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ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第7章 緑茶

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47_何してくれてんねん




今日もまた居酒屋TOKYOに来ていた。1人になりたくなかった。


「いらっしゃいませ~」


きよさんの声に笑いかけながら、今日は窓際のカウンター席に座る。1人になりたくないけど、1人でしっかり考えないといけない。


あれからしばらくして、ポルタブルの追加機能の記録媒体は回収され、ポルタブルを使用した研修は一時中断となっていた。


ジョールさん率いる調査委員会の結果によると、ウイルスの感染が認められたとのことだった。


記録魔法具に直接混入したわけでなく、開発用の端末に入っていたと報告を受けている。


結局、関係者が少なく甚大な被害が出なかったこと、大事にしたくないという都合もあり大きな問題にもなっていない。


小野田くんは責任を感じ、開発事業を廃業することになった。


そして、このような危険性を避けるべくポルタブル、およびそれに代わる端末の活用は控えるべきだという主張のもと、魔法振興協会の活動に日々邁進している。


そうはいっても、魔法だけでは農村部に至るまでの研修や今後の研修の幅は広がらない。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


―― 工業省 賢聖専用開発室


私はジョールさんが新しく開発してるというポルタブルに代わる国産製品を見に来ていた。

そこにしか希望はないかもしれへん。


「ジョールさんお邪魔します。見学の許可をくださってありがとうございます。」


「いいんだよ。向こうの椅子をもっておいで。」


ジョールさんが座っている位置の斜め向かいに座ると、ジョールさんの手元がよく見えた。


雷魔法や土魔法、無属性の様々な魔法を駆使して、作業をしているのが分かる。周りには、色々な工具から魔道具が散らばっている。


「今までもこうやってお1人で開発されていたんですか?」


「まさか。プロジェクト単位で動いていたよ。今回は特別だな。」


だから私1人で来なさいという指示があったのか。


「これは『オレイユ』と言う名前にしたよ。片耳に付けて使う。

 よりコンパクトなポルタブルだ。魔力を込めれば音声と同時に資料の投影もできる。」


ジョールさんそういって魔力を込めると、ジョールさんの目の前に何かが映り始めた。男の子が部屋でゲームをしている。


「ジョールさんなにこれ、日本人の男の子やん。盗撮したらあかんて!」


「ファッファ。盗撮ちがうわ、これわしのゲーム。」


『ッフハ!それを僕が中古で買った!』


向こうで男の子が笑いながら手を振っている。話を聞くとこの試作品の接続先が日本でジョールさんがよく使ってたゲームになってしまったらしい。


思わず手を振り返す。かわいい、中学生くらいかな。映像が崩れ始める。


「魔法って不思議ですね。」


そういった瞬間バツンと切れてしまった。


試作品の電源が切れたどころか、部屋まで真っ暗で光魔法を使ってあたりを照らす。ジョールさんの笑い声が聞こえる。


「これをすると、あたり一帯の魔力と電力が持っていかれる。」


「あかんやんけーー!なに気軽に停魔電おこしてるんですか!」


「ファッファッファ」


わろてる場合ちゃうって。


ちょっと待って、工業省ってミニシパル校のバー先生ご実家に近かったような。そこ魔力で動く工場やったよな。


犯人おまえかーーーーーーーー!!!


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