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バトルステーツ・オンライン〜若き番のゲーマー、世界へ羽ばたく〜  作者: 騎士誠一郎
若き能ある番のふくろうよ、その爪を隠して頂を目指せ
23/29

EP23 激戦と波乱と陰謀と

バンドフィッシャーズが2回戦進出を決めて、稲毛アウルズは次の戦いに備えて体を休める。

しかし、国民共産党ではイベント解体会社と密談を交わしていた。

そして迎える、トーナメント2回戦!

はたして、稲毛アウルズは準決勝に行けるか!?

 バトルトーナメント2日目。

 

 2回戦が幕を開けた。

 

「さぁ! いよいよ2回戦が始まります!」

 

「昨日の熱狂が止まらない中、さらなる激戦が期待できそうですね」

 

 レイナとジョージがハイテンションで解説する中、

 

「えーと、MAVシステムに若干の不具合あり、改善求むっと」

 

 テストプレイヤーとしての仕事をきっちりとこなすヨシと。

 

 競技を楽しんでも、不具合などを見つけて報告することは欠かせなかった。

 

「ヨシとくん、お仕事は終わったの?」

 

 フォーミンが駆け寄ってきた。

 

「あぁ。とりあえず小さな不具合や不正がないか調べておかないと」

 

 ヨシとは仕事を終えて、2回戦第1試合を観戦する。

 

 対戦カードはワルキューレツインズとコマンダー99。

 

 コマンダー99は、米国陸軍サイバーテロ対策部隊所属の選抜チーム。

 

「米国軍がこのゲームになんの用だろう?」

 

「ケーニッヒ次期大統領のお膳立てか?」

 

 稲毛アウルズが首を傾げる。

 

「准尉、貴官は初陣だ。目的はあくまで日本の共産党が産んだプログラムの排除だ」

 

了解(Yessir)

 

 どうやら、ノーブレス・アンノウンの正体を突き止めたらしく、アメリカ本国から派遣された。

 

「あらぁ、意外とナイスガイなアメリカチームね」

 

「でも、容赦はしませんわ」

 

 ワルキューレツインズが優雅に挑発する。

 

「貴殿らも留意したほうが良い。我々は任務できている」

 

 コマンダー99の中佐と准尉は眼の前の敵を倒すことに集中した。

 

「中佐、彼にはなんと伝えれば?」

 

藤宮義人(ヨシト・フジミヤ)のことか? 心配するな、司令から伝達分を送った」

 

 

 そう、観客席のヨシとに米軍からメールが届いた。

 

「あれ? アメリカ軍から機密文書?」

 

 フォーミンに一言言って人気のないところで開封する。

 

「Mr藤宮、貴殿に対しこんなメールを送ったことを謝罪する。

 

 我軍は、ノーブレス・アンノウンが日本の共産党が開発した自立稼働プログラムであることを突き止めた。

 

 われわれは彼らを排除し、安全なゲーム環境を提供することを約束する。

 

 運営やお父上に、このメールを転送していただきたい。

 

 これは、アルベルト・マイン・ケーニッヒ候補からの直々の命令である。

 

 すまないが、よろしく頼む。

 

 米国陸軍第45サイバーテロ対策部隊統括司令カーネル・アズライト」

 

 米国軍からの直々のメールに、

 

「父さんと運営に、それぞれ転送っと」

 

 幸太郎や運営に転送した。

 

「誰かに見られないように削除しておくか」

 

 そう言いながら、メールを削除して観客席へと戻る。

 

「あ、ヨシとくん! もうすぐ試合が終わっちゃうよ!」

 

 フォーミンが言うように、コマンダー99とワルキューレツインズの試合が架橋を迎えようとしていた。

 

「准尉、ここが潮時だ。気を引き締めろ!」

 

「了解です!」

 

 中佐と准尉がハンドグレネードを手に特攻を仕掛ける。

 

「特攻!?」

 

「全く、これだから軍人は!」

 

 ワルキューレツインズはMAVアタックの準備をする。

 

「鳴り響け、福音の鐘!」

 

「切り裂け、聖なる光!」

 

 コマンダー99が迫る。

 

