表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第5章 煮物

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/54

30_地元ってやっぱええよなあ




甥っ子姪っ子から盛大な歓迎というか襲撃を受けた私は、落ちるように家に向かう。


「たっだいまああああああ!!!!!」


甥っ子たち顔負けのスライディング着地になった私は、まだまだ小学校で働ける。こういう遊び心が大切なんよな。と納得させていると


『『おかえり、アビ!』』


兄のマイサとその奥さんの文さん、姉のンダイアワからハグで出迎えてもらった。ンダイアワの旦那さんは、シン王国に出張らしい。


落ちる前には、きれいに離れていった甥っ子たちも、ちゃっかり後ろからハグ。


「しばらくぶりやな~元気しとったんか!」


兄のマイサは、私と同じ不死鳥族。文さんは、青の八咫烏族。ンダイアワは、父譲りのコカトリス族。


やっぱり結婚するとなると、似た種族になっちゃうんよな~。日常会話や民族同士の文化の壁は、ここでも影響してくる。


「今日帰ってくる言うてたのに、ずいぶん遅いやん~。待ちきれんくて、マイサの家来てもうたわ。」


なんか姉が年々母に似てくるのは、気のせいやろか。


「ごめんごめん、ハディジャの家行っててん。みんな元気にしてたわ」


「ほなよかった。あんた、お腹へってんの?晩御飯できてんで」


ンダイアワと文さんは、マイサと付き合う前からの友達だったせいか、自分の家かのように過ごしている。


本当は私の両親と同居するはずだったが、若い世代の反対と、この国の中では比較的先進的な私の両親の意向で、兄夫婦は新居を実家の近所に建てた。


そういうこともあって、姉は旦那さんの実家から頻繁に兄の家に遊びに来ている。


「ハディジャの家で食べてきたから、そんなお腹へってへんで、私」


「まあまあ」『まあまあ』


文さんまで私の前に大皿の中のソースを寄せてくれる。それを真似した姪っ子はパンまで。多いて~


家の庭で晩酌をしながら、最近の仕事の話を聞いてもらう。


月に照らされて羽ばたく甥っ子姪っ子がきれい。今日は特別に夜の空で遊んでいる。

と感動していたら、喧嘩して1人というか1羽が泣いて帰ってきた。


「へ~そんな仕事してんねや。ジャム人ゆっくりしてるからな~。まあアビならいけるやろ。」

「でもまあ、アビはジャム人として、ここでうちらの家族になったわけやろ。ほな頑張らなあかんわな。」

「てか、俺覚えてんで。日本のご飯やーいうて、なんか作ってたやろ?」

「あ~!そーやそーや、懐かしいわ。アビ、必死でミソってやつ作ってたよな!」

「えっ、私も食べてみたいわ~。ミソって日本の料理なん?」

「ミソシルいうたかな? あんな必死なアビ、先生なる時の魔法試験前しか見んかったわ」


兄と姉の何とも絶妙な励ましをもらいながら、夜が過ぎていった。本当にここの人たちは、関西人並みの怒涛トークを繰り広げる。


気づくと甥っ子たちは庭の端で集まって寝ていた。この国では、外で寝ることも多い。私も今度寝てみよう。開放感がすごいんよな。


「ほな、私そろそろ帰るわ!めっちゃ元気出た、ありがとうな。」


「泊まっていったらええのに~。」『ええのに~』


ンダイアワは泊まって帰るようだった。寝ぼけ眼の甥っ子たちもそう言ってくれるが、準備もあるので帰る。


本当に距離が近くて、お節介で、何よりあたたかい。


やっぱりこの国の家族も、この国も、地元も大好きやな~と実感する休日を過ごした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