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第3話


「僕の事を男って分かった人は初めてです!」


 弟君はそう言って、光に抱きつく。男に抱きつかれて喜ぶ性癖は無いのだが……。この弟君、実は凄い中性的な、どちらかと言えば女の子みたいな顔をしている。地球に居た時、女の子どころか男の友達すら居なかった彼に抱きつかれ経験は勿論無い。(弟、妹を除いて)慣れない状態に、彼は固まってしまう。



「こらこら、クロエちゃん。初対面の人に抱きついたら駄目よ?」



 優しい声と共に姉がこちらにやってきた。まぁ、1,2歩程度なのだが。固まっていた光は姉の声に安心して、声の方を見る。すると、彼は別の意味で固まる事になる。

 姉は声こそ優しかったが、彼女からの威圧感は恐ろしいものだった。え、なにこれ?



「サラサお姉ちゃん! だってこのお兄ちゃん、僕の事を男だって分かってくれたんだよ!」


「えぇ、そうねぇ。でも初対面の人に抱きつくのは、いけないわ」



 やはりこの2人は姉弟きょうだいらしい。弟、クロエは一回光の元を離れ姉ことサラサの方へと足を進める。するとサラサはクロエを抱きしめる。その安心した顔は女神のようだった。

 光はサラサに睨まれた時に、人懐っこい弟の為に他人を警戒してるのかと感心していた。しかし弟を抱きしめた時の笑顔から考えるにただのブラコンで、俺様に弟が抱きついたのが気に入らなくてあんな禍々しい威圧感を与えてきたという結論を出した。



 光は思う。クッキーの風味があっちと違った為に勘違いしたが、こちらの人間も自分勝手なのだと。



「ねぇ、お兄さん! 名前は何て言うのー?」


 サラサに後ろから抱きつかれながらクッキーを食べ、時折サラサにもアーンってしながら食べさせていたクロエ少年がたそがれていた光に話しかける。



「あ! 僕から名乗るのが礼儀だったよね! 僕の名前はクロエ・アントワネットって言うんだ! お姉ちゃんはね、サラサ・アントワネットって言うんだよー」


「クロエちゃんが教えた通り、サラサです。ファミリーネームがありますが別に貴族ではありませんので、安心して下さい」


 光が名乗ろうとした時に、クロエが先に名乗ってくれた。姉の分と共に。サラサはクロエが光に話し掛けると分かり易く、嫌な顔をしてきた。しかしその後、名乗ってくれる辺り、悪い人では無いのだろう。

 しかし、貴族が居る世界なのか……。少し意識を変えなければならないかも知れない。光のの中のイメージは貴族とはろくでなしのイメージだし、サラサの言葉からもあまり良いイメージは得られない。



「俺様の名前は、アキラ・セキグチ。セキグチってファミリーネームがあるが別に貴族って訳じゃない」


 礼儀としてアキラも名乗る。ファミリーネームを名乗り、姉弟の反応を見たところ別段貴族じゃなくても苗字を持っててもおかしくは無いらしい。



「アキラさんって言うんだ! よろしくね! アキラお兄ちゃんは、王都に何しに行くのー?」


「お、お兄ちゃん!?」


「うん、駄目だった?」


 アキラはクロエのいきなりのお兄ちゃん発言に驚き、姉の眼光の鋭さに怯え、止めさせようとする。しかし、クロエのしおらしい態度に思わず、「まぁ、良いよ」っと言ってしまった。

 アキラはお兄ちゃん発言をとりあえず置いておき、その後の言葉。王都って言葉について考える。この馬車は王都行き。別にどんな嘘を吐いても良いのだが、その嘘が後でとんでもない結果に結びつくか分からないので慎重に考える事にしよう。そう思った時、御者が声をあげた。



「山賊だ!! お客さん、悪いけど降りてくれ!」




 ショタの元気と姉のブラコン具合はしっかりと描写出来たけど、ひねくれのひねくれ具合は……、まぁまだ大丈夫。見せ場はまだだもん。。



 次回は、山賊来襲!!! 次回は戦闘です。魔法もあるよ!! 描写も丁寧に頑張るよ!


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