表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第3章 お漬物

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/54

14_居酒屋の方が日本らしいよな




家からすぐのレストランTOKYOに遊びに来た。

きよさんの声に癒され、吸い込まれるようにカウンターに座る。


隣には、ジョールさんが晩酌をしていた。


「ジョールさん~~~。聞いてください~~~。」


これだけ疲れていても、逆に疲れているからこそ、今日のおすすめを一瞬でチェックした私は、オーダーだけはすぐに済まして、ジョールさんに声をかける。


「なんだ、なんだ。」


ビールを片手に、つくねを食べるジョールさんは、いきなり頭を机に預ける私を見て驚いている。


今日の会議と一連の話を伝えると、ジョールさんはファッファと笑った。


忘れているかもしれないが、彼(彼女)は、女型のゴーレムだ。しかもナイスバディ。


「それが、この国ジャム共和国だ。アビも知っているだろう、このジャムという言葉の意味を。」


この国名であるジャムは、「平和」という意味だ。


ジャム王国がタルタール王国に支配される前、栄えていた民族の言葉からとった。


今はその民族は、どこに行ったのかわからない。

各地の民族の由来となる言葉の数々を残して、消えてしまった。

奴隷として、1番多くさらわれていったことが原因だ。


タルタール王国でも、反乱を起こし残っているものはいないと聞く。

その悲しい歴史を忘れないために、独立の時に名前が付けられた。



「そんな国だからこそ、争いは起きないが向上もない。知識は定着しにくくなったことに加えて、隣国であるシン王国の発展に影響を受けて、国民は自分たちの発展をあきらめてしまっている。」


神だけが先を知ってるんだよ~、仕方ないよ~、いいんだよ~、恵んでくれよ~


これは、ジャム王国でよく聞く言葉だ。


自分たちの間違いや周りの怠惰で、人を責めない。

許しこそ全て。それが、この国の優しさであり、正義。


実際、貧困層が多いせいで犯罪率は高いが、人を助ける頻度は圧倒的に高い。


人が迷惑をかけ合うことを、許す社会でもある。


と、考え込んでいると、ジョールさんから、つくねが差し出された。


「ほれ、食え!どこの国にもいいところ、悪いところがある。」


ほおばったつくねの甘辛いタレが、心にしみる。


「日本のいいところは、圧倒的に食のレベルの高さやな~」

「ファッファ、ちがいねえ!」


結局、盛り上がるのは食の話で、この日も最後は米の話をした。



そういえば、レストランTOKYOが改名をしたらしい。


ジョールさんやイブさんがいうには、ここはどう考えも居酒屋じゃないか、とのことだった。


私も薄々そう思っていた。

なんなら居酒屋としてしか使っていないのは、私かもしれない。


これからも通い続けます。

レストランTOKYOならぬ、「居酒屋TOKYO」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