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ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第3章 お漬物

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15_話の途中で出ていかんといてくれや




今日は、人事局の研修課に行くことになっていた。

研修課は、初任者研修や継続的な職員研修を企画・実施している課だ。


ここには、「複製魔法と投影魔法の使い手を増やす」プロジェクトへの参加を提案しに来た。


研修が足りていないことが課題だが、研修者の負担が大きくては実施できない。


そこを魔道具の複製と、その魔道具を使った投影魔法の使い手を増やすことで、一人の研修者の内容を、国全体に広げようでないか、というものだ。


名付けて「東〇進プロジェクト」!!!


まずは、使い手の育成費用と元となる魔道具をどうするかだな~。


「失礼します。教育省担当賢聖の、アビ・ンダオです。課長はいらっしゃいますでしょうか?」


「課長はただいま席を外しておりまして。副課長である私が担当させていただきます。」


事前に伝えたにもかかわらず、出てきたのはフェンリル族のトゥーレ副課長だった。黄緑の毛並みがとても美しい。なでたい衝動にかられる。


トゥーレ副課長に「東〇進プロジェクト」の概要を説明し、複製魔法と投影魔法の使い手を増やすことや魔道具に対する意見を求めた。


「魔法の使い手を増やすことは可能です。一斉に研修を行えば済むだけなので。しかし、魔道具の在庫も各教育委員会の購入費用も足りません。」


事実そうだった。


ポルタブルが鳴る。その音に反応して、トゥーレ副課長は、部屋を出て行ってしまった。

この国では、客人がいても授業中でも気にせず電話に出てしまう。


本当に敬意がある相手の前では、もちろん出ない。私は無力感に襲われた。


でも、魔道具がなければ、研修用の内容を理解してもらうことは難しい。


日本みたいにスマホで資料を共有して会議ができればいいのに。この世界で魔法だけで行うには、よほどの魔力量がいる。転移魔法が特権になっているのも、その影響だった。


全ての教員にその魔力量があるわけではない。


そこで思いつく。ポルタブルを介して行えばいいのでは?

戻ってきたトゥーレさんに相談する。


「ポルタブルでの受信・送信も、魔力量の差のせいで難しいのではないですかね?受信できる教員ばかりが、魔力の負担を強いられると不満も出てくると思います。」


「たしかにそうですね。資料をリアルタイムで表示できる機能も開発しなくてはいけないですし、農村部では魔力補助塔が普及していないため、教員の魔力差により大きな課題がありますね。」


代わりのポルタブルでも課題が残ったが、魔力補助塔や魔道具をどうにかする間口になりそうなことはわかった。


今日の夜、ジョールさんにポルタブルのいい技術者がいないかを聞いてみないといけない。

もちろん魔力補助塔や魔道具についても相談する。


小さな研修では問題ないが、どの道大きな研修では魔道具による投影魔法が必要になってくる。


教育省の予算だけでは、到底まかなえない。


ひとまずトゥーレ副課長には、複製魔法の使い手と投影魔法の使い手を、地方教育委員会にいたるまで、どのように育成していくかの回答を依頼することにした。


会議まで、残り2日。


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