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ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第6章 酢の物

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40/54

40_進めるのって大変やわ

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就学前教育の拠点校には、地元のミニシパル校を選んだ。


久しぶりの学校に来たからには、子どもたちに会いに行かないと!校長先生への挨拶とプロジェクトの紹介もそこそこに教室に向かった。


私の後任としてクラスを見てくれているユニコーン族のセーヌ先生にもお礼を言いたい。


「炎魔法で火が大きくなってしまいました。周りには森と湖があります。みんなならどうしますか?」


『水魔法で消す~』『木が危ないから切る!』『えー僕こわいから逃げちゃうかも』『風魔法で湖の水を吹きかける~』


ちょうど魔法の授業をしていたので後ろからこっそり観察する。あ~癒される。


「この時は魔法同士の相性が大事でしたね!では、考えてみま…あらあら、まあまあ」


セーヌ先生に見つかってしまった。一斉に子どもたちも振り返る。


『え、アビ先生やん』『いつからみてたのー?』『何してるの~?』『会いたかった!』


大盛り上がりになってしまったクラスと一緒に、歌を歌ってその場を収める。


よろこびの歌を全力で歌って満足したのか、子どもたちはセーヌ先生が指示した問題を必死で解いている。


「戻ってこられたんですね、アビ先生。待ってましたよ!」


「いえいえ、といっても少しだけなんです。新しいプロジェクトでここを拠点校にさせてもらって。」


さっき校長先生から許可をもらった「就学前教育」と「特別支援教育」をこの学校で取り組むことを伝えた。


「まあまあ。そんなプロジェクトが始まるのね。また忙しくなるわね。」


セーヌ先生ならではのゆったりした余裕のある返事に少し元気をもらう。


ここからの説明会が大変なんよな~。


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付属小同様、地元でも説明会を開いたが首都ほど反発がなかった。


首都とは違い、保護者の学力層もやはり地方の方が下がる。


なるべく簡単に複数の方言を使ってを説明をしたが、保護者としては教育省や学校が言うならどうぞ、という感じなのかもしれない。


こういう態度が、就学前教育が行われない原因にもなっている気がする。


シーさんの手配で、この地域の未就園児の把握が急速に進められることになった。そこにかかる費用は、チャム大臣の手腕で大きな問題になることはない。


意外と多かった未就園児の中には、7歳を超えている子どもたちも少なからずいた。しかし、大体の子が特別支援教育の対象になる状態だった。


今回導入した特別支援教育により、その子たちを受けいれることができたが児童数が1割増え、各学級の人数が65人となった。


これでチャム大臣に確保してもらった特別支援教育の担任が増えてなかったら、どんな反発があったか想像したくもない。


授業中に朝ごはんを食べるオーク族のジョング先生や、学校をよく抜け出している炎狐族のとどろき先生からは苦言をもらった。


「アビ先生。頑張るのはいいんだけれどね~。」

「補助の先生がいなかったら、こんなに増えてどうなるかと思ったよ。頼むよ、ほんとに」


あんたら増えたん5人やんけ~~補助もつけとる!!!


まあ、気持ちはわからなくもない。日本の35人でもきついのに、65人はもうお祭り騒ぎになってしまう。


低学年になればなるほど公用語が通じないせいで、指示も通らないことが多々あるのだ。


少人数学級化を早く進めたいが、まずは「就学前教育」と「特別支援教育」の成果を出してから。ギラシー大臣は、あの見た目と圧通りかなり厳しい。


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