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銀河帝国の歩き方  作者: 沙月Q


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用語集 - 「銀河皇帝のいない八月」第二章より

(本編における登場順)

【ラ家】

銀河帝国の大公家。

銀河皇帝ゼン=ゼン・ラ二〇四世を輩出したことにより「第一公家」の称号を得ている。

当主は(レディ)ユリイラ=リイ・ラ。

帝国における政治、産業、文化に絶大な影響力を持ち、帝国軍に属するかなりの戦力を牛耳っている。

母星、〈鏡夢(カガム)〉を中心とした広大な超空間路網の支配権も握っており、事実上、帝国はラ家が支配していると見る向きも多い。

時として、その運営方針は〈法典(ガラクオド)〉の定めからの逸脱を伴い、元老院で問題視されることもある。


【惑星〈鏡夢(カガム)〉】

銀河系北西星域に位置する、鏡夢(カガム)星系の第二惑星。

ラ家の母星。

帝国軍の一大拠点でもあり、機動艦隊他の重要基地となっている。

惑星表面の九割を荒れ狂う大洋に覆われており、はるか上空での気候が最も安定しているという特異な環境を持つ。

人類の居住地域は、その大洋に聳え立つ〈サロウ城市〉のみ。


【サロウ城市】

惑星〈鏡夢(カガム)〉に存在する唯一の都市。

荒れ狂った大洋に浮かぶ広大な岩山の上に築かれた、巨大多層構造都市。

何層にも積み重なった超高層建造物の複合体であり、最上部は海上から千メートルを遥かに超える。

最も気候の安定した最上部に、ラ家の私邸〈サロウ城〉がある。


【サロウ城】

サロウ城市最上層部に築かれたラ家の私邸。

上層の最も気候の安定した高度に建てられており、居住者は常に快適な環境下にある。

広大な敷地には巨大な城に近い邸宅と庭園が広がり、ラ家の権勢を象徴するような威容を誇っている。

また、その直下層は帝国軍の司令基地となっており、非常時には要塞としても機能する。


【銀河帝国大審判院】

銀河帝国の高等司法機関。

特に、帝国政府の人事における〈法典(ガラクオド)〉の適用、運用についての判断を行う。

数千年に及ぶ判例データベースを所有し、それらを取り扱う特殊能力を備えた最高審判官と呼ばれる官職によって運営されている。


【白色光弾砲】

銀河帝国で広く使われている兵器。

粒子ビーム砲の一種で、星百合由来のチェルガムノ粒子を亜光速に加速して発射する。

宇宙戦闘艦などに搭載される大型の長射程砲で、最高レベルの感力場、あるいは完断絶シールドでなければ防御できない。

発射時、白色に輝く光線を引く。

これは〈法典(ガラクオド)〉によって定められた仕様であり、完全無色のビーム兵器を開発、使用することは、技術的に可能であっても禁じられている。


【インピッド】

ワモー星系の第六惑星〈紅石(クリズ)〉を母星とする昆虫型人類。

特殊な思念波と分泌される化学物質で繋がった群体が一つの巨大な頭脳となり、他の人類には不可能な早さと精緻さで論理計算を行える一種の集合生命体。

その能力を活かし、広大な銀河帝国全域の行政システムを、皇帝、元老院の方針に従って管理、運用している。

帝国との古い契約によって、定められたペースでの繁殖とそのための安全を保証されており、それ以外のいかなる富や権勢にも無関心である。

個体の時間感覚はヒト型のそれとかかけ離れて速く、一対一では普通にコミュニケーションを取ることもできない。

個体の寿命は極端に短く、約五年ほど。

他人種との交渉は、遺伝子レベルの条件付けと訓練によって対話能力を身につけた〈対面者(インターフェース)〉と呼ばれる者たちが当たり、その中から元老院議員も選出される。


皇冠(クラウン)

銀河皇帝がその権威の象徴として頭にいただく冠。

実体は星百合(スターリリィ)の一部から成る機械生物であり、着用者の情報知識ナビゲーターとして機能する。

青い半透明の鉱物でできた円環で、ところどころから小さなトゲが伸びている。

着用者の意思によって、変形させることも可能。

その機能を発揮できるかは着用者とその種族との相性次第であり、適応しない場合は単なる装飾品となる。


【ウォーワーム】

銀河帝国で使用される生物兵器。

全長四〇センチ〜三十メートル。

鋭い牙が並んだ口吻部から、金属質の長い管状の体が伸びている大型節足類。

最小サイズの幼体が目的地に侵入し、巨大化して敵に襲いかかかる。

キーパーロッドと呼ばれる特殊電波の発信装置で制御可能だが、それが失われると人間や生物に見境なく襲いかかる。


【惑星〈青砂〉】

青砂星系の第三惑星。

ネープたちの本拠地。

地表のほとんどを深い渓谷で細かく穿たれた青い岩石台地に覆われているが、気候的に極めて安定している。

地上の建造物はネープたちの本部である〈守護闘士宮(ネイペレス)〉のみ。

彼らの総司令部は衛星軌道上に浮かぶ戦略(ウォー)ステーションにある。

ネープたちと銀河皇帝、〈皇冠授与の儀〉に立ち会う元老院議員以外の人間は、地上への立ち入りが禁じられている禁忌の地。


玉座機(スロノギア)

