EP48 夜汽車の旅へ
なんとか学歴復興委員会らを撃退した義人と美浦。
事後処理を済ませ、職場体験をなんとか終えることが出来た。
そんな二人に神谷から夜汽車のサプライズが!?
「では、お食事はいかがなさいますか?
スプリームクラスでは、お好きな総菜9品を“オーダーメイド折り詰め”でご用意できます」
改札係員が丁寧に頭を下げる。
アインクラッド号の食事は特別仕様だ。
普通車・グリーン車は和洋二択。
だがスプリームクラスは――
200種類超の駅ナカ総菜から、9品を“構成”できる。
「うそっ…! 本当に全部から選べるの!?」
美浦の声が弾む。
フレンチの名店から穴場の牡蠣料理まで、全ジャンルが揃う“総菜の宝庫”。
鉄道好きの間で、
『一生に一度は乗りたい寝台車ランキング第1位』 と称される理由はこれだ。
「よしくん、晩ごはんどうする!?」 「美浦と同じでいいよ」 「了解っ!」
ふたりの夕食が何になるかは――
まだ明かされない。
ひとまず、朝食だけ決めておく。
《広島焼肉・ヒメジ こうねすきやき弁当》
それが二人の朝食となった。
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エキナカの買い物タイム──束の間の平和を楽しむ二人
「まだ時間あるし、買い物しよっ!」
発車まで1時間。
夕方のエキナカは、買い物客の熱気で賑わっていた。
「あ、<神楽坂パンダカステラ>だ!」
「稲毛の店とは別店舗か。いいね」
近年大流行のパンダ型焼き菓子。
映えるビジュアル、ガチャ要素、撮影会で絶大な人気を誇る差し入れ。
美浦は黒蜜わらび12個。
義人は瀬戸内レモンクリーム12個を購入。
和やかで、幸せな時間。
――しかし、この静けさは“前兆”だった。
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発車9分前──走る城《アインクラッド号》へ。
「発車9分! 急ごう!」
二人は急ぎ足でホームに戻り、
“走るスイートルーム”ことスプリームクラスの個室へ入る。
「うわぁ……!」
赤絨毯、銀壁、柔らかな照明。
前方にはベッド、奥にはシャワー、
脇には真空保管ボックスと専用冷蔵庫。
まさに“空間そのものがVIP”。
「よしくんと乗れるなんて、夢みたい……」 「ほんとにな」
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一方その頃──“国家の影”が動き出す
同じ列車の普通車。
公安の永瀬が静かに腕を組んでいた。
「永瀬さん、なぜこの列車に?」
「総監から連絡があってね。“奴ら”が動く、と」
「…クルド解放戦線、ですか」
日本の強制送還条例に反発する過激組織。
少数精鋭だが、テロと暗殺を繰り返す危険集団。
「彼らは必ず動く。
我々は“その瞬間”まで手を出さず、鉄道警察と情報共有だ」
永瀬が低く呟く。
「さて……“解放戦線”の皆さん。どう仕掛けてくる?」
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グリーン車──潜む“もう一つの影”がいた。
「見ろよ。こんな高い列車、よく予約できましたね」
グリーン車には、4名の影が潜んでいた。
・リーダー マグル
・ハッキング担当 マッド
・狙撃手 ボビィ
・怪力の ジョウン
「いいか。
日本政府に“撤回”を飲ませるには、
ここにいる乗客どもに理解させなきゃいけねぇ」
マグルが不敵に笑う。
「このアインクラッド号で――
俺たちは “開戦” する」
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そして、列車は動き出す。
<まもなく、東京行きアインクラッド120号、発車いたします>
ベルが鳴り、ドアが閉まる。
水素ディーゼルエンジンが低く唸る。
走る“未来の城”が闇の中へ滑り出す。
「あっ、よしくん! 発車したよ!」
「じゃ、軽くBSOやって…晩飯にするか」
二人はスプリームのベッドでゲームを起動する。
彼らは知らなかった。
――今夜、この列車が“戦場”に変わることを。
次回からはスリルと絶望の夜汽車旅!!?
美浦と義人は、無事に東京へ帰れるのか!?




