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井の中の蛙大海を知らず、空の青さも知らず

作者: P4rn0s
掲載日:2026/02/14

バレンタインは明治の戦略だとか、

クリスマスはケンタッキーの策略だとか、

そういう話を得意げに叫ぶ人がいる。


知ってる。

みんなもう知ってる。

検索すれば三分で出てくるし、もはや常識の部類だ。

それを語ることで、自分は「踊らされていない側」だと確認したいだけだ。


でも、その人たちは今日もファッション誌を開く。

今季はこれ。

今年はこれが正解。

去年のはもう古い。


素直だな、と思う。

驚くほど。


チョコやフライドチキンの裏にある資本主義には敏感なのに、

シルエットや色味や「今っぽさ」になると急に無防備になる。

「今年は短丈が来てる」

「もうオーバーサイズは終わり」

そう言われた瞬間、昨日までのお気に入りが急に色褪せる。


それ、何が違うんだろう。


企業が物を売るために物語を作る。

人はそれに乗っかって、イベントを楽しむ。

構造は全部同じだ。

ただ、どこで賢い顔をするかを選んでいるだけ。


「俺は分かってる」

「私は流されてない」

その自意識が一番、都合よく使われている。


滑稽なのは、踊っていることじゃない。

誰だって踊る。

問題は、踊っている自覚がないまま、

隣で踊っている人を見下していることだ。


ファッション誌のページをめくりながら、

「世間は本当に浅いよね」なんて言える神経がすごい。

その浅瀬で、今まさにバタ足してるのに。


別にいい。

雑誌に影響されてもいい。

流行を楽しんでもいい。

ケンタッキーを食べても、チョコを配ってもいい。


ただ、それをやりながら他人の消費だけを嗤うのは、

どうしようもなくダサい。


陰謀論っぽい知識を身にまとって、

自分だけは違う顔をしているけど、

足元を見れば、ちゃんと手のひらの上だ。


せめて正直でいればいい。

「分かってるけど、好きだからやってる」

それだけで、随分マシになる。


叫ぶ前に、鏡を見ろ。

君のその服、

誰が選んだ?

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