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ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第3章 お漬物

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16/54

16_時間ないけど、ごめんやん




今日は、基礎教育局との約束がある。しかも2つの課!


1つ目の課は、教師配置・研修課で、幼稚園・小学校教師の採用、配置、研修を管理している。

人事課の研修課と違うのは、幼稚園・小学校の内容に特化しているということだ。


2つ目の課は、学校管理課で、地方教育委員会と連携し、学校運営を監督している。

ここが、地方や農村部の教育の要となってくる。



人事局の下のフロアが、基礎教育局のフロアになっているようだ。


教師配置・研修課はすぐ見つかった。


ここには、「東〇進プロジェクト」を活用して、教員の質を上げる研修に私が参加すると伝えにきた。


魚人族であるカマラ課長は、すぐに来てくれ了承を得ることができた。


それどころか、学校管理課のロー課長まで、その場に呼んでくれ話を進めることができた。


「はじめまして。学校管理課長のローと申します。」


薄茶色のドラゴニュート族であるロー課長と真っ赤なカマラ課長は、2人そろうと色のコントラストがすごいな。ロー課長の影がうすい…


「魔道具とポルタブルを活用し、教員研修を行うことで、継続的かつ広範囲の研修が見込めると思うのです。」

「とてもよい取り組みだと思います。しかし、地方の教育委員会になればなるほど、定着率が下がるのを防ぐのが本当に難しく、対処しかねているところです。」


地元で働いていた時、教育省から打ち出された研修が開かれたにもかかわらず、その話を聞いたのは半年後だった。


それも同期からだ。教育委員会も研修が遅れ、校内での情報共有も一部の教員にしかされなかったためだ。


その時配られた記録が入った魔道具も活用されている様子はない。


自分自身でも体験した、地方教育委員会と教員のずさんさを思い出し、ロー課長の言葉にうなずくしかできない。


今までにいくつかのプロジェクトや他国の支援が入ってきたが、どれもはじめだけで続かない。


どうすれば続き、向上していくことができるのか。


「教育の質向上は何のためにあると思いますか?」


この際、2人の課長に聞いてみる。


「ジャム共和国の発展のためでは?」

「わが国は、他国特にシン王国に比べて学力が低く、このままではいけないからだ。」


それぞれが慎重に答えてくれる。


「私もその通りだと思います。そして特に、子どもたちの幸せのためではないですか?


 教育の質が上がれば、就学率が上がり、仕事に就くだけじゃなく、仕事を生み出すこともできます。海外での雇用も生まれるでしょう。


 育った知識人は、自分の生活を豊かにするために力を尽くします。


 そして気づけば、人に頼らず神のせいにもせず、自分の手で幸せを創る力を手に入れることができるのです。


 だから、教育の質をあげましょう!

 子どもたちの心を守り、のびのびと伸びるままにできる環境を作りましょう!」


2人の課長は、その通りだというようにうなづいてくれた。


しかし、現場の教育委員会や教員に、この思いを理解してもらうことが重要だ。


この2人には、地方の教育委員会における持続的な研修制度をどうしていくのかを、会議で話してもらうことにした。


会議まで、残り1日。



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