EP43 悪夢への前夜祭
ジェニーを撃破した義人。
その一方で、美浦はリーナと一歩も譲らない激闘を演じていた。
激しい戦いの果、美浦はついにリーナを撃破する!
割れるような歓声が会場を包んだ。
勝者コール、祝福、称賛——それらすべてが渦となって押し寄せる。
「ありがとう、みんなーッ!!」
美浦と義人がハイタッチしながら手を振る。
ステージ上の二人の笑顔に、客席の熱気はさらに高まった。
「いやぁ、参ったよ。本当に強いな、君たち」
「私たちの全力を受けても立ってるなんてね」
パイレーツスクワッドのメンバーが素直に讃える。
それは、彼らが本気の相手にしか見せない誠意だった。
「こちらこそ、ありがとう!」
「またやろう。次はもっと熱くなれるはずだ」
義人とジェニーが力強く握手を交わす。
観客席からどよめきが起き、アニソン夏祭り初日は最高の盛り上がりで幕を閉じた——。
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◆ 一方その頃、暗雲が動き出す。
「皆さん。評議連合から物資が届きました」
薄暗い会議室。
学歴復興委員会・香川支部は、密かに武器箱を開封していた。
生体認証式拳銃4丁。
近接用電磁スティック2本。
——完全に“戦闘用”。
「これで全員が武装できます」
初代と呼ばれる女の言葉に、全員が頷いた。
「ようやく積年の恨みを晴らせる……!」
「自由教育など不要だ! 我らの正義を示す時!」
メンバーの目に宿るのは狂信にも近い光。
彼らの中で、武力行使は正義へ至るただ一つの道だった。
「警察にも思い知らせてやらねばな。
我々の“正しさ”をな」
初代は怒りを押し殺すように語る。
息子が受験会場で暴行事件を起こし、無期懲役になったこと——
それが彼女の憎悪の起点。
「皆さん、明日はグランドオープン。
ランチタイムに作戦を開始します!」
「「「おおおおお!!!」」」
これが、最悪の前夜祭だった。
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「にしても美浦はよく食うな」
「これでも控えてるんです!」
ホテルに戻った二人は、屋台グルメの余韻で笑っていた。
「アニソン夏祭りのドデカジーパイ……また食べたい!」
「俺は胃が死んだけどな」
和やかな時間。
ステージの緊張感が嘘のようだ。
「あ、スキンケアしなきゃ!」
美浦が洗面所に向かい、義人はテレビをつける。
深夜アニメ『転生ゴブリンのキラキラ珍道中』のオープニングが流れる。
「よしくん、パック切らしちゃった!買ってきてー!」
「了解」
義人はコンビニへ向かった。
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豪華な空間。
海外ブランドコスメまで並ぶ“観光特化型コンビニ”。
「……っ、ラッシュブロムの贅沢マスク6パック!?
イースリリーのティント!?
高いのばっか頼みやがって!」
文句を言いつつも買ってしまう辺り、義人らしい。
季節限定のレモンプリンもついでに購入して部屋へ戻る。
「ありがとー!一緒に食べよ!」
「おう」
ふたりでプリンを食べながら、自然と笑顔になる。
「来月、私の誕生日だよ?……よろしくね、よしくん」
「お前が驚くくらいのプレゼント、用意してやるよ」
「楽しみにしてる!」
美浦が頬にキスすると、義人も笑いながら強く抱き返した。
——そして、夜が更けていく。
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翌朝、
「朝から讃岐うどん食べられるなんて最高だよ!」
「ここ来てよかったな」
朝食を終え、二人は8ビットに向かう。
「おはよう、昨日は楽しめたかい?」
神谷が迎える。
「はい!」
「最高でした!」
「それは良かった。実は……娘が生まれたんだ」
「えっ!おめでとうございます!」
「後で写真を見せるね」
新しい命の誕生に、一同の顔がほころぶ。
——その裏で、破滅のカウントダウンが静かに進んでいるとも知らずに。
次回、義人と美浦が1日店長を!?
更に、学歴復興委員会が……!?




