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ブラック教員が異世界転生~そうそう、こういう働き方がええねん~  作者: ふとん
第3章 お漬物

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11/54

11_こういう時は、食べたらええねん




「首都のケドゥグで働くことになったから、みんなと一緒に入れる時間が少し減ります。その代わりは、たくさん学校で働いてきた、セーヌ先生が勉強を教えてくれることになったから、安心してね。」


『がんばってね』『さびしい~』『セーヌ先生、ユニコーン族だあ』


結局、子どもたちと離れたくなくて、時々こっちの学校にも顔を出すことになった。


国立だけじゃなくて、地方の学校もよく知っておかないと、現場にあった改革はできない。


他の教職員にも挨拶を済ませ、自宅に戻る準備をする。その前にセーヌ先生にも引継ぎ。


「こちらが子どもたちの資料になります。なにか困ったことがあれば、いつでも連絡してくださいね。」

「ありがとうございます。アビ先生の大切な子どもたちをしっかり見させてもらいますね」


挨拶もそこそこに、実家に戻ってきた私は荷造りをしながら、母親に一連のことを伝える。


「昔から変わってるって思ったら、そんな大層なことなって。がんばってきてな。お母さん、こっから応援してるから…。って、あんた、シーさんって隣町のDr.シーの末娘さんやないの」


感動の涙を流そうとしたら、やっぱり同じ北部のシーさんは、母の知り合いだったようだ。


シーさん一家の話が広がり、いつの間にか隣町の定食屋さんの話になっていた。


そのころには、荷造りも終わり転移位置に、最後の荷物を置くだけになっていた。


「家族でこうやってご飯を囲むのも、しばらく先になるなあ」

「お兄ちゃんもお姉ちゃんも、実家の近くに住んでるやん~」

「それとこれとは、違うねん」


「アビ、頑張ってくるんやで~~~俺は誇らしい!」

「お父さんまで、ちょっともう!」


みんなで手づかみで食べるこのご飯も、しばらくはお預けやなあ。

味が濃くて油っぽいけど、これが今の世界の家族の味。


結局どこの世界に行っても、母の味は大好きになるもの。

外国に行くわけでもないのに、しんみりなりながら最後の夜ご飯が過ぎていった。


「じゃあ、向こうに布団もおくってもたから、もう行くなあ。」

「元気でな」

「ちゃんと連絡するんやで。あんた、気づいたらポルタブルどっかやるんやから。携帯するから、ポルタブルやねんで」

「わかった、わかった」


両親の愛を一心に受けながら、転移位置に入っていく。


「それにしても、義務教育の拡充と教員研修なんか、どないしたらええんや」


ーーーーーーーーーーーーーーーー


気づけば、チャム大臣に用意してもらった部屋にいた。


今日使うものだけを開封しながら、今後の教育改革を考え始める。


「ずっと家族みんなでいたから、めっちゃ寂しいな」


独り言が余計寂しさを掻き立てるから、身支度を整えて出かける準備をする。


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