18_仕事で食事付きってええよな
いよいよ会議の日がやってきた。
それぞの課から回答期限を延ばしてほしいと連絡があり、それもそうかと納得した私は、結局あれから1週間が経っていた。
時間経ちすぎやろ!
連絡すると、もう少しだのなんだの言っていたが、現時点で資料をまとめるように伝え、開催を強行することにした。
これだから、この国では物事が進まない。
今日の議題は3つ。
人事局の研修課には、「複製魔法の使い手と投影魔法の使い手を、地方教育委員会にいたるまで、どのように育成していくか」の回答。
基礎教育局の2つの課には、「地方の教育委員会における持続的な研修制度をどうしていくのか」の回答。
私からは、ジョールさんに確認したポルタブルの追加機能と、魔道具の開発、魔力補助塔の改修を伝える。
さあ、会議に参加者は来てくれるのか。
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結局予定時刻から、45分後遅れで参加者が全員そろった。
各課から2名、教育省からも2名、そして私の9名だ。
どんだけ時間かかるねん!
まず、人事局の研修課は、「第2の首都でありジャム王国の中心に位置するトゥーバを研修拠点とする」「各地域ごとに教育委員会の研修担当と副委員会長を呼び、研修方法を伝え、研修の開催スケジュールを報告させる」と回答があった。
基礎教育局も同様、「担当者を設けて、開催スケジュールと人事評価を紐づける」「ポルタブルによる研修を一括で行う拠点校の育成に注力する」との回答をもらった。
私からは、研修方法や内容の考案と拠点校の育成に参加する旨を伝えた。
「少しいいかね?」
今回、初顔合わせとなった人事局の研修課の課長から声が上がる。彼は、真っ黄色の天狗族。
真っ赤なカマラ課長の隣に座ったもんだから、目がチカチカする。あれ?ロー課長が霞んでる。
「研修課課長の笹山だ。今回の研修で発生した費用はどうするのかね?現場からは、日当を支払えと苦情がくると思うが。」
「そこの点は、業務範囲内で行ってもらうように伝えたはずです。ただ休日開催になった分は、別途予算を組んでの開催が可能かと。」
この国の研修には、なぜか朝食や昼食を出す文化がある。
研修費用の見直しをしていると、その朝食や昼食で項目が設けられ、そこに多額の費用が使われていた。
ご飯くらい自分食べて、参加しなはれ!
と、言いつつも自分も食事がでる研修に喜んで参加する教員の気持ちもよく分かった。
食事が出るから、参加するという文化をなくしていかなくてはいけないし、それなしに働きたいと思える研修にしていかないといけない。
一気にその費用を削ることはできないが、本当に必要な分を残し、研修自体の費用に充てることにした。




