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ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第7章 緑茶

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50/54

50_なんでそんなことになるん




「悲しいご報告がございます。転生者から国家転覆罪に問われる人が出てしまいました。」


ジャム大臣から転生召喚についての重大なミスについての説明が行われた。


実は今いる「農業」「機械」「医療」「教育」「経済」の他に、もう1分野を召喚していたとのことだった。


それは魔法省がつかさどる「魔法」分野。

でも、日本に残念ながら魔法は存在しない。召喚魔法も反応しなかった。


先に見つかった農業分野のイブさんと機械分野のジョールさんからも、日本に魔法が存在しないことを説明を受け、衝撃を受けながらもチャム大臣と魔法大臣は納得していた。


でも、魔法分野として転生している日本人がいたのだった。


会場に衝撃が走る中、私はもう気づいていた。


私たちは、それほどまでに分かりやすい基準をもっていた。むしろ、それにとらわれて生きてきたといっても過言ではない。


時間の厳守? ―― 違う、そもそも私があまり守れない。


誠実な態度? ―― 違う、誠心誠意相手にかかわる。これはとても重要ではある。


空気を読むこと? ―― 違う、たしかに大切だが、この国で空気は呼吸のためにある。それくらいはっきり言わないと伝わらない。


絶妙な距離感? ―― うん、日本人にはいきなり近づいても、距離を取りすぎてもだめだ。でも違う。


細部にこだわる専門性? ―― 違う、私がおおざっぱだ。傾向としては認める。



―― そう、「日本食への愛」「食への探求心」である。


隠しても隠し切れない。居酒屋TOKYOがそれを示してくれた。


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「小野田 隆明。前へ」


白虎族の小野田くんが、重い足取りで前に出てきた。


「あなたは、ポルタブル追加機能の開発端末に、シン王国製のウイルスを感染させたのですね?」


「あなたは、ジャム共和国で得た情報をシン王国に提供したのですね?」


「あなたは、シン王国のスパイであることは間違いありませんね?」


全ての問いかけに小野田くんが肯定する。身近な人が追及されている状況に、ソンコ大統領への報告のためそろっていた賢聖側からも、重い空気が流れる。


「僕は脅されていたんです。こうするしかありませんでした。」


その後の話によると、不遇な幼少期を送った小野田くんが抜け出すために行ったのが、シン王国への密入国だった。


工場で持ち前の風魔法や電気魔法を生かして働いていく中で、過去の知識を生かしどんどん昇進。ポルタブル会社の最高技術管理者までのぼり詰めた。


今までには見れなかった世界。魔法でも前世の知識でも、このシン王国ならもてはやされる。ありがたがってもらえる。この立場ならジャム共和国にも戻れる。


戻れるなら戻りたい。でも戻るためには多くの準備が必要だった。


そんな時だった。社長から呼び出されたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


―― シン王国内 ポルタブル開発会社


『小野田くん、悪いが今すぐ上まで来てくれるかね。』


社長から直接電話がかかってきたので、不思議に思いながら社長室に行く。


そこにいたのは、社長と移民管理局の職員だった。


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