銀河皇帝が即位と同時にネープたちから与えられる機械生物。

あらゆる形に変形可能な自律金属でできており、文字通りの「玉座」から様々な乗用機械にその姿を変える。

主である銀河皇帝の意思に従って動作し、身体機能を拡張する義体としても機能する。

大きさによって一号から四号に分類される。


【ナスーカ教】

銀河帝国に広く普及している宗教とその勢力組織。

星百合(スターリリィ)そのものを信奉しており、異なる教義を持った様々な流派が存在する。

大きな戦力を有し武装闘争やテロも行うが、元老院や大公家にも信徒、シンパが多数いる。

星百合(スターリリィ)の一部を使った認識拡張術の研究も独自に進めており、一定の成果を上げている。


【バトルカヌー】

銀河帝国に広く普及している一人乗りの単座式戦闘宇宙艇。

航続距離は短いが、高い機動性を誇り帝国軍にも採用されている。

低重力下でも使用可能。


【亜高速エンジン】

銀河帝国で使われる宇宙船に広く採用されている通常宇宙航行機関。

チェルガムノ粒子を推進剤として使用し、これを触媒と反応させることで超高速の推進力を得る。

船の乗員に危険なほどの急加速が可能だが、一般的船舶では重力導線系システムを併用することで加速重力を中和する。


流体脳フリュコム

銀河帝国に広く普及している計算思考システム。

いわゆるコンピュータだが、機械ではなく液体状の半生物。

一般的言語による命令で、インターフェースやネットワークを自律的に構築し、雑多な周辺デバイスを用意することなく統合的システムを実現できる。

しかしその故障は通常の機械のそれと異なり、生物の病気や死といった事態に近いため、修復には高度に特殊な技術を必要とする。


【リリィ・ドライブ】

星百合(スターリリィ)によって開かれた超空間を進むための宇宙船用航行機関。

超空間〈リリィ・ウェイ〉は「情報化された宇宙の裏面」で、物質やエネルギーではなく数式やパターンが本質となった空間である。

そのため船は通常の推進方法では進めず、特定の数学的パターンに従って空間に干渉することで、進路が「開ける」。

そのパターンを流体脳によって解きほぐし、正しい座標列情報を空間に送るための装置がリリィ・ドライブである。

そのため、リリィ・ウェイでの推進とは「正しい座標列を歌い続ける」ようなものと例えられ、そのための機関であるリリィ・ドライブを「星の歌いスター・シンガー」と呼ぶ向きもある。


【スター・ゲート】

星百合(スターリリィ)が宇宙空間に生成する、超空間リリィ・ウェイと通常宇宙空間を繋ぐゲート。

超空間への入口と出口の二種類があり、それらと星百合の位置は全くアトランダム。

すなわち、超空間から出てきた船が再度そちらへ突入するために、長距離の亜光速航行が必要となる場合もあり、その間星百合の姿をまったく見ないこともある。


【ゴースト・スター】

通常空間が情報化された宇宙の裏面である超空間リリィ・ウェイにおいて、通常空間で重力崩壊などにより消滅した天体が、かつての姿で現れる現象。


【スター・ガンボート】

銀河帝国で広く使用されている中型戦闘艦。

火力よりも機動性を主眼に置いた艦種で、大型艦に搭載され支援戦力などとして使用される。

武装は赤色熱弾砲のみ。


【リパルシング・デッキ】

反発場(リパルシング)機関を搭載した乗用作業機。

重力下における作業で、足場や艀などとして使用される。

様々なサイズが存在するが、小さなものは二メートル四方で小型宇宙船などにも搭載可能。


帝国軍機動衛兵ガードトルーパー

銀河帝国軍における兵種の一つ。

軍基地、施設、宇宙船内などにおける警備、治安維持が任務。

一般市街地などで憲兵として活動することもある。


星威将軍スティラル

銀河帝国軍における将官の称号の一つ。

特に、銀河星威軍の高官に与えられる。

領外惑星の征服と支配体制の確立など、艦隊指揮官として提督の任にあたる。


【メセビン・ガス】

人間の知能、認識力を飛躍的に向上させる効能を持つ気体薬。

習慣性があり、長期間の依存は使用者の精神や呼吸器系に悪影響を及ぼす副作用をもたらす。

非常に高価で、一回の使用量だけでも価格は巡航宇宙艦一隻分に匹敵する。


【メセバ】

メセビン・ガスを生成する軟体生物。

惑星〈拭災(モロカ)〉に多く生息し、高価で取引されている。

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