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ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第4章 焼き魚

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20_まあそれはそれで、うまいか




「これな、私がここに生まれる前の国のご飯やねん~」


そういって、おにぎりと玉子焼き、玉ねぎの味噌汁を家族にふるまったことがある。


味噌は、ばあちゃん直伝。といっても、こっちで米麹を作るのが難しく、本当に苦労した。


カビさせたり、酸っぱくなったり、黒くなったり、赤くなったり。我慢できずにそのまま使ったときは、お腹を盛大に壊した。


苦労の味噌である。


「何してるか思ったら、あんたこれ作ってたん~」

「うーむ」


母は好奇心強めだが、味覚に合うのか。保守的な父は、食べる前から微妙な顔だ。


兄のマイサは、あとで食べると言って、遊びに行ってしまった。あれは食べないやつや。


この国の「あとで」は、関西人の「考えとく」と同義だ。ほぼ確で、ない。


「ミソシル、おいしいなあ!」


姉のンダイアワの言葉に喜んだが、これ以降一度も飲んでいない。私の苦労を見こした優しい言葉だった。


「作ってくれて、ありがとうな~」

「うーむ」


不発も不発。家族の優しさが身に染みる日本食初お披露目となった。残りは、もちろん私が爆食させていただいた。


そういえば、唐揚げは好評やったか。


この街には、ジョロフチキンというチキン屋さんがある。


日本で言うフライドチキンやハンバーガーを売っている店だ。


「日本版ジョロフチキンやで~」


と言いながら出した唐揚げは、みんな美味しいと言って食べてくれ、そのままイベントの日に私が作るようになった。


それ以降、こっちの食材で作ることができる、かつ好評な料理には出会えず、他の料理をふるまうことはなくなってしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「ほんまに。日本にいた頃は、あんなに食に恵まれていたなんて考えられないですね。」


ジャム王国の料理を紹介すると、朝はパンに豆を煮たソースやオムレツをはさむ。ソースもオムレツも、油と塩分たっぷりだ。


たまに、ソーと呼ばれるヨーグルトや、それにチャックリと呼ばれる穀物と砂糖を入れて食べる。


昼は、油でいためたタイ米のような米に、これまた野菜や魚か肉で煮込まれたソースがかかっている。

もちろんソースには、油とスパイス、塩分たっぷりだ。


レパートリーも少なく大皿にドーンと盛って、みんなで囲んで食べる。


1週間に同じソースを3度食べることになった時は、さすがに母に泣きついた。


夜ご飯もパンか短いパスタと一緒に、レタスの上にソースがのった大皿をみんなで囲って食べる。玉ねぎのソースが定番。


毎日ずっと同じようなご飯が出される食生活は、家族の団らんがあればこそ耐えられた。


みんなで囲むご飯は、それほどまでにおいしい。日本でいう、鍋みたいなもの。


毎日お昼は鍋やで。と言われたらどうやろうか。しかも、毎日もつ鍋レベルに重い。


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