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ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第7章 緑茶

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51_やからやったんか




「この事実は、本当なのかね。」


国籍と経歴の詐称。もちろんビザなど持っているわけもない。終わりだった、せっかく手に入れたこの立場は、今この瞬間に終わってしまうのだと思った。


「こちらからご提案があります。」


移民管理局の職員と入れ替わり入ってきた人がいた。シン王国の宮廷関係者とのこと。


説明を受けてみると簡単だった。ジャム共和国内にあるポルタブル営業所に勤務しながら、そこで手に入れた情報を横流しすればいいのだ。そのあとの保証もしてもらえる。


渡りに船だった。どうしてもジャム共和国に戻りたかったが、国籍もビザもなければ正規の方法で戻れなかったからである。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


そうしてジャム共和国に来た。


ジョールさんとも仕事の関係で知り合い、私からの開発依頼を引き受けたタイミングで、シン王国から異常な依頼がくる。ジャム王国内の子どもを裏ルートから提供してほしいとのことだった。


それほどまでに情勢が悪化しているのか。


子どもたちは、何に使われるかわからない。でも成功しなければ、全てが無駄になるかもしれない。


迷いが出た末にウイルスを仕込んだはいいものの、子どもたちだけはどうしても引き渡すことができなかった。


『はじめの連絡とは違うけど、必ずここに行ってね。実は、別の日に変更になったから今日は家族が迎えに来るんだ。』


子どもが1人足りないときは、本当に焦った。もしかして、元の集合場所に行ったのではないかと。そうなれば自分の力では助けることはできない。


あの後、営業所も会社もクビになり、身の安全まで保障されなくなったがそれでもいいと思えた。


子どもたちは助かり、そして何よりジャム共和国には戻ることができた。


「でも、どうして私がスパイだとわかったんですか?」


日本での仕事を生かし、この国では追えないように技術ログを改ざんし、魔法ログですらピンポイントの雷魔法で書き換えてきた。


この力で最高技術責任者で上り詰めたというのに。だから、聞きたかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「国立付属校で働いているファイ先生のポルタブルですよ。」


ジャム大臣が答える。


そういえばオンライン研修用に、付属校で機能を追加しようとしたときファイ先生のポルタブルには、なぜか追加できなかったっけ。


ファイ先生は付属小で教師をしながらも、ジョールさんの機械開発職業訓練所に通っていた。


これからの時代、魔法の知識だけではどうにも教えきれない、と判断し勉強していたそう。やはり、首都で教鞭をとる先生方の向上心はすばらしい。


ジョールさんが話し始める。


「ファイ先生は、今期の訓練生の中でも本当に優秀だった。わしは転生者である以上、どうしても技術に偏ってしまうんだが、ファイ先生はそこがうまかった。」


そこで開発したジョールさん直伝のウイルスチェック機能に、ファイさんは個人的にいくつか改修をしていたそうだった。訓練所の卒業試験の成果物として提出するために。


教育省からの追加機能をはじくなんて、ウイルスチェック機能を厳しくしすぎたのかと、細かく見ていく中でファイ先生の魔チェック機能は魔法ログの書き換えを感知した。


「その情報を提供してもらい、今まで魔法省中心に調査を進めていたんだ。魔法ログの書き換えができることが分かると後は簡単だった。

 極めつけは、やはり子どもたちの端末と発見だな。小野田、子どもたちの現在地を取得してログは随時書き換えるようにしてだだろ。お前は優しすぎたよ。」


 私は小野田くんに、地元の子どもたちが行方不明になったことは伝えたが、人数までは伝えていなかった。


だから、先にカフェの中でファール先生の息子と地元校とどろき先生の長女が1人見つかった以上、ジョール先生の息子まで、彼が探すはずはなかったのだ。


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