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バトルステーツ・オンライン〜若き番のゲーマー、世界へ羽ばたく〜  作者: 騎士誠一郎
義人と美浦のドキドキ職場体験!〜Featuringミッドナイトトレイン・ジャック〜
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EP41 番のふくろう大海を知る その1

義人と美浦は大的場海浜公園で開かれるアニソン夏祭りで初めてのデートを楽しむ。

そんな中、南天堂メテオールから緊急の助っ人依頼が!

相手はカリブ海の海賊分隊!

いま、若き番のふくろうが海の王者に挑む!

両チームが戦闘システムに座り、視界が光に包まれる。


「さぁ観客のみなさま! 世界最高峰のバトルが、ここ高松でついに開幕です!!」


 MCの叫びがスタジアムを震わせる。


 エピックハンターX──発売初日に100万本突破した“フルダイブMOBAの頂点”。

 あらかじめ決められたキャラクターを操作する代わりに、アクション性とロールプレイングを極限まで突き詰めた世界的人気作。


 義人はシリーズの主人公格・アルト。

 美浦は相棒ポジションのエルフアーチャー・エリザを選択。


 舞台は《ティファーニア遺跡群》。

 狭い回廊、吹き抜けの空洞、複雑な地形がプレイヤーの脳を試す戦略マップ。


「美浦、気を抜くな。俺たちがゲーマーだからこそ、相手は“それを読んで”崩しにくる」


「了解。……となると、遺跡じゃなくて“俯瞰”で取った方がいいかも」


 美浦が見晴らしのいい木を探して跳ぼうとした、その瞬間──


「悪いがお嬢ちゃん! その発想、甘えすぎだぜぇ!」


 遺跡の壁が爆ぜ、ジェニーが巨体のまま突撃してきた。


「チッ……ゴリ押し型パワーファイター!」


 義人は槍を構え距離を取る。


「美浦!」


「援護する!」


 美浦が矢をつがえ、射線を通す。

 鋭い矢がジェニーの動きを牽制した瞬間──


「背後がら空き、ってことよね?」


 刹那、リーナが美浦の背後へ無音で現れた。


「速っ!? この人、完全高速特化のクリティカルヒッター!」


 美浦は即座にスリングを取り出し、石を弾丸のように放つ。


「いった!? ……やるじゃない」


 リーナが額を押さえた一瞬、美浦と義人の姿が遺跡の影に消えていた。


「逃げ足早ぇな。だが──」


 ジェニーは遺跡の壁を片っ端から粉砕しながら前進する。


「……ふぅ、危なかった……!」


「エルフの固有スキル、マジ助かった……!」


 美浦が草葉を集め、《安全地帯セーフゾーン》を形成。

 光が揺らぎ、ふたりを包む。


「状況整理しよう」


 義人は冷静に言う。


「ジェニーはパワー特化。殴り合いは無謀。リーナは確実にクリティカルレンジ入れてくる高速型」


「つまりあの二人……お互いの弱点を完全に補ってる」


 ジェニーの撹乱、リーナの仕留め。

 世界ランカーが誇る最恐コンビネーション。


「だけど、裏を返せば“崩しどころはある”ってこと」


「問題は、その瞬間をどう作るか……だな」


 ジェニーの足音が近づく。

 遺跡が揺れ、砂が落ちる。


「どうするの?」


「セーフゾーンなら絶対に見つからな──」


「残念。戦いにはいつだって“例外”ってやつがある」


 ドゴォォン!!


 ジェニーの拳がセーフゾーンを粉砕した。


「うそ!? スキルが……破られた!?」


「オーガには《セーフクラッシュ》っていう固有パッシブがあるんだよ!!」


 オーガ──セーフゾーンを破壊できる唯一の種族。


「美浦、分散するぞ! 各自で相手する!」


「了解! 私はリーナさんを止める! よしくんはジェニーさんを!」


「あぁ!」


 義人はランスを構え、ジェニーとの“タイマンエリア”へ飛び出した。


「タイマン上等! 俺はそういうの、大好きだ!!」


 ジェニーが拳を引く。

 義人は右ステップでかわす。


(俺のスキル回数は3回……強みは状況判断と戦略。使いどころを間違えなければ勝てる!)


「小賢しい戦略なんて……俺の前では全部粉々だ!!」


 ジェニーの右ストレートが遺跡の床を砕く。

 義人のHPバーが微量ながら削られる。


「クソ……一撃が重すぎる!」


 義人は素早くステータスを開く。


(残りアイテムは……投げナイフ6本とポーション3つ)


 制限アイテム、限られたスキル回数。

 これこそレガシーワークスの真骨頂。


「……使えるな」


 義人の視界に“ある物”が映る。

 遺跡から垂れる蔦だ。


「これを……ナイフに括りつければ……!」


 義人はナイフに蔦を巻きつけ、振りかぶる。


「いけっ!」


 ナイフが一直線に飛ぶ。


「投擲!? そんな原始的なもんで──」


 ジェニーが回避する。


「……狙いはそこじゃない」


 義人が地面を蹴る。


 視界が跳び、ジェニーの頭上へ──

 さきほどのナイフは、ジェニーの足元に“突き刺さったまま”だった。


 蔦がぴんと張る。


「加速……そして遠心力!!」


 義人が高く飛び、そのまま蔦を軸にジェニーの身体へ巻きつけるように“周回”した。


 蔦がギリギリと締まり──


「これは……! ローレライ戦術!?」


 ジェニーが驚愕した。


 人気アニメ“Bスクワッド”の戦法を、ゲームで完全再現。


「即席だけど……キマったぜ!」


 蔦がジェニーの動きを完全拘束し、システムが判定を下す。


《ジェニー:リタイア》


「ジェニー選手、まさかのリタイア!!

 義人選手、アニメ級の神業!

 ガードランド夫妻に認められたその実力……伊達じゃない!!」


 観客席が爆発するように沸いた。


次回、美浦とリーナが激突!

アーチャーとアサシンのハイスピードバトルに、こうご期待!!

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