 しかし、ワルキューレツインズが準備を済ませた。

 

「「バリスティック・グングニル!!」」

 

 巨大弓を召喚し、セットされた槍を発射する。

 

 それは、コマンダー99を貫き、ワルキューレツインズは準決勝へと駒を進めた。

 

「ワルキューレツインズ、準決勝進出! 早くも稲毛アウルズとの対戦できるかが行方がわからないですよー!」

 

「そうですね。新潟米っとも油断できませんからね」

 

「おや? 運営から通達が?」

 

 レイナが運営からの通達を確認している間、

 

「対戦準備」

 

「戦闘プログラム異常なし」

 

 会場内通路で、ノーブレス・アンノウンは自分たちの準備を済ませる。

 

「残念だが、貴殿らの出る幕はない」

 

 コマンダー99が、ノーブレス・アンノウンの前に表す。

 

「米軍の差し金を確認、排除する」

 

 ノーブレス・アンノウンが体の構築を書き換える。

 

 それは死神を思わせる黒装束に紅い仮面、そして大きなハンドガンが握られていた。

 

「その銃にはアバターの精神データを書き換え、洗脳するプログラムを発射すると資料に描いてあったな」

 

 中佐が舌打ちをしながらも、ハンドガンを発射する。

 

 准尉は散弾銃で攻撃する。

 

 ノーブレス・アンノウンはあっけなくダメージを受けた。

 

「戦闘継続不能、機密保持のため、消滅する」

 

 その言いながら2体のプログラムは消滅した。

 

「中佐、奴らは用意周到ですね」

 

「たしかに、世界中の共産主義者たちは己のエゴで動く生き物だ。そんな奴らの汚職を暴き出すのも軍人の仕事だ」

 

 コマンダー99は任務を終えて本部へと帰投する。

 

 その知らせは、国民共産党本部に届いた。

 

「馬鹿なっ!? 米軍が嗅ぎつけただと!」

 

 かずおは科学部長からの報告書に憤慨した。

 

「何故米軍は私の計画に気づいた!」

 

国民共産党(われわれ)の中に内通者(スパイ)がいる可能性は否定できない」

 

 倉田が冷静に話す。

 

「そのスパイをあぶり出せ! 米国大使館への見せしめとして殺せ! ブラッディイヴ計画が公になれば、私の政治家生命が終わりかねん!!」

 

「御意に」

 

 倉田が去った後、かずおは頭をかきむしる。

 

「ケーニッヒめ……!」

 

 パソコンの画面には、若々しい顔立ちの青年が映し出された。

 

 ケーニッヒ家の次期当主であり、次期大統領最有力のアルベルト候補。

 

『私は祖父の代から続いた米国ファーストを拡張し、グローバルファースト主義の政策を行います!』

 

 彼は、若くして下院議員に就任し、経済学や国際社会学を学んだ知識を生かした政策を打ち出している。

 

『私が大統領としてまずやらなければならないことが一つあります。それは、世界の癌といえるフェミニスト活動者や共産主義者をこの世界から根絶することです!』

 

 そう、若き大統領となる男は、共産主義やフェミニスト活動者を快く思っていなかった。

 

『自らのエゴのために、気に入らないものを排除するフェミニスト活動者や共産主義者に怯える必要はもうありません! 私は、これからの世界のために彼らを一掃し、自由な表現と言論が生きる個性社会を築き上げてみせます!』

 

 幼い頃、アルベルトは共産主義者の汚職を目の当たりにし、それが世界の癌であると認識した。

 

 故に、若者たちの力になりたいと強く思った。

 

「ケーニッヒ、貴様の偽善がわれわれを抑圧しているのだぞ。貴様が大統領になれば、われわれはどんな仕打ちを受けるかわかっているだろうな?」

 

 かずおは歯ぎしりを起こす。

 

 若きアメリカ大統領が、後に共産主義者を一掃するためにある行動を開始する。

 

 それは、後に「世界共産党」を作るきっかけとして、共産主義者たちの間で語り継がれることとなる。

次回はいよいよ稲毛アウルズの出陣!

こうご期待!!

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