06_まんまと釣られる日本人
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首都ケドゥグに、日本食レストラン TOKYO 開業!
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教材を調べようと見ていたポルタブルのトップニュースを見て、小躍りをかます。
「これは、嬉しすぎるやろ!!!!!」
お昼前に退勤し、自宅で授業の準備をしている時に、かなり嬉しい知らせが舞い込んできた。
今の人生で1番嬉しいかもしれない。
早速次の連休に行こうと、旅行計画を立てる。
「1日目の昼は、ラーメン食べて、夜に寿司。いや、すきやきもありやな。
1番近い宿は…」
そこでふと気づく。私以外にも、日本人がいるということに。
久しぶりの日本を感じられることに、さらにわくわくしつつ、よだれを風魔法で外に飛ばす。ゴブリン族のンジャイさんのこと言ってられない。
次の連休の予定も決まったし、授業の準備にさらに気合が入る。
プライベートを充実させてこその仕事よな~。
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その週も、本当に忙しかった。
実は、校内で授業の質向上セミナーを開いている。
この国の教員は、増え続ける子どもの数に教員が追いつかないらしい。
日本からしてみれば何ともうらやましい。
いや、結局足りないから、ひどい状況なんやけれども。
教育省が打ち出したのは、教育課程の短縮。
9か月の教育課程を経たら、教育現場に送り出されるのだ。
日本は大学で、4年間。
欧米諸国では、大学院まで出た教員が雇われていたというのに。
この国の教育のレベルの低さが、これで伝わったかと思う。
だからこそ、若手の教員中心にセミナーを開いていた。
簡単に開けたわけじゃなく、1教員がセミナーを開くことに理解を得るために、とても時間がかかった。
時間や手続きにテキトーな国なのに、変なところで真面目で時間がかかる。
力になってくれたのは、学生時代の教授だった。
過去の学生生活の中で、教授と教え方について何度も口論になった。
私というか日本式・地球式の教育に納得がいくところもあったらしく、校長と教育事務局にもかけ合ってくれた。
そんなこんなで開催しているセミナーだが、真面目な参加者と不真面目な参加者の差が広く、本当に毎回やりづらい。
でも、このセミナーを通して、取り入れてくれる教員が少しでもいれば、子どもたちの笑顔につながると思い、毎回頑張って開催している。
今回のテーマは、「授業中の教員の姿とは」
日本なら、算数教育の図形の授業をどのように行うか、という指導法の研究ができるが、この国では仕方ない。
そこから、叩きなおさないと。
ああ、早く日本食レストランに行きたい。




