58_文化が世界を平和にするんや
今日の授業で、魚の生態を取り上げている先生がいた。そこから魚が食べたいと言う気持ちが離れない。
こういう時は居酒屋TOKYOに行くに限る。焼いても生でも炙っても、何を食べてもおいしい。
「いらっしゃいませ~」
店内には出汁の香りが漂っている。お腹が減る匂いと、きよさんの優しい声に癒されつつも、先に来ていたイブさんの隣に座る。
イブさんが食べているものを見ると、それは海鮮丼だった。一気に海鮮丼の口になった私はきよさんに海鮮丼と赤だしをお願いする。
もちろんイブさんは合わせの味噌汁を飲んでいる。
「お疲れさまです、イブさん」
「お疲れさま~最近どう~?」
少人数学級も養成校もうまくいっていることを伝え、イブさんの状況も聞く。
「あの裏事情を聞くと頑張るしかないよね~。野菜の品質向上と販売の工場の目途が立ったから、次は果物に入ろうかと思っているよ~」
いよいよあの豆粒のような果物や期待して食べたら酸っぱすぎる果物たちが改善されるんや!これはかなり期待できる。イブさんの畑に行きたかったことを思い出した。
「そういえばイブさんの畑は、どうなってるんですか?」
「もちろんいろんな野菜を育ててるよ~果物にも入るから、果物の試験栽培もね。ニーズに合った品種改良も小規模の方がしやすいしね~」
ちょうどその時、きよさんが2人の海鮮丼を持ってきてくれた。もちろん味噌汁とセット。
ホタテ、マグロ、サーモン、生エビ、イカ、ブリ、タコ、イクラ、ウニ!!!最高の宝石たちの隣には、わさびと生姜がのっていた。
お寿司を食べる時と同じ流れで白系から食べ始める。
今回も、どばっと醤油をいかせてもらう。魚の風味よりも主張が強い醤油とのコラボレーションの中で私は幸せを感じてしまうのだ。醤油ラバーである。
合間にアラの赤出しをはさめば、最強の布陣の完成や。海鮮の出汁がきいた赤だしは、海の豊かさをダイレクトに感じさせてくれる。
「最近、ジョールさんも小野田くんも忙しそうだよね~全然会えてないな~」
前まではよく一緒に晩酌をしていた2人を、ここ最近ぜんぜん見ていない。
小野田さんのようにスパイを送ってくることがわかったため、シン王国の電子機器は軒並み使用禁止になっている。
そこでシェアを拡大したのは、ジョールさん開発の国産ポルタブル、オレイユだった。
今回、魔法ログの改善が大きな問題になったということで、魔法ログの変更ができないようロックがかかっている。それを開発したのは、小野田さんとファイ先生である。
そこで冷え込んだかと思ったシン王国とジャム共和国の関係だったが、「ジャム音楽」と「唐揚げ」がシン王国で大流行し、また逆に「シン王国ドラマ」と「麻婆豆腐」がジャム共和国で大流行したことで文化間での友好が深められた。
そんな世論が影響し、シン王国の他国への侵攻が立ち消えたらしい、ということだった。
小野田さんの元同僚からは、シン王国はジャム共和国を侵略するよりも、文化的かつ経済的なパートナーとして発展を支援する方針になった、と連絡があったそう。
ちなみに、その同僚は唐揚げ専門店を開業し、かなり儲かっているらしい。逆輸入の日も遠くない。




