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ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第5章 煮物

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29/55

29_なんでよその子成長はこんな早いんや

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どっと疲れた私は転移魔法の恩恵を受けて、休日の朝から地元に帰って来ていた。


さっそく牛型というよりホルスタイン型獣人ハディジャのヨーグルト屋兼雑貨屋さんへ向かう。

無性に、ハディジャのヨーグルトが食べたい。


「ハディジャ~~~~~~~」


「どないした~ん。おかえり、おかえり。はい、ヨーグルト」


「ただいま~。もうあかんわ、ほんまに。みんなもヤギもげんき?」


「みんな元気してんで!ヤギもご飯食べるようなったわ、ありがと!まずは、アビも食べること!ようさん食べて!」


スプーンを刺せばスッとのって、形を保っているヨーグルトは、さながら「牧〇の朝」

ほどよい酸味と甘さ、濃厚なミルク感がたまらない。


これに水分を足した飲むヨーグルトも凍らせたヨーグルトアイスも、小さい頃からの定番のおやつ。


「アビッ!!!」「アビ~!!!」


奥からハディジャの双子の娘ンダイアスとアストゥが飛びついてくる。


「もう3歳になったんやもんな~早いなあ。」


『うん!!』


「この前出産のお祝いしたと思ったのに、もう3歳。時間が早すぎるわ~」


「産んだ後も色々ありがとうな~アビがよく家に遊びに来てくれたから、気晴らしできたわ。」


この国では、家族や地域みんなで子育てをする文化がある。日本のように子連れで遊びに行けるようなところもないから、ほぼ家で過ごすことになる。


ハディジャも旦那さんの実家の大家族といっしょに過ごしているけど、休日はよく遊びに来ていた。


3歳になったとはいえ、まだまだ子育ては大変そう。やっぱり母は強し。世のお母さんたちを尊敬する。


そのままお昼まで一緒に食べた後は、ずっと会えてなかった兄と姉に会いに行く。最近の話をしないと怒られるからだ。


この国の人たちは家族でも赤の他人であっても、どうにも距離感が近い。


日本人としての気質が残って、密じゃないことに慣れていた私にとっては難しい。気づくと距離を開けすぎて心配される。


まずは、近くに住む兄の家に向かった。何事も年長者を立てないとね。


ジャム共和国も年功序列は、大切にしている。何かを渡す時もまずは年長者から。


首都の空気より乾燥しているなあと思いながら、兄の家までを飛ぶ。


一度故郷を離れるだけで、ただの移動ですらも感慨深くなってしまう。


首都は海に近いが、内陸にある私の地元は砂の街。飛んでいるだけで砂が飛んでくるから、眼鏡が欠かせない。ほんまはゴーグルの方がいい気がする。


そんなことを考えていると、兄の家が見えてきた。と思ったら、上からたくさんの鳥影が近づいてくる。


『ア~~~~~ビ~~~~~~~~!!!!!』


甥っ子姪っ子たち襲来。かわしたと思ったら、別の子が飛んでくる。ああ、はげっしい。


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