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ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第7章 緑茶

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54_ほんまに遠いなあ




副大統領は、担任をしていた猫又族の九条くんの玄祖父ひいひいひいおじいさんだった。


面影があるような、ないような。だから九条くんは「とんがりコーン」を知っていたのかと納得する。


「体調をくずしましてな、政界引退の前にご臨終ですわ!カッカッカ」


ぜんぜん笑いごとちゃうけど!

そう言ってる通り、九条副大統領は前回の報告会で初めて会った。この国に長寿な猫又族として生まれ、魔力量が多くここまで上り詰めたのだとか。


「もちろん私も転生魔法に協力したよ。魔力と生命力を限界まで持っていかれたが、長寿族だからか、なぜか生き残ってしまった。」


九条大統領の表情から複雑な思いが伝わってくる。1人生き残ったその光景は相当なものだっただろう。


今回の5人改め6人の転生者を呼ぶという発案者は、九条副大統領だったそうだ。


副大統領は、異世界の研究者として世界的に有名らしく様々な本を出版していた。シーさんとジョールさん、小野田くんは読んだことがあったらしい。


「私の全盛期のころはね、色々な世界をのぞきに行ったもんだよ。召喚魔法も多くしてきた。小動物の命ははかないもんで、今はもう紹介できるような子はいないがね。」


その時に見た忘れられない世界が「日本」ということだった。その影響で家を建てたそう。


「チャムくんからはよく話を聞いていたよ。素晴らしい技術を我が国にもたらしてくれて本当にありがとう。改めて礼を言わせていただく。」


そこから日本の文化や建築技術、時代の移り変わり、世界情勢まで多くの話をした。副大統領からは、今までメモに貯めてきたという質問リストから多くの質問を投げられる。


あの乗り物はなんだ?細長い建物はどうやって建てたのか?なぜいつ見ても働いているのか?なぜどこを見ても清潔なのか?などなど、おもしろい着眼点だった。


「向こうには行けないんですか?向こうの人と会話することはできないんですか?」


小野田くんがしびれを切らしたように質問した。


「小野田くん話は聞いたよ。辛い思いをさせてしまったね。申し訳ないがつながるポイントはランダムだ。それに私の最盛期での魔力でも、見るだけで5年は貯めたよ。


 もちろんこちらから向こうに行くことはできない、言った通り霧散してしまうからね。これが今まで使ってきた魔道具だ。といっても現役は遠の昔に引退したんだがね。」


ふすまを開けると山のような投影魔道具が積まれていた。壊れているものから年季を感じさせるものまで多くある。


ジョールさんのテンションが一気に上がっているのがわかる。たとえ使えなくてもこれは素晴らしい魔道具たちなんだろう。


小野田くんは、副大統領の話を聞き、また究極の猫背の姿勢になっている。


それほどまでに元の世界は遠いのだ。


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