23_連絡の頻度ってほんま人それぞれよな。
昼食後には、各グループで実践編の確認をするとのことだった。
しかし、昼食後の集合が遅れたせいか、各グループ1人が試しただけの時間で終了となってしまった。
どないなっとんねーーん。ええ加減すぎるやろ!
そんなこんなで、人事局の研修課が開催する研修は終わってしまった。
基礎教育局も先が思いやられる。
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―― 基礎教育局の会議室
教師配置・研修課と学校監督課の2つが、合同で研修を開催すると聞いている。
開始時刻になったが、もちろん誰もいない。
警備員に私が伝え、鍵を開けてもらった。え、タイムループしてる?
と私が焦ったところで、さっそく参加者が来た。
なぜ開催者が先に来て、準備をしないのか。
しかも会場をおさえているだけで、人事局同様、机や足りない椅子は参加者でどうにかしている。
そのせいで研修開始後もバタバタして、なかなか始まらないのは恒例行事。
人事課同様、初めの参加者に声をかける。
「はじめまして。教育省で働いているアビ・ンダオと申します。」
「はじめまして。マタム教育委員会の初等教育局長をしております、田中と申します。」
田中局長は炎狐族だった。白い毛並みに赤いポイントが美しい。
今回の研修テーマは
「授業の構成と授業評価のポイント」
ということで、彼は評価シートまで事前に準備してきていた。
こちらも、結局30分遅れで始まった研修は、たいして人事局の研修と変わらなかった。
このままでは、どちらの内容も各地方で広まらない状態で、自然消滅するのは目に見えていた。
ここから改革が必要だ。
ああ、大人じゃなくて、子どもたちに会いたい。
TOKYOだけでは収まらないほどの、疲労感が体を覆っていた。身体的というか、精神的に。
帰ろう。帰りたい。
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週半ばでは、私の帰りたい欲求は叶わず、約束通り国立付属の小学校に行くことになった。
昨日は疲れすぎて、ひたすらぬか床を混ぜていた。
混ぜすぎてしまった。せっかくイブさんから分けてもらったぬか床なのに。
ストレスでぬか床を犠牲にするなんて。
地元の友達に電話もかけた。
『ハディジャ~~~~』
『おう、久しぶりやんけ。元気しとったか~?』
上京前には、少ししか話せなかったハディジャの声を聞くだけで、気が緩む。
あれから何度か連絡来ていたが、ポルタブルの不所持で全然連絡が返せてなかった。これは日本にいた頃から変わらない。
ジャム王国は連絡が密すぎて疲れることがある。気づいたら、すぐ電話してくるのだ。
いずれ、教育関係者からの確認の電話が、どんどんかかってくるようになるはず。
その点ハディジャは、ジャム人には珍しく連絡頻度が控えめで、過ごしやすかった。




