EP42 番のふくろう、大海を知る その2
ついに始まったエピックハンターXの特別エキシビション!
パイレーツスクワッドの猛攻に押されながらも、義人と美浦はなんとか体制を立て直し、ついに義人はジェニーを撃破する!
MC の叫びが戦場に響いた。
「な、なんと──ジェニー脱落ッ!!」
観客席がざわつき、リーナは目を見開く。
「う、嘘でしょ!? あのジェニーが一撃で!?」
エルフ族アサシン・リーナ。
高クリティカル率の“狩りの天才”。
そんな彼女が動揺していた。
「もらったぁッ!」
美浦がスリングを構え、狭い遺跡通路を一気に踏み込む。
──パンッ!
石を詰めたスリングを、近接武器のように叩きつける。
「え!? 弓兵がスリングで殴り合い!? ありえないってば!!」
「スリングはあくまで“補助”です!」
美浦は即座にスリングを収納し、
回し蹴りと同時に光の渦を生む──
「サイクロン・ノヴァァ!!」
「これ、まさか…韓国武術!? エルフのアバターでテコンドーやる人いる!?」
「実は──ふくろうスクール女子テコンドー部キャプテン、
アジアカップ優勝経験者です!」
観客席がどよめく。
(アジア王者のエルフ……って何よそれ!?)
焦りがリーナの胸を締めつけた。
だが美浦は止まらない。
「まだまだいきますよッ!」
弾丸のような飛び蹴り。
リーナは慌てて土を掴み、美浦の顔へと投げつける。
「うっ……!!」
視界を奪われ、美浦が一瞬止まる。
(今しかない! 距離を取らなきゃ!)
リーナは飛び退き、草陰へ身を潜めた。
「はぁ……はぁ……まったく、あの子……
エルフなのに格闘戦って、反則じゃない!」
エルフは本来、近接戦闘が弱い。
それがセオリーだ。
──だが美浦は完全に例外。
遠距離:弓・スリング
近距離:テコンドー+ガンカタ
支援:探知スキル
(死角ゼロとか聞いてないわよ!!)
気を取り直し、リーナはアイテムを確認する。
「ポーション2本、毒吹き矢4発……よし」
「ダミードール」
──泥人形が草むらに立ち上がる。
美浦が気づき、弓を構えた。
「いけっ!」
矢が刺さったのは──
「いだぁっ!?」
リーナ本人だった。
「なんで当たるのよ!?」
「探知スキルで本物は丸見えです!」
(ちょっ……探知持ちとか聞いてない!!)
リーナは短剣を抜き、正面突破を決意する。
「いいわ……来なさい、近接戦で勝負よ!」
美浦の目が輝く。
「待ってました!!」
二人が激突。
飛び回し蹴り──ガード。
短剣突き──パリィ。
一瞬の隙に、美浦が弓矢を逆手に構えた。
「零距離射撃!!」
「はぁ!? 弓を至近距離で撃つとか反則でしょ!!」
リーナが吹き飛ぶ。
「ガンカタとテコンドーの複合武術です!
藤宮先輩に習いました!」
(そんな練習するエルフがいてたまるか!!)
怒りと焦りが渦巻く中──
リーナも反撃。
足を掴み、そのまま一本背負いで叩きつけた。
「あなたも武術持ち!?」
「世界柔道黒帯2段よ!
アンタの蹴りが通じるかどうか──試してあげる!」
観客席が総立ちになる。
VR格闘の応酬。
アバターの補正すら追いつかない超高速の交錯。
美浦が叫ぶ。
「このゲームは新型エンジン<ステラドライヴ2.X>搭載!
だから、私の技は全部“実戦級”で再現できます!」
「そういうことか!」
リーナは美浦の足を掴み、大車輪のように振り回す。
だが──
「ふっ!!」
美浦が逆に軸足で踏ん張り、リーナを地面へ叩き返す。
「ぐぅっ……やるじゃない……!」
「あなたも強いです!」
次の瞬間──
美浦の上段後ろ蹴りが直撃。
「これで終わりです!!
サイクロン・ノヴァ──フルバースト!!」
爆風が遺跡通路を埋め尽くした。
リーナは倒れ、静かに笑う。
「ふふ……負けたわ。
マイクが認めるだけのことはあるわね……」
MC が勝利を宣言した。
「海賊分隊──撃破!!
稲毛アウルズ、世界ランカーに並ぶ本物の実力だぁ!!」
次回より8ビットがグランドオープン!
その前夜として思いを馳せる中、学歴復興委員会が不穏に動き出し……!




