僕達の髪色が違うのは、お母さんが東方の人だからなんだよ! そうでしょ、お姉ちゃん?」



「……そうよ。クロエちゃんが生まれてくる前に死んでしまったから憶えてないでしょうけど、優しい人だったのよ」



「うん! 何度も聞いたから、分かってるよ!」


 クロエは姉の言う事を全部信じてる様だ。しかしアキラにはサラサが嘘を吐いてるように見えた。肯定する際に下を向いたのは、母の死の悲しみからと考えられる。しかしその後、顔を上げた時の顔が慈悲に溢れすぎていた。それが不自然で、もしかしたら2人は血の繋がりが無いのかもっとアキラが考えた。


 クロエはサラサを実の姉として、幸せそうに見ている。サラサの方を見ると、こっちを見て「黙ってなさい」とでも言うかの様に睨んできている。ふむ、何か殺気すらも感じる……。別に今、問い詰める必要は無いだろう。うん、そうだ。




 髪の色こそ違うが、彼らは似ている。肩にちょっと深めに掛かる程度の髪の毛を、後ろで一本に締めている銀髪。綺麗な髪の毛を持っているサラサ。クロエも同じような髪型をしている。目の色は2人とも青紫。他の顔のパーツも、似た形をしている。中世的な顔だ。

 髪色と、輪郭。その2つのみが違う位で、美少年・美少女だ。血は繋がってるのかも知れない……。



 服装、これはアキラのもしないといけないだろう。神の成せる業か、僅かだが少し持ち物が増えていた。前の世界の学校の制服、学ラン。それに、旅の必需品らしいマント。それに腰に付けられた小さい麻袋と肩に背負える様に作られた大きい麻袋。


 マントっていうのは便利なモノだ。アキラも先程、邪魔なので脱ごうとした時にクロエに教わっていた。寝る時に、寝袋として使えるし、風が強い時には風除けとしても使える。他にも使える場面はあるとの事。

小さい麻袋は2つ腰に下げており、1つは金貨が(どれだけの価値があるかは分からなかった)。もう1つは水筒に似たモノが入ってる。大きい麻袋には着替えと非常食、水筒の替えが入っている。武器の類が無いとはいえ、十分過ぎる程の旅道具だ。



 クロエはシャツにジャケット、七分丈のズボン、それにマントを身に着けている。全て黒色だ。腰には剣と麻袋が下げている。腰の麻袋は大きさこそ小さいが、数が多い。水、非常食、金貨等が入っている。

 サラサはへそが出ている白いブラウスにパーカー、灰色のロングスカート、それに灰色のマント。手に長いタイプの杖を握っており、アキラは時折それで撲殺されないか心配している。腰には麻袋。内容はクロエと同じだ。




 30分程休んだ所で、先へ進む事になった。現代で、あまり歩かないアキラにはキツイがそんな事知った事では無い姉弟はどんどん進んで行くのであった。



 送れてすいません。(誰も待ってない? そんな……、馬鹿な……)忙しかった訳では無いのでタチが悪いです。


 小説を読むのも好き……、というより小説中毒でして1ッ週間新しい物語を読まなきゃ死にたくなってしまうのです。でも、補充したので頑張ります!

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